2014年08月22日

金曜日の調整報告【 Conklin Toledo Ring-Top 14K-F ペンポイントの段差 】

1今回の生贄は赤ずきん半さんからのもの。こういう小型萬年筆が大好きで、コレクションの大半が短い萬年筆とうかがった。実はペン先が小さい萬年筆の方が【淫らな書き味】になりやすいのじゃよ。
クレッセントフィラーで有名なコンクリンであるが、一番数が多かったのはレバーフィラーだろう。特徴はレバーが極端に短いこと。
そしてレバーのデザインにも手抜きが無く、”世界一可愛い(いけてる)レバー” だと評価している。地球マークのついたWatermanのレバーは、Conklinと比べると垢抜けないような気がするのだがな。

23スキャナーを使うと表面の傷や汚れが反射でごまかされないので、修理の際には重宝するが、コレクションの撮影には向かないだろうな。
このペン先はスリットがハート穴を超えてしまっている。実はお月様型のハート穴は幅が狭く、手作業で切り割りを入れるには細心の注意力が必要だったのかも?
多少行き過ぎても ”ドンマイ精神” なところが古き良き時代の米国製の良さ!輸入米車は左右のドアの塗装が微妙に違い日本で塗り直した時代もあったとか。
それが米車が日本市場で高価だった理由と聞いたことがある。品質が良くなってからのアメ車は相対的に安くなったが、拙者は昔のガソリンをまき散らしていたころの方が好きだなぁ。乗りはしないが。

45こちらはカメラで撮影した映像。どうしても小ぎれいに写ってしまう。唯一切り割りの行き過ぎはこちらの方が明確にわかる。
右側の画像はインクがペン先に残っているわけではない。吸入を繰り返してインクは綺麗に洗い流されている。では赤い点は何だ?
実は、洗っても洗い流せないインク滓なのじゃ。ペン先にもペン芯にも赤インクの滓が大量にこびりついていたり、乾燥して剥がれなくなっている。
場合によってはエボナイトと一体化しているのではないかと疑ったほど強くくっついている。
赤インクが、インク窓を着色して割ったり、胴軸内で乾燥しピストンの上下の際にピストン弁を削ってインク漏れを引き起こしたり、ペン芯の溝に詰まってインク切れを起こしたり・・・枚挙に暇がない。
拙者はボルドーや朱色系以外の赤インクは使わない。例外はMontblancのラブレターインク。昔の採点用インクなんて見ただけで粉っぽい。絶対に使わない。偏見かも知れないがな。
毒々しい赤色のインクには注意した方が良い。着色力の強いインクはインク窓を着色し割るリスクがある!くどいようだが何本もやられている経験を持つのだから仕方がない。赤インクに要注意!

6こちらが調整前のペンポイントの状態。カメラ映像じゃ。このペンポイントの真正面映像だけのために撮影機材を集めたのだが、コツがわかった。
映り込みを押さえるには、萬年筆側の三脚と、カメラ側の三脚とカメラを、いかにペンポイントに反射させないかが命だと。
従ってこんな小さなペンポイントを撮影するための仕掛けは驚くほど大きい。マクロレンズも55弌90弌105个箸修蹐─∋絢鑪爐涼羇屮螢鵐阿皀戰蹇璽困發修蹐┐燭里世・・・
北郷カメラマンのアドバイスで、一番薄い中間リング一個をレンズ後端にはめるだけにした。そうしたところ、解像度が驚くほど向上!

7こちらがペン芯。ずいぶんといい加減なペン芯だなぁ・・・PelikanやMontblancと比較するとインク溝が太くて浅い。
これでは毛細管現象が働きにくいし、インクの流れが空気によって邪魔されそうに思うのだが・・・インクフローは特に悪い感じはしない。理屈と現実は違うのかもしれない。
Conklinのペン芯は経験則に基づいて、 "これくらいで大丈夫” という状態で製造され、Pelikanでは理論に忠実に作られたのかも?拙者は米国流の考え方が好きだな。

8こちらは綺麗に清掃し、ペン先先端部のスリットを少しだけ拡げた状態のペン先。
薄汚れ、ずいぶんと雑な刻印だなぁ・・・と思っていたが、清掃してみるとずいぶんと端正な刻印でびっくりした。
もっともパテント番号やモデル名をあちこちに刻印するのが好きなConklinだから、刻印も垢抜けていて当然かもしれない。
この画像でわかったのだが、スリットはハート穴を超えてはいなかった。ただし回転歯が少しだけ奥の上側だけを擦った程度だろう。それをまったく気にしないで出荷したところが、さすが米国!

910ペン先を上から撮る映像は、やはりスキャナーの方が良い。歪みを排除するためには、どうしても1m以上は離してマクロ撮影する必要がある。
その状態で反射の無い光を得るには相当の照明テクニックがいりそう。
一方でペンポイントの正面映像に自身の姿を移し込まないテクニックは完成の域に達した。この映像で見ると、向かって左側をもう少し内側に曲げた方が良いのがわかる。
完成時の検査にも使えるのが、この撮影技法の良いところかな?ただ・・・少なくとも撮影に余分に1時間かかるので、時間に余裕が無い時には使えない。ちなみに、書き味は・・・絶品になりました!


【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備2h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間


Posted by pelikan_1931 at 09:30│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック