独逸から届いたM800用の18C-EFのペン先ユニット2個を分解してみたら、片方にコストカット穴が開いていた!
実は、以前、18C-3Bのコストカット穴を紹介した際、海外からの閲覧が急上昇した。おそらくは海外の掲示板で写真へのLinkが紹介され、こちらを見に来た人が多かったのであろう。
それらの掲示板を覗いたところ、3Bだからこそインクフロー改善のために行った行為であり、他の太さではやらないのではないか・・・というような意見もあった。
萬年筆研究会【WAGNER】の勉強会で【コストカット穴とインクフローは何の関係もない】とその後聞いたのだが、EFまでもがコストカット穴対象となったことで、その無関係性があらためて証明されたことになる。同じタイミングで発注し、子ペリカンの刻印までまったく同じように見えるが、コストカット穴有りと無しがある。今回、その見分け方を伝授しよう!
といってもたった2個のペン先比較からだけで想像したものなので、当たるも八卦当たらぬも八卦・・・
コストカット穴はソケットによって100%隠されているので、たとえペン先ユニットを外したとしても一切わからない。
しかし詳細に比較するとコストカット穴がある方が18C-750 や EF の刻印がやや浅くて綺麗。それに比してコストカット穴無しのモデルでは彫り目が深くギザギザになってるような気がする。
この画像比較ではわかりにくいが、実物を生で見れば差はわかる・・・のだが、両社を並べて比較すればわかる程度。1個のペン先ユニットを持ち込まれて、これがコストカット穴有りか無しかを判定ししろ!と言われたら、拙者ならソケットを分解する。その方が時間がかからない。
こうやって並べてみると、コストカット有りのペン先はかわいい。穴の部分が眼で、そこから上が額と髪の毛みたい。ウルトラマンに出てくる怪獣的な感じもするし、オレたちひょうきん族に出ていたシークレットカツラ【ヒミツ君】を装着した頭のようにも見える。ペン先の基本設計が変わっていないので、ペン芯はまったく同じ。画像で上がコストカット穴付きのユニットに不足していたペン芯。まったく両者は同じ物!
翻って考えれば、1969年発売開始のParker 65のペン先には既にコストカット穴が開いていた。それから40年以上経ってやっとコストカット穴に踏み切ったPelikanは、ひょっとすると非常に頑固なメーカーなのかもしれない。