2016年11月25日

金曜日の調整報告 【 Montblanc 1950年代 No.146G 14C-OBB➡BB ピストン弁交換 】

1今回の依頼品は、ひさしぶりの 1950年代 Montblanc No.146 じゃ。フラットフィードではないので後期のモデルだろう。
インク吸入が不良なので、コルクをOリングに変えて欲しいとのこと。
ちなみにペン先調整はされており、最後の調整は拙者!と書かれている。
OBBをBBに研いであるようだが、仕上げは完璧。調整直後からまったく劣化していない・・・というかあまり使ってなかったのかな?
1950年代のNo.14Xの中でOリング化が難しいのはNo.144だけ。あとは内径にピッタリのOリングがあるのだが、No.144だけは当てはまるサイズがJISに無いらしい。

2このOBBからBBに研いだ物だが、ペンポイントの根本付近の金に大きな穴が掘られている。おそらくは何かの金属粒かなにかが残っていたのだろう。
ただ書き味にまったく関係の無い部分なので問題にする必要は無い。
インクをつけて書いてみたが、書き味に問題はない。となれば、Oリング交換に集中すれば良い。朝飯前じゃ!

3はずはピストン機構を前と後ろから抜いて左に状態にする。
ペン先調整不要なら、むやみにペン先とペン芯を分けない方が良い。
コルクが劣化している場合、インクがコルクの後ろへ必ず回っているので、ピストン機構(金属部分)の清掃は丁寧にやるべし!
またコルクを押さえるエボナイト製のリングを無くさないこと。これがないとOリングを固定できないのでな。

45左画像は、ピストン機構に小・大・小のOリングをとりつけ、最後にエボナイト製のリングで軸に固定したものじゃ。
No.146ではこの組合せが一番収まりが良いし、丈夫ですな。
ただし、この状態にすると軸に固定できないので、右から三個のリングは外した状態(左側1個のOリング状態)のまま、胴軸に固定する。

しかる後、ピストンを伸ばして、胴軸の首軸側から大・小・エボナイト製リングの順で固定する。
最後に胴軸内でピストン弁(大きいOリング)にシリコングリースを塗れば完成!

ああ、こういう修理ばっかりだったら楽なのになぁ・・・ 

Posted by pelikan_1931 at 22:26│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック