2018年08月03日

万年筆談話室での話題から・・・

1左はプラチナ・プラチナの銀無垢鍛金古美仕上げ。ペン先がプラチナ製で胴体が純銀製(925)。

購入してから10年以上経過しているので、黒い部分はますます黒くなってきている。たしか、インクを通した記憶は無いが、ペン先は調整されている。

購入当初と比べて、ずいぶんと黒くなっているような気がしたのだが、その理由がわかった。

万年筆談話室に来られたオーディオマニアの方の話では、925/1000の銀はすぐに黒化するが、99.99%の純度の銀は黒化しにくいのだとか。

99.9%純度の銀で作られた創立12/13周年の軸もいっこうに変色する気配が無い。99.99%でなくとも、99.9%程度の純度の銀も変色しにくいのかもしれない。

万年筆談話室の正式な開室は2018年8月18日(土)。それまでは万年筆談話室開室準備室としての運用となっている。

だいぶ什器はそろってきたが、まだどこに何をしまってあるか十分に理解していない。従っていつも何かを捜しているような状態じゃ。

ただ、万年筆談話室のあるべき姿のようなものはだんだんと見えてきた。

持ち込まれた万年筆一本を調整するのにかかる時間は平均すると約30分。それより長いものもあれば、短い物もある。

本日持ち込まれた万年筆(Pelikan M805)は、ペンクリ行脚で相当に痛めつけられたペンポイントを持っていた。しかもペン先にはロジウムかプラチナが鍍金されている。

これを細字化して欲しいとの要望だったので、ポケッチャーとチャーチャーにお出ましいただいて、まずはペンポイントの幅を狭くした。

次に、ペンポイントの腹の部分(おいしいところは剥ぎ取られている)を残っているペンポイントから擬似的に作る。

当然、ペン先の側面を削るので、銀色のペン先から金色がチラチラと見える。出張ペンクリならやらないが、幸いここには工具がふんだんにあるので、ペン先全体を鍍金した。

まずは脱脂した上で、ニッケルをメッキする。これを鍍金しておくと上に鍍金するものの耐久性が上がるらしい。

ニッケルの上に、ロジウムを鍍金し、さらにその上に銀を軽ーく鍍金する。これは輝きを増すためのテクニックだが、その鍍金が長続きするわけではない。

今回の利用者はPelikanのブルーブラックをお使いだったので、首軸先端部の金属もしっかりと腐食していた。自社のインクでやられてしまう高級モデルって・・・へこむなぁ。

この首軸先端部も、磨いて鏡面近くにまで研いでから同じ鍍金を施した。

この鍍金をかけ終わってからの1時間は、細さと筆記速度が必要な依頼者の筆記角度に合わせてペンポイントを研ぐわけだが、あっというまに(合計で)3時間ほどたっていた。

残りの1時間で調整した萬年筆は二本。そう、今日に限って言えば一本に80分(平均)かけたことになる。

その間は情報交換やその他の趣味の話などに花が咲く。本日夕方からの依頼者の場合は、修理は5分で、その後の1.5時間ほどはIT業界の話に花が咲いた。

遠征ペンクリでは道具も水回りも限られているので、どうしても出来る範囲での修理しか出来ない。

しかし、万年筆談話室ならペン先調整に関しては、どんな作業をするにしても、全ての機材がそろっている。

当方も、毎回どの機械を使って直そうかと楽しませて貰っている。ゆっくりと完璧に調整し、じっくりとおしゃべりする事が出来るのが万年筆談話室の妙味。

8月18日(土)以降は、予約なしでも大丈夫ですので、お気軽においで下さい。開室日は一番上の記事に書いていますので、良く確認してからいらして下され。

明日の土曜日は、大工の熊(別名:ペン・ドンファン)さんが、主催する〔おっしゃんcafe〕が正午ごろからゆるーりと始まります。

子連れ大歓迎の万年筆談話室です。各種子供用品も完備していますが、本当に役に立つかどうかは、ご本人に聞かなければわかりません。

もちろん、どなたでも入室自由ですので、部屋に入れる範囲でお楽しみ下さい。

〔おっしゃんcafe〕大工の熊さん、調整部屋は拙者が運営します。出たり入ったりしながらお楽しみ下さい。入場無料です。食べ物、飲み物は各自持ち込んで下さいね。

ただし、調整部屋は撮影禁止です。撮影は談話室内だけでお願いしますね。

夜はおいしい食べ物で一杯いかが? 談話室内は一応アル禁?なので、我慢した後のいっぱいはおいしいですよ!


Posted by pelikan_1931 at 22:07│Comments(4)
この記事へのコメント
Black Watch さん

専門家が萬年筆研究会【WAGNER】にもいそうです。今度うかがってみましょう。
Posted by pelikan_1931 at 2018年08月06日 07:43
Lady P Love さん

純度が高い物は錆びないそうです。

鉄も純度100%であればさびは出ないし、ステンレスでも純度が低いとばんばん錆びるそうです。
Posted by pelikan_1931 at 2018年08月06日 07:42
SV1000が黒ずみしにくいのは、どういう理由によるものなのか知りたいところです。
SV925でもアルゲンティウムシルバーというのがあるようです。

http://www.ilovesmart.com/Info.cfm?about=faq&topicid=14
Posted by Black Watch at 2018年08月04日 22:12
こんにちは、お師匠様。
925の銀は黒化するというお話、とても参考になりました。
先月のY.Y.dayで入手した般若心経のボールペンが、燻し銀を通り越して消し墨と見紛うほど真っ黒クロスケ。本当に純銀製か?と疑ったのですが、そういうものだと納得出来ました。
Posted by Lady P Love at 2018年08月04日 14:05