2018年10月30日

ペン先を研ぎ出す際に使う道具たち

先日、pen_saloon主催のペン先調整講座が行われたが、定員の倍以上の応募があり、お断りするのに苦労したとか聞いた。

しょせん調整も人間がやる技。 やってやれないことはない、やらずに出来るわけがない

ということで、多くの方々がペン先の自己調整にチャレンジし始めているようだ。

中にはものすごく筋が良くて、二回ダメ出ししたら、三回目には完璧な作品を持ってきた方もいる。

やってやれないことはないが、上達のスピードと仕上げの上手さには当然のことながら個人差がある。

また、自分用にやる調整と、他人の万年筆をパーソナライズするのは、稽古するエリアがかなり違う。

それに修理が加わると、過去に何本分解したかが効いてくるので一朝一夕には行かない。

韓国のPenHoodでは、修理(部品交換など)は経験を積めば出来るようになるが、ペン先調整には想像力が必要・・・と言われていた。

まさにそのとおりで、ペン先調整の個別の技を教えるのは簡単だが、目の前の万年筆に持っている技をどう適用していくかにはセンスが必要。

調整師の手元をよく観察すると、人によって道具や研ぎ方が異なっている。それらは彼らが経験から編み出した技法だと考えて良かろう。

技法は教えてもらうだけではなく、自ら考え出すと調整はさらに面白くなっていく。結果、ペン先調整が趣味・・・という拙者のような輩が増殖するのじゃ ( ^o^)

@01今回はペン先を太字から研ぎ出したり、スリットの左右がアンバランスなペン先の幅を変える際に使う道具を紹介しよう。

左側画像は、電動ドリルに取り付けるゴム砥石だ。拙者は180番、400番、1500番を持っているが、ペン先の研ぎ出しに使うのは180番だけで十分。

難しいのは電動ドリルをどうやって固定するかだ。机に挟むと作業位置が低くて使いにくい。

ではどうすれば良いのか?それは万年筆談話室を訪れ、研ぎ出しを頼んでくれればわかるはずだ。

拙者は怠け者なので、預かってしまうと後回しにしていつまでたっても出来上がらない。従って訪問者の時間があれば、どういう改造でも対面で行うのを基本としている。

対面調整は気が散るので、絶対に対面ではなさらない方もいらっしゃるが、拙者の場合はパーフォーマンスの一部なので、見学者がいないとテンションが下がる。

電動ドライバーの回転数を最低に落としても、180番のゴム砥石を使えば、約2秒ごとに確認しながら、片方10回もやれば研ぎは終わる。

眼に研ぎカスが入らないようにゴーグルをかけ、目の高さで削るので、作業は非常にやりやすく、失敗する確率もほぼゼロだ。

ただし、あまりに重いので外へ持ち出すことは出来ない。万年筆談話室にいらした方だけが正確で素早い研ぎ出しを経験できる。

ご希望があれば、ご自分で研ぎ出しするのも指導します。研ぎ出しの技はたいして難しくない。こういう道具や使い方を捻り出すのが妙味であり、それにこそセンスが必要なのじゃ・・・と自慢してみる。

@02飛行機での遠征時などで、大きな工具が使えない場合、以前は左の右端のようなサンドペーパーを貼り付けた筒を使っていた。

今ではこの筒は仕上げようであり、研磨自体には使用していない。

左端がアクリル管で、右端がそれに耐水ペーパーを巻いた物。

便利なのだが、アクリル管が高価なのに、べったりと両面テープがついているので再利用できなかった。

そこで友人が塩ビパイプを切って持参してくれた。こりゃいいや!安いうえにアクリルよりは切断が楽!

拙者はアクリル管を特注し、長さも切ってもらっていたのでずいぶんと高価なアクリル管だったが、塩ビ管なら安い!

では、#5000番の耐水ペーパーを巻いた管は何に使うのか?

これはゴム砥石で削った面をなめらかにする。切り立った崖のように削られたエッジを少し面取りする・・・のみ使うのだ。

この円柱の角度ではうまく行かない場合は、0.25个離廛虍弔謀修衂佞韻紳竸絅據璽僉爾鮖箸Αその板は薄いので曲げればどんな曲率でも作り出せる。

こういうのは長年不便だなぁ〜と思っていると思いつく。しかしセンスの良い若者は作業を一回見ただけで改善策を思いつく。

老兵は若い人のアイデアをパクって、それに磨きをかけて技をUpdateするに限るわ!過去に固執すると進歩が止まるからな。

昔は若者側だった拙者も、現在では老兵側のど真ん中というか老兵中の老兵。拙者より年長の現役調整師は3人しかいないからなぁ〜


Posted by pelikan_1931 at 20:59│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote