松江大会で萬年筆研究会【WAGNER】に入会された方の過去のfacebookの記事で、M600のクリップが外れて困っているというのを発見したので、その直し方を公開しよう。
最近のM800やM600ではほとんど自然発生はしないはずだが、キャップを掃除している際に無意識にキャップを捻り、その結果としてキャップが緩んで外れることがある。
少しでも緩んでクリップが回転するようになったら、まずは左画像のように全部を外して部品状態にして下さい。
元に戻す順番は、
(1)画像中断のインナーキャップに割り箸を押し込み、それをキャップ(上段右側)の指定の位置に押し込む。
(2)割り箸で押した状態でクリップを所定の位置に固定し、指で挟んだまま、キャップリング(上段左側)を回す。
(3)キャップを上から押し込みながら左右に回し、キャップが動かなくなる位置を見つけ、キャップリングをさらに回して締め付け固定する。
ということ。書けば簡単だが、慣れないと何が何だかわからないので画像で説明する。
左側画像は両方ともキャップの上段を撮影した物。左がカメラで右がスキャナー。
よく見ると、出っ張っている部分が見える。この部分にクリップを固定するのじゃ。
またインナーキャップに印刷されたペリカンのお尻(下側)が、この方向にピタリと合わないと、インナーキャップが奥まで入らない。
まずはインナーキャップに割り箸を突っ込むところから始める。
この状態でインナーキャップの先端部に描かれたペリカンを上からよく観察する。
インナーキャップをはじくとくるくると回転するはずだ。その回転が止まったところで、ペリカンのロゴの下側(尻)が手前に来るようにそーっとキャップに突っ込む。
左側の画像にある出っ張りの部分と右側のペリカンのロゴの下側のお月様のような形をした部分がそろうように押し込むのだ。
インナーキャップが割り箸の上で暴れるのでなかなか難しいのだが、インナーキャップの上に指を当て、内側からは割り箸を押すようにすると微調整が出来る。
ちゃんと位置が合っていない場合は左側画像のようにネジの部分がキャップ先端部の中に隠れたままになっている。
ピッタリと位置が合えば、右側のようにネジの部分が見えるようになる。
ただし、横から見て右側のようになる位置はいくつかあるので、キャップの出っ張り部分とペリカンの下のお月様が合う位置かどうかを良く確認すること。
左画像のようなクリップとインナーキャップのペリカンの位置関係が正しい。お月様とクリップが一直線に並ぶと覚えよう!
このときはまだ割り箸を抜いてはいけない。可能であれば机の上に割り箸の下を当て、クリップは下に押しつけたまま、キャップリングを右に回して締める。
その状態で90%ほどキャップリングを閉めて、クリップだけを下に押しつけるように左右に少し動かすと、絶対に動かない位置が見つかる。
その位置を固定したままで、キャップリングを左に強く回して固定するのじゃ。
ただし指で回すには限界があるので、ゴム板等を使っても良い。
気をつけなければならないのは、ゴム板でキャップリングを回す際、絶対にクリップも一緒に回してはいけないということ。
一緒に回すと、せっかく固定したキャップとクリップとの最適位置関係がずれて、すぐにクリップが外れるようになってしまう。
実際にやってみせれば簡単なのだが、説明するのは結構タフだった。おわかりいただけただろうか?
これはPelikanのほとんどの(現行品)シリーズに共通のやりかたなので、ご参考までに。