2018年10月11日

中国製文鎮倶楽部員

狭義の〔文鎮倶楽部〕とは、70g以上の万年筆だけが会員となることを許された倶楽部。

先日計測したトルストイは、ペンシルは75g、ボールペンは66gあったが、万年筆は56gしかなく、文鎮倶楽部には入れなかった。

1ところが、中国製万年筆には70g以上がいくらでもある。

上が87g、下が84gで、ほぼ同じ重さ。値段は上が2,200円で下が1,540円。いずれも密林で購入した。

もちろん量産品なので、この龍は手で彫ってあるわけではないはずだ。おそらくは錫(ピューター)だろう。

10年ほど前に台湾で、似たような模様の万年筆を見て値段を聞いたら安かった。

素材はなにかと聞いたら、〔ピューターだ〕と言われたのを今、思い出した。なるほど錫なら型を作ればいくらでも同じ物が作れるわな。安いし!

2最近の中国製万年筆は馬鹿に出来ない。

精度云々よりもセンスなのだ。赤軸の〔龍〕の文字を見て欲しい。ちゃんとペン先のスリットの延長上に位置している。

回転式キャップでこのように位置決めするのが難しいのかどうかは知らないが、無頓着なメーカーが多い中で実に立派!

ただ、胴軸の長さが微妙に違うのはどうしてかな?

緑軸を計測したところ、キャップが20g、胴軸が54g、首軸+コンバータが10gの合計84g。赤軸はそれよりも胴軸が重く87gじゃ。

この重さは拙者の筆圧よりも大きい値だ。すなわち、これを握っていれば、上から押す力はゼロでも十分書けるということになる。

ただし書き味はきわめてひどい。今回は90分ほど真剣に調整をしてやっと良い感じの書き味に出来た。調整料の方が万年筆本体よりも高価だな、これは!

3コンバーターも変わっている。真ん中が今回のドラゴンについているコンバーターなのだが、欧州タイプのシュミット製コンバーターは首軸に挿せない。

そしてなにげにLamyの赤いコンバーターに後半はそっくり!

しかも一つは、真ん中の金色部分が外れてすっぽりと抜け落ちてしまった。こりゃ1960年代の中国Qualityだ。

現在の中国製品の品質はもっとずっと良いはずだがなぁ・・・

ためしにラミーのコンバーターを装着しようとしてみたが、図の赤丸の部分が邪魔して胴軸にはいらなかった!

4コンバーターの内径を比べてみると、シュミット製は内径が小さく入らない。

純正はすっぽりと入るが、動きがぎこちない。

そしてラミー用は内径が少し大きいし、ぽっちがじゃましてはいらない・・・

はずだったのだが、ぽっちを削り取ったらピッタリと収まった。36時間ほど愛用しているが、インクが漏れることも無い。

Blackwatchさんの手元に本日緑軸が届いたそうだが、たいそう気に入って、さらに重い105gの軸もポチったらしい。

スチール製ペン先は、金ペン先と違って、調整に敏感だ。時間をかけて調整すれば、それに答えた書き味になってくれる。

一方で金ペンは素材が柔らかいので曲げたりするのが楽で調整に時間がかからないので便利。

ただ、書き味比較なら、最近のスチール製ペン先は、昨日の記事にもあったように、かなり良い。

金ペンが愛妻の手料理だとすれば、スチール製ペン先はコンビニの総菜。はっきり言ってコンビニに負けてる愛妻は多いのではないかなぁ?

万年筆の世界でも、こと書き味に関しては、スチール製ペン先の万年筆がヒタヒタと追い上げてきているような気がするなぁ〜。

今や、うまい人が調整したら差はわかりませんよ、きっと!


Posted by pelikan_1931 at 22:17│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
この記事へのコメント
ターゲットをどの層に置くかでしょうね。

2000円程度の萬年筆でクレーム対応するのは適わないので、日本では成立しないビジネスモデルです。

売りっぱなしされてもしようがないなぁ・・・バグがあっても文句言えないし・・・

というのを定着させたのはまいくろそふとでありアップル。それまでの汎用機時代ではあり得ない対応されても諦めさせてしまう戦略が世界を制しました。

日本の萬年筆業界も、そろそろそういう方向に行くか、かたくなに顧客サービスを徹底するか?

さて、生き残るのはどっちだろう?
Posted by pelikan_1931 at 2018年10月25日 07:42
師匠。
おはようございます。

これだけ重いと、低筆圧で書こうとすると、逆方向に力をかける必要があるというのは新鮮な経験です。
それにしても、玉を掴む龍という中国伝統の図象を万年筆の形にした遊び心には感心します。
モンブランの限定万年筆にもそういう傾向は感じますが、庶民にとっては遊び心で買うには高すぎます。また、キャップは必ず尻軸にさして使う派の私にとってはモンブランよりこっちの方が好印象です。真面目なペンばかり作っている日本のメーカーにも少しは見習って欲しいですな。
Posted by Black Watch at 2018年10月12日 09:48