2013年08月28日

水曜日の調整報告【 Montegrappa レミニッセンス 18K-F 書き味向上 】

1今回は生贄でも、依頼品でもなく、データ取り用としてお預かりしたもの。今の状態でもある程度満足しているが、まだ良くなる余地があるならご随意に・・・というもの。
萬年筆は、Montegrappa社が一番良い時期に作られたレミニッセンス。純銀ボディに金鍍金したバーメイル製の軸。
純銀軸は所有したことはあるが、このバーメイル軸を触るのは初めてではないかなぁ・・・。作りが良いという表現よりも、設計どおりに作られた伊太利亜萬年筆と表現して褒めるべきであろう。

23首軸に彫られたMontegrappaの文字が誇らしいそう。首軸のいちばん良い位置にメーカー名をもってくるなんざ、日本人にはおこがましくて出来ない。
それをさらっと自慢げに刻印するのが伊太利亜なのじゃ。ちなみにペン先は少し改良の余地がある。
ペン先先端部の丸め方が雑で、ある角度の範囲外では、ペンポイントが引っ掛かってしまう。
またペンポイントが詰まりすぎて、書き出しの感じが今一歩。しかし改善点がそれだけしかないというのは、この時代のMontegrappaとしては画期的!

45こちらは横顔。かなり男前の横顔なのだが、少しエッジが立っている。このエッジをラッピングフィルムでなぞって落とせば、書き味は劇的に改善するはずじゃ。
この当時のMontegrappaはエボナイト製ペン芯を使っている。もちろん自社生産ではなく、ボック社などのペン先専門業者にペン芯と共に外注していたはず。
同じエボナイト製ペン芯はデルタに搭載されたこともあったと思い出した。
ペン先を自社生産に切り替えたあとのM800のペン先品質の推移を見ると、このまま委託生産しておくのがが正解だったろう。

67軸のあちらこちらに銀の品位?を示した刻印がある。キャップ(クリップの下)と、胴軸の首軸側の一面(左)と、首軸を胴軸にねじ込む部分(右)じゃ。
925という刻印、☆1055VIという刻印、とITALYという刻印がセットで入っている。☆1055VIはモンテグラッパを示す刻印なのかな?
首軸の胴軸内にある部分の処理(左)を見ると、この首軸が銀無垢の棒から削り出された物かもしれない。やるなぁ・・・

8ペン先には18金を示す750という刻印と☆1055VIというモンテグラッパを示す刻印は入っているが、ITALYという刻印はない。
このペン先は独逸の大手ペン先専業メーカー製と思われるので、敢えてITALYと入れなかったのかもしれない。
また各刻印の深さもまちまち。一番強い力で打ち付けられているのが【F】というペンポイントの太さを示す刻印。なぜ深さが異なっているのかはわからない。
あるいは、独逸で同じ大きさのペンポイントが付いて伊太利亜にわたったペン先が、モンテグラッパ社で研がれたあとで、刻印をモンテグラッパ社が行っているのかもしれない。単なる仮説だがな。

910もともと良い出来だったペンポイントであるが、極上とまではいかなかったので、少しスリットを拡げ、細字らしい形状に研ぎ上げた。
そこからラッピングフィルムをスポンジの上に置き、インクを含ませたペン先で、その上に書きながら微調整を繰り返す。
この【ほんの少しずつ引っ掛かりを取る作業】を5分もやれば、超極上の書き味が実現できる。今回も大成功!
しかも数年ぶりのパーフェクトな書き味になった!この状態が来年の金沢大会まで維持できるかどうかはわからんが、少なくとも今時点では今年最高!


 【 今回執筆時間:2.5時間 】 画像準備1h 修理調整0.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間 
  

Posted by pelikan_1931 at 23:23│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
この記事へのコメント
Mont Peli さん

貴重な記事ありがとうございました。
モンテグラッパ・ルクソールとDELTA・ドルチェヴィータ・オーバーサーズのペン芯がまったく同じなので、てっきり専門業者に作らせているのかと思っていましたが、
記事を読むと、モンテグラッパがデルタに供給している可能性の方が高そうですね。
Posted by pelikan_1931 at 2013年08月29日 08:56
>☆1055VIはモンテグラッパを示す刻印なのかな?

横長六角形のフレームの付いた☆1055VIは、Italian hallmarkで、1055がMontegrappa社の事業者番号、VIが管轄県(Vincenza県)の略号です。
何があったのかはわかりませんが、合従連衡で再三変わっています。
1.リシュモングループ入り前---------------1055VI
2.リシュモングループ傘下時---------------1140MI
3.新Aquila 傘下入り後--------------------2670VI
根拠資料は、下のFPN投稿文(#1のjar氏)
http://www.fountainpennetwork.com/forum/index.php/topic/223854-modern-montegrappa-regular-edition-pens/

エボナイトペン芯が自社製であるかどうかですが、これを読むとペン先を外注する以前から内製で、その後も一貫して内製を続けていると思われます。
http://www.caprafico.com/pens-88/montegrappa-factory-tour-300
Posted by Mont Peli at 2013年08月29日 07:34