2013年07月10日

水曜日の調整報告【 Parker 75 純銀軸 14K-XF 最後の1本?】

1半年以上にわたって定期的に掲載されたParker 75の調整画像だが、いよいよこれが最後となる。大量の生贄を提供頂いたbluesky@山口さん、ありがとうございました。
今回の仕上げは、銀燻し液に入れた後、水洗浄し、そのまま乾燥させたもの。通常は水洗浄した後、油分(大島椿油やひまし油)を擦りつけて黒くするのだが、今回はそのまま放置してみた。
そうしたところ、銀がまるでバーメイルのように黄色っぽくなり実に良い感じになった。たとえて言えば、純銀のジッポライターがくすんで乳白色になった時のよう。
今後、握って筆記をしていけば、その部分が黒く代わり、良い感じの斑模様になっていくだろう。Parker 75での新しい遊び方の提案かも?

23ペン先はU.S.A.製でペン先が二段式に細くなっているモデル。ペンポイントは元々は円盤形であったはず。
かなり詰まっているのでペン芯から外し、スリットを少しだけ開ける必要がある。でないと相当に筆圧をかけないとインクが出てこないだろう。
ペン先先端部に浅いひっかき傷のようなものがあるが、これは直ぐに消すことが出来る。
1200番の耐水ペーパーで傷を削って目立たなくした後、銅磨き布にペン先ごと擦りつければ一発で傷は消え、ピカピカの表面になるはずじゃ。

45おやまぁ、ペンポイントは既に拙者が研磨してあるようだ。半年の間にタコスペ・超不細工の練習として研磨したものであろう。
ただ、スリットが閉じたまま調整してあるので実際に使うには、スリットを開いてから再調整する必要がある。
ペン先のスリットが詰まっているParker 75にありがちな、【ペン先とペン芯の間に隙間が出来る症状】は幸いにして発症していない。今のうちにスリットを拡げて予防しておこう。

6こちらがペン芯。表面の薄茶色の部分がシェラック。オイオイ、ペン芯の近くまでシェラックが来ているぞ!
出荷時点ではペン先を固定するためにシェラックで固定していたのだろうが、その後の修理を考えれば固定しない方がずっと楽。
シェラックを削り取ってしまうとペン先がグラグラになるので、それはそのままにしてペン先先端部を鹿皮でくるみ、そこをヤットコではさんでペン先を引き抜くのじゃ。

7こちらはペン芯の裏側。ここにペン先の太さを示す刻印がある。前回話題になった太さ刻印の両側の【・】は今回は無いようだ。
この太さ刻印の画像で直ぐ左側の溝が空気穴。ここから入った空気はペン芯のやや細くなった部分を通じてペン芯の表側へまわってカートリッジの中へ導かれている。
そしてカートリッジから流れ出したインクは一旦首軸内側のインク溜まりに入った後、おもむろにペン芯の溝に注がれると思われる。
まえに掲載したペン芯画像を見ると、カートリッジ側から来たインク溝は途中で切れて、ペン先先端部まで直接繋がっていない。これはいままで見過ごしていた・・・

8こちらがペン先の全体図。最初はあったペン先先端部の傷が消えているのがわかるかな?
またスリットが少しだけ開き、先端部が密着していない状態になっている。さすがにこれは画像では認識できまい。
今回、Parker 75のペン先をじっくりと眺めて、その無駄の無さにあらためて感心した。無駄が無い物は美しい・・・という境地に60にして到達することが出来た。
思い返せば20歳の時が一番派手で奇抜で、今思えば、恥ずかしい服装だった。男のパーマ、男のハイヒール、男のパンタロンなどが流行った時代。当然いの一番で試していた・・・

910こちらの画像ならペン先のスリットが見えるであろう。良い感じじゃ。そしてここからペンポイントの微細研磨を始め、約10分後、完璧な書き味になった!
Parker 75が、調整前の書き味であっても、あれほど流行したというのが今では信じられない。今まで調整無しで使えたParker 75って無かったもんなぁ・・・
おそらくは時代が許してくれていたのだろう。ほかに比肩すべき筆記具も無かったしな。
しかし今は競合はたくさんいる。Parkerはインジェニュイティを出したが、残念ながら調整を施した万年筆には比べるべくもない。はたしてParkerはどこへ向かおうとしているのだろう?
個人的には、Montblanc No.149なみに大きなParker 75 ガリバー なんてのを出して欲しいな。No.1468ソリテールよりも大きな銀軸!Duofoldの銀軸よりも銀の量は少なくてすみそうだから。


  【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
 

Posted by pelikan_1931 at 18:00│Comments(0)