2013年07月12日

金曜日の調整報告【 Pelikan 400NN 14C-F 首軸からのインク漏れ 】

1今回の調整依頼は、通称【戦場カメラマン】のTerryさんから。友人からいただいたものらしいが、首軸からインクが漏れるので、可能であれば直して欲しいという要望。
萬年筆研究会【WAGNER】初登場の時の、かなりゆっくりとしたしゃべりで【戦場カメラマンに似てると言われたことない?】と問うたのがセカンド・ハンドルネームの由来。
最近では話すスピードが増して、普通の人並みになってきたが、職業柄か滑舌が良く非常に聞きやすいので、広い会場でもどこにいるのかすぐにわかる。

2345研ぎを良く見ると、Terryさん好みの逆オブリーク気味に調整されている。
一方、右側のペンポイントの方が大きいので、逆オブリークとしてはかなり筆記に手こずるかもしれない。
えてしてペン先とペン芯の間に隙間が出がちなPelikan M400系ではあるが、きちんと隙間対策が出来ているのは立派!

6なんて感心していたのだが、ペン先ユニットを外して見ると、M400のソケットで代用されている。
な〜んだ、過去に拙者が調整したブツか。どうりで問題を発見できなかったわけだ。
それにしてもペン先刻印が見えないなぁ・・・ソケットの下かな?今回は完全分解の必要が無かったのでペン先の全容を見ていない。

7不具合はこちら。首軸に大きなクラックがはいっており、ここから壮絶なインク漏れをするらしい。
ためしに、このクラックの上に、大島椿オイルを塗り、尻軸側から空気を吹き込むと、ぶくぶくとクラックのところで泡だった!やはりここからインク漏れしているようだ。
簡単に尻軸側から空気を吹き込むと・・・と記載したが、それには専用工具が必要になる。萬年筆研究会【WAGNER】のペンクリにその工具を持参されているのはwavioさんだけだが少なくとも5人は持っている。

8その工具を使って尻軸ユニット(左の3つ)を胴軸からジワジワと引っぱり出すのじゃ。
そのあとで、胴軸内部やピストンの弁を掃除した後で、クラック解消の作業に入る。

10胴軸が外れたら、クラックの上に、アロンゆるみ止め(5年以上前に購入)か、ネジ山救助隊を盛る。かなりサラサラした液なのでこぼさないようにな。どちらもコニシが発売元。
そして、首軸の前面を人差し指で押さえ、尻軸側から空気を力いっぱい吹き込む。
するとクラックのところにぶくぶくと泡が出る。その一瞬、吹くのをやめれば、接着剤はクラックの隙間にチュっと入る。空気を吸う必要は無い。
その後、時間をかけて乾燥させればできあがり。ただし暑い季節なので、もう少し接着までの時間を確保した方がよかろう。あとおよそ一週間!それでインク漏れは止まるはずじゃ。


  【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間


Posted by pelikan_1931 at 13:00│Comments(2)
この記事へのコメント
Terry さん

ペン先をネジ込むと直ぐにまた割れてしまいます。
ペン先を外さないで下さいね。

Posted by pelikan_1931 at 2013年07月16日 06:16
師匠、修理していただき誠に感謝です。使い始めは異常が全く見当たらなかったのですが、何をしたわけでもないのにある時点から盛大にインク漏れを起こすようになったので、原因不明ながらこの400NNも実は、先日の火曜日のアンケートで言う「壊した万年筆」だったのかも? いずれにしても、これでまたこの軸で書く愉しみが味わえるのが素直に嬉しいです! 少し先になりますが9月の東京の表定例会で受け取りたいと思っておりますので、何卒宜しくお願いします。
Posted by Terry at 2013年07月12日 21:35