本日、万年筆談話室にクラシック・インク仕掛け人のGaryさんがいらっしゃった。
調子の悪い万年筆が三本ほどあったので、それを修理して欲しいとの要望だったのだが、その他に、インクについてもいっぱいお話しした。
その中で、Garyさんが・・・
【たこ吉さんが昨日のBlogに書いたこと、まさによくぞ言ってくれたというところです!】とおっしゃる。
【万年筆は刃物】理論でも【万年筆は刃物】理論でもなく、補足説明となった部分。
【(購入)当初はペン芯の能力の関係でインクが筆記中に切れる】と述べた部分だそうだ。
Garyさんによれば、定期的にインクを抜いてペン先やペン芯を洗浄するなんてもってのほか!ということらしい。
むしろ【(インクが出ないなどの)不具合がなければインクを抜いて洗浄なんぞやるもんではない】と。
ペン芯にインクがなじむにはしばらく時間がかかる。それなのにインクを抜いて洗浄してはもったいない。洗浄する度にインクとペン芯との馴染み具合がリセットされてしまうのだとか。
従って不具合などが無い限りは、洗浄したり、インクの種類を変えたりはしない方が良いそうだ。
その昔、金ペン堂さんが、インクは一度決めたら変えるな!などとおっしゃっているという話を聞いたことがあったが、実はアレは理にかなっていたわけだ。
本日の教訓! 【ペン先とペン芯の洗浄は不具合が無ければするな!】ということ。これまでの常識を覆す画期的な提言だ!
あと蛇足ですが・・・調整師が自然に筆記しているときの筆記角度や手首の捻り方を何気に見ておき、【自分と一番近い書き癖の調整師に見てもらえ】ということ。
調整師は調整し終わった万年筆を自分の筆記角度で書いて調整しがち。従って元々書き癖の近い調整師に見てもらった方が出来が良い!