プラチナがクラシックインク(古典ブルーブラックの処方)を出して以来、一番色の変化が激しいCITRUS Black および、それを主剤とした混合インクを頻繁に使うようになった。
当然、EFから極太、Stub1.5 までの様々なペン先を持つ万年筆に入れて使っているのだが・・・
やはり細字系では書いたときの色がよく見えないので、つい筆圧が強くなってしまう。
同じカクノのスケルトンに入れたCITRUS Black (黄黒)であっても、EFに入れたのと、Mに入れたのとでは書きごこちが大幅に違う。
カクノのMの場合、元々スリットがごくわずかだが開いている。その隙間をもう少し拡げて使っているのだが、筆圧ゼロでペンを倒して書いても黄色い線がよく見える。
そしてすぐに黒っぽく変化していく。この変化は紙質にもよる。バンクペーパーでは色の変化はゆっくりで、ユポ紙などインクをあまり吸い込まない紙では早い。
一方でカクノのEFは、スリットがきちりと詰まっているので、インクフローは悪い。
それを利用して細い字が書けるようにしてあるわけだが・・・CITRUS Blackを入れると当初は筆跡が見えない。
で、あわてて筆圧をかけてしまうので書き味がゴリゴリになってしまう。
ところが、同じペン先のカクノにパイロットの黒のカートリッジを挿して書いてみると、筆圧ゼロでも綺麗な線が引ける。
そして不思議なことに、ペンを90度近くに立てて、首軸先端部を握って筆圧をかけずに字を書く時が一番書き味が良い。
カクノのMでは、50度くらいにペンを寝かせて書いた時の方が書き味が良い。
これがたまたまなのか、ねらってそのようにペンポイントを研磨しているのかはわからない。
手作業で仕上げ研磨をすることは、このクラスの萬年筆ではありえないので、自動研磨のはずだが・・・まさかペンポイントを削る位置をペンポイントの太さで変えるなんてやらないようなぁ。
とは思いつつ、あのPilotならこっそりとやるかもしれない?とも思う。ともあれ、EFとMとの書き味やスイートスポットの違いを楽しんで書いている。
一つ言えるのは、EFには濃いインクを入れた方が書き味はよくなるということ。
使い分けるなら、細字には濃いインク、太字には薄いインクだろうな。
もっとも、現在インクを入れている最も太いペン先(WAGNER 2009 18C-B)にはプラチナ・カーボンブラックを入れているが、これは字を書くための萬年筆ではない。
あくまでもフニャラ線を引いて、その書き味に溺れ、精神の緊張をほぐすための医療器具なのじゃ。