
プランジャー式の萬年筆は、通常より長い軸になりがち。インク量を稼ぐためには胴軸が長い方が有利だから。
そこにmini軸を投入してきたのはTWSBIの歴史の浅さ、いいかえれば、萬年筆に対する先入観の無さの勝利だろう。
とはいえ、最大インク量は1.8ccになる。回転吸入式ではなかなか達成できない吸入量じゃな。
ただし、普通に吸入しても胴軸の半分くらいまでしかインクは吸入出来ない。この場合の吸入量は1.2ccほど。
それに対し、以前に趣味文で紹介したやり方で入れれば・・・1.8cc入る。この状態では胴軸内に細かな気泡が数個ある程度。すなわち99%まで吸入出来る。
この状態で1.8ccの吸入量と言う事になる。こういう荒削りな機構は、使い手の工夫で性能を上げる事が出来る。やってみなはれ!(鳥井信治郎)


以前、書斎館でTWSBIの社長とお話しした時、近い将来ペン芯は自社製造するとおっしゃっていた。
ただしペン先はドイツの専業メーカーに生産委託。その委託先も近々変えるとおっしゃっていた。もう何年も前のことなので既に実現していると思われる。
台湾の企業は、(鴻海と同じく)意思決定が異常に早い。侵攻も撤退も実に素早い。ましてやオーナー企業なのでTWSBIの意思決定も早いだろう。


インクフローは良いし、ひっかかりも無い。皆無なのじゃ!もちろん封を切ったばかりなので誰もペン先をいじっていない。
スイートスポットを埋め込めば、さらに書き味は良くなるが、一般的な筆記には十分すぎる書き味じゃ。
インクがねっとりとしながら出てくる感じ。これが良い書き味を演出している。
スチール製ペン先差別主義者の拙者ではあるが、この書き味を見せつけられると、最近のスチール製ペン先に対する評価を変えなければならないかもなぁ〜。
はっきり言います!この書き味は抜群です。もちろん個体差かも知れないが、未調整でこの書き味なら・・・調整師に頼る必要は無いだろう。
重量もインクを万単位すると26.1g。胴体が小さい割りに重いので、持っていてしっくりとくる。今年初めてのお薦め萬年筆です!