今回の〔春の泉筆五宝展2019〕では3つの実験をしてみた。
ひとつは、委託販売における〔フライングゲット予約〕という意味不明の販売方式。
残りの二つは、インクの有料買取りと、珍しいインクの量り売り。
(1)委託販売における〔フライングゲット予約〕とは・・・
☆委託販売する品目を万年筆談話室に一定期間(約一ヶ月)展示し、実物を希望者にじっくりと見てもらう。
☆軸の不具合などを見極め、大幅な修理が必要な物は外し、清掃や軸磨きくらいで復活する物のみを選別。
☆それらに対して拙者の方で予想価格を提示し、それが受け入れられるようならば入札するという意思を確認する。=〔フライングゲット予約〕
☆展示品の一覧をBlogで価格無しで提示し、他の方にも見ていただく
☆会員に対する価格提示の前に、依頼者に対し、個々の価格を提示し、その価格での販売の是非を確認する。
☆販売者の了解が取れた物はその価格で、価格をあげる必要があると販売者が判断した物は、その妥当性を拙者が判断し、妥当であれば上昇し、無理と判断すれば取り下げる。
☆会員に価格提示し、フライングゲット予約者が納得すればその方が優先的に入手、そうでなければ他の方に交渉権が回るというもの。
結果から考えれば、この〔フライングゲット予約〕方式は大成功で、対象とした50本中、〔フライングゲット予約〕で31本売れ、現場で売れたのは3本のみ。
しかもそのうちの一本はフライングゲット予約者の追加購入だった。
最近の万年筆沼に嵌まっている方々(左上写真のような方々)は、キングダムノートをはじめとするネットでの詳細な検討に慣れているので、いきなり店頭で見ただけでは、なかなか触手が動かない傾向が強い。
それ無しで販売するには、強烈な販売能力か、自分で調整した物を販売するのでなければ、厳しいんだろうなぁ〜と感じた。
今回の購入者の中には、〔フライングゲット予約〕した二本を受取に金沢から新幹線でいらっしゃった方もいた。
どうやら〔商品の魅力〕*〔価格の割安感〕*〔飢餓感を煽る物語〕があって初めて人は動くのだと強烈に認識した日だった。
実験のため、昨年末の年末大バーゲンの売れ残りも並べてみたのだが、〔商品の魅力〕*〔価格の割安感〕はあったにも関わらず、〔飢餓感を煽る物語〕を入れなかったら見向きもされなかった。
そこで、5月のペントレにあたっては、皆さんの持っている万年筆の付加価値を上げるための〔飢餓感を煽る物語〕と〔魅力的な値付け〕を任せていただければ、出品物の6割を売り切るサービスを提供することにしまーす。
万年筆の部品などは、欲しい人が探しに来るので、物さえあれば、必ず売れます。
しかし万年筆は・・・生活必需品では無いため、買うべき理由を教えてあげないと買ってはもらえません。
その〔買うべき理由〕を捻り出すプロジェクトをペントレでは試行してみたいな。新品、使用品問わず、ぜひ万年筆談話室にお持ち込みくだされ。
付加価値の無いものについては、付加価値を作ってでも販売して見せますよぅ〜!
インクの買取については、今回は試行だったので、大盤振る舞いした。古いインク10個に6,000円!なんて値を付けたが、これはインクを集めるため。
こうして集まったインクを 再販する = 量り売り するのが、このプロジェクトの目的じゃ。
すなわち、あまりに値段が上がりすぎて使えないインクを量り売りしてもらって試してみる!のが第一目的。
1瓶(50cc)が17,000円なんて相場のついているモンブラン・レーシング・グリーンを10cc 1,000円で販売したが、5人の方が購入してくれた。
また、タミヤビンの中身だけを買い取ったインクを、今回は別の容器を無料で提供して同じ値段で販売もしてみた。
これらは、まだまだ実験の域を出ていないのだが、何回かやっているうちに、ルーチン化し、これが目的で参加される方が出てくるかもしれないなとの感触を持った。
こちらも、万年筆談話室で買取り、十分な準備をした上で、小分けした物をフライングゲット予約方式で販売するのがいいのかな?とも考えている。
いずれにせよ、いろんな実験が出来るのも、こういうイベントの楽しみ方なので、どんどん実験してくだされ。
5月のペントレでは、バッグも出品されるらしい。そう、PPCIMのC(ケース)の一環として!こちらも詳細がわかりしだい、写真付きで紹介するので、ぜひ〔フライングゲット予約〕してくだされ。