2014年06月04日

水曜日の調整報告【 Kaweco Dia 55A 14C-F 書き味改善 】

1今回の依頼品は独逸のマイナー・ブランドであるKawocoのDia。Kawecoをマイナー・ブランド扱いするかどうかには異論もあろうが、萬年筆の品質面では明らかにマイナー組じゃ。
ただしメカニカル・ペンシルの分野ではメジャー扱いしても問題ないだろう。それほど魅力的なメカニカル・ペンシルを数多く世に送り出していた。
今回の依頼事項は書き味の改善。2003年1月にeBayで入手され、その年の3月にはペンクリで調整していただいたらしい。
2003年と言えば萬年筆研究会【WAGNER】創設の3年近く前。萬年筆研究会【WAGNER】創設は2005年12月17日だった。そう、2015年は萬年筆研究会【WAGNER】創立10周年となる。

23ほとんど使われていないようなペン先だが、寄りが非常に強くてペンポイントの位置で右回りに捩れている。たしかにこれでは運筆がスムーズではなかろう。
そのためにはニブのエラを少し開き、ペンポイント部分が左右密着しないように調整する必要がある。
ところが、この寄りが非常に強く、渾身の力を込めてもペン先のスリットが開かない。こうなったらペン先を首軸から外して作業するしかあるまい。
そしてエラを拡げるのは、トンカチの丸い部分、エラの曲がりを修整するのはトンカチの尖った部分じゃ。ただ、非常に小さなトンカチだし、全てグラインダーで研磨していますので悪しからず。

45こちらが、調整前の横顔。左側画像と、右側画像上はスキャナー画像で、右側の下はスーパーマクロ。
確かにスーパーマクロは鮮やかには撮れるのだがペンポイント部分と金の部分の境目などは、スキャナー映像を見た方がわかりやすい。
Kawecoのペン先はそれほど金の厚さに変化が無いのかな?左側画像を見ると、それほど極端な厚さの差はない。言い換えれば非常に厚めのニブということになる。

6ペンポイントがどのくらい強く密着しているのかを撮影したのが左の画像。これを見るとあまりの寄りの強さにペンポイント全体が左にひん曲がっているのがわかる。
これスーパーマクロで撮影したものだが、写すべき箇所は一点のみ(ペンポイント正面画像)で他はおまけみたいなもの。
しかし、ピントは、そのおまけのような部分に合焦してしまう。バックのボケも激しく、また補助光もここそこに映り込んでいる。
しかし、行き当たりばったりに撮影したわけではない。ものぐさな拙者が、色々集めて作ったミニスタジオで行ったのだが・・・たいしたことなかった。

7ミニスタジオは一番小さな40儚僂里發痢それに上にはZライト、横にはLEDライトを、それぞれディヒューザ壁(白)の外側から当てている。
また下側には、おなじみの4x5インチ、スライドビューアー。これ撮影のために一時電源を落としてありますが、普通は電源オンで使っている。
そしてペンポイントの正面下からスポットライトをペンポイントに向けて放っている。狙いが多少はずれた感もあるが・・・
そして撮影は白い紙の上に置いたスーパーマクロ搭載のカメラ。液晶画面が小さくピントが確認できないので、Eye-Fi mobi カードをカメラにいれ、撮影後の画像をiPadにWi-Fi で転送して確認した。
ただ、この方法だと、ピントが外れていた事がわかるだけで、ピントを合わしてから撮る事が出来ない。

89そして、左画像を見て下され。これがスーパーマクロを使ってレンズの鼻先1僂濃1討靴榛櫃硫菫の全貌。
それをトリミングして正面画像を切り出したのが、右側画像の上。これではボケすぎて情報量が少なすぎる。
そこで方式を変えたのが右側の下の画像。これは萬年筆を垂直に立て、スキャナーのガラス面に当たるペンポイントの部分を拡大した画像。こちらはニブの歪みまで判別できる。
後者の方式は、過去にずっと使ってきたもの。しかし、これもそれほど品質が良い画像ではない。何がまずいか?ずばりそれはライティング。
スーパーマクロでは、影になる部分に光を当てようとしても、ワーキングディスタンスが1僂靴ないので、結局は何も出来ない。
LEDリングライトをレンズに付けて撮影すると、白い輪がペンポイントに映り込んで美しくない。オリンパスの最新型では、深度合成が出来るのだが、その効果もほんの少しだとわかった。

そこで決心した。本格的なマクロ撮影の世界に足を踏み入れるぞ!ワーキングディスタンスを取ったとしても、そこに光源を入れれば、ペンポイントに映り込んでしまう。
ならデジイチの短焦点レンズ+デジタル接写リングを使う方法と、望遠マクロレン+デジタル接写リングを使う方法をまずは試してみることにする。
7月のy.y.Dayまでには機材をそろえる予定で、本日からカタログ調査中。従って秘密兵器での撮影は他の人にお任せする。なんとなく、機材一式で20万円くらいかかりそう。固定資産税を使い込みするかも?

10こちらが、トンカチでたたき、金磨き布で清掃したペン先。実に美しい。もちろんスリットは十分に開いている。
これをペン芯とともに首軸に押し込んで、微調整すれば、ええ書き味のKawecoに大変身するのじゃ!


【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備1.5h 修理調整1.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
 

Posted by pelikan_1931 at 22:00│Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
この記事へのコメント
みなさん、あおってくれてありがとう!(笑

ペリカン堂さんに相談した結果、手持ちのレンズや機材を使えば、5万円程度で充実した撮影が行えることが判明。

顕微鏡やベローズを利用すると撮影者の姿がペンポイントに写ってしまうので最高の解決策とはいえない。
実は関船さんが紹介してくれた画像も、ペリカン堂さんが先日の撮影講座で紹介してくれましたが、残念ながら撮影機材がペンポイントに映り込んでいる。

やはりかなりの望遠レンズを使ったマクロ撮影で、撮影者の姿がペンポイントに写り込まない、あるいは、それを修整できるようにしたい。

最高の生写真の事例は趣味文の作例。
多少のCGを許すならフルハルターのペンポイント画像が最高でしょう。

そこまではいかなくても、次次点くらいの映像を作りたいなぁ・・・
Posted by pelikan_1931 at 2014年06月05日 13:23
火がついてる〜(笑)
くわばら、くわばら(笑)
Posted by whitestar_ftl at 2014年06月05日 08:44
ペンポイントの撮影でしたら、最近ツイッターで"すずみ河原"さんという方が、非常に美しい写真を撮ってらっしゃいます。
ベローズとピントの微動装置などを用いられているそうですけれど、詳しくは師匠さんから、お聞きになられると好いかもしれません。本当に見事な撮影技術なので。
Posted by 関船 at 2014年06月05日 05:05
大学のバイオ系教員です。いっそ逝くところまで(笑

実体顕微鏡、DSLR、アダプタ、ファイバー照明
http://www.microscope-net.com/products/microscope/000248/
http://www.tech-jam.com/items/KN3320498.phtml

工業用デジタル顕微鏡
http://www.keyence.co.jp/microscope/vhx_special/
Posted by TM at 2014年06月04日 23:09
〈オリンパスの最新型では、深度合成が出来るのだが、その効果もほんの
〈少しだとわかった。

よくぞ見切られました。実は私もサンプル画像を見て、それを感じていたので
す。

〈従って秘密兵器での撮影は他の人にお任せする。
〈なんとなく、機材一式で20万円くらいかかりそう

そうこなくちゃ、師匠ならやれる!!(松岡修造風に)・笑
楽しみにしていま〜〜す。

Posted by ペリカン堂 at 2014年06月04日 22:31