
買ってからほどなくして【ニューコノソアール】という高級版が発売され、そちらも購入したが、見栄えは断然コノソアールの方が良かった。
たしか黒のグロッシー、バーガンディ−、グリーン、黒のチェイス模様が発売されたはず。日本ではグリーン軸は発売されなかった。それを目当てにニューヨークに行った記憶がある。
この個体にはキャップにイニシャルが入っているので、何かの記念に贈られた物かな?刻印は先端部の尖ったリュータで描かれたもので、ものすごく上手!
長い間愛用されていたのか軸は傷だらけ。もっともSheafferのプラスティックは非常に傷つきやすい素材なのでそのせいかも?
初期のモデルは、キャップの口の外側が面取りされていなくて多少安っぽかったが、この個体は面取りされている後期モデルじゃ。


この事実からSheafferの切り割りは、ペンポイントの玉の位置を固定し、その中央から切れ込みを入れる方式だと判明した。
こんなやり方では日本や独逸の市場では通用しない。現在ではBic傘下となり品質は飛躍的に向上したが、おもしろみは減ってしまった。
またペン先とペン芯がぐらぐらするので、もう少し全体を首軸に押し込まないと安定した筆記は出来ないはずじゃ。


大らかな時代のアメ車のようで、これはこれでおもしろい。依頼者は左利き & 細字好きなので、このままでは字幅が太すぎ、かつ、押す際に少し引っ掛かりがある。
また下に線を引く際にエッジがカリカリと紙を抉るような反応が見られる。全体的にペンポイントの幅を減じ、紙に当たる面積を小さくして細字化を図る事にした。

Sheafferでは、当時最も安価なノンナンセンスも、ニュー・コノソアールも同じペン芯だったが、ペン先の大きさや厚みは当然違うので、それを首軸の内径でカバーしようとしていたのかも。
これってアメリカ的発想?日本なら首軸内径を同じにして、ペン芯側で調整をするはず。その方が誤差が少ない。またペン芯にも格というものがあっていいと考えるのが日本流。
理解出来ているようで完全には理解出来ないのが米国流の発想。みんなでワイワイ討議しながら設計したものではないので、かなり独りよがり感がある。なぜ誰もアドバイスしてあげなかったのだろう?

手抜きのように思えるが理にかなっている。実際、このペン芯を使うSheaffer製萬年筆のインクフローは非常に良い!ノンナンセンスが爆発的に売れたのもそのせいだと信じている。
ただ、同じ設計でも良いので、コノソアールやニューコノソアールのペン芯にはラッカーを塗るなどの細工をしてほしかったなぁ・・・