2013年01月14日

Sailor 島桑 21K-M カリカリ・シャリシャリがイヤだぁ!

12今回の依頼品はSailorの創立100周年記念の島桑】。調整が当たればものすごい書き味になるのだが、その書き味が日によってブレると言われている。極上の日もあれば、あれれ?と感じる書き味の日もある。よって【気むずかしい萬年筆】と一部では呼ばれている。ちなみに拙者もこいつの気むずかしさに閉口したこともある。ただし日によっては極上の書き味になるので、飽きることもない。良い書き味が安定してしまえば、その萬年筆に対する興味も失せてしまい、道具になってしまう。
この不安定な書き味の原因は良くわからなかったが、今回の調整を通じて少しわかったような気がする。興味のあるに方は、本日の裏定例会でお教えしよう。それ以降は口をつぐんでおくべき内容であろう。

34今回は未調整の状態とのことであった。国内通販で新品で購入されたとか。ただし当時は少しインクフローが悪かったのではないかと想像する。
現在ではスリット先端部が少し開いてエエ感じに見えるが、実は好ましい状態ではない。インクフローが悪すぎて少し筆圧をかけ過ぎたのか、ペン先先端部が少し上に反っている。

5そのせいかペン芯とペン先の間に隙間が出来て、インクの流れが阻害されている。筆圧をかけると時が途切れる危険性もある。
またペン芯先端部が少しお辞儀している。これはペン先の段差を直そうと上からペン先を押したせいかもしれない。とりあえず別のペン芯と交換しておいた。

6調整前は、左画像のように大きな段差が出来ていた。なを左画像はMicrosucopeの先端部に、TWSBIのケースに入っている振動防止用のクッションを加工したデフューザーを装着して撮影した。
撮影用の固定具は、wavioさんがダイソーで材料を仕入れて作ってくれた物を利用。
撮影した直後はソフトフォーカスで画像はほとんど識別出来ないが、Photoshopで加工すると荒々しい画像になり、非常に分かりやすい!
画像のように正面から見ると左右に大きな段差がある。表面が焼き物の表面のように見えるが、これはおそらくはインクが削られたペンポイントに一部に付着しているせいであろう。
これでは書く方向によっては、かなり引っ掛かったしまう。特に右から左に書く線や、右上から左下にひく線の書き味がガリガリ、ジョリジョリとなってしまうはず。

78こういう調整には通常なら、それほど時間はかからない。ただし【気むずかしい】島桑の場合にはもう一工夫必要。
左は段差を直した状態のペンポイント先端部。段差は無くなっているが、エッジ処理は甘いのでペン先のスリットを開くとジャリジャリ感が残ってしまう。
メーカーさんがスリットを軽く詰めた状態で出荷するのは、このジャリジャリ感を出さないためではないかと邪推した時期もあった。
スリットがピッタリと合っていれば、ガリガリ感が出ないので、最後の微調整に必要な手作業時間を大幅に削減出来るからじゃ。
実際には拙者の妄想であったらしいが、スリットを開くほど調整が必要となるのは事実。ただしインクフローの良さが書き味の悪化を救ってもくれるので、筆圧が低い人はスリットが開いているペンポイントでも大丈夫!
右側画像は、ペンポイントの表面を研磨して、一旦ツルツルにし、その後で少し荒らしてある。こうすることによって書き出し掠れの防止と書き味の向上が保証される。

9左側はペンポイント先端部の状況。やや斜めからの映像にするように島桑を何度もスキャナーの上で動かして位置決めをした。
島桑は、キャップが尻軸にささらないので、スキャナーの上での位置決めが非常に難しい。
この画像からわかるように、ペンポイント先端部は毛細管現象が働くよう、スリットはちゃんと先細になっている。
調整が終わった島桑をインク瓶につけて書いてみる。インクフローは十分多く、書き味もすばらしい!これぞSailorの最上級の書き味じゃ。
ただし真冬の雨の日に調整したので、炎天下の晴天の日にも同じ書き味でいてくれるかどうかはわからない。なんせ【気むずかしい萬年筆】だからな・・・


【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
この記事へのコメント
こんばんは、treknoriです。
タイトルのカリカリ・シャリシャリてので思い出したのですが。
アウロラのオプティマもよくデフォルトの書き味(実際私が試し書きした際もこんな感じでして)はこういう表現されますが理由としてはこの記事の通りなんでしょうか?
Posted by treknori at 2013年01月14日 19:35