以下のような万年筆を使ってペン鳴りの実験をしました。大きくて不快?な音が出るのでお気を付け下さい。
(1)Pelikan M101N 14K-EF 音声
(2)Pelikan #600 黒軸 18C-B 音声
(3)Vintage Pelikan 400 14K-S(シャイベン) 音声
その他にも色々なペン先で試してみましたが・・・
世間で柔らかいといわれているニブは、未調整に近い状態ならば、ほぼペン鳴りを発生させることが出来る。
ペン鳴りをストップする調整は可能であるが、インクフローが良くなり、筆記線も太くなるので細字系には適用しない方が良い。
そもそもちゃんと調整したペン先であれば、普通の筆記速度、筆記角度で書けば、ペン鳴りなど発生しない。
普通の筆記角度、筆記速度でペン鳴りが発生する要因は・・・
(1)左右のペンポイントの長さの不均衡
(2)左右のペンポイントの大きさの不均衡
(3)左右のペンポイントの紙当たり部分の摩擦が違う(ざらつきの差がある)
(4)左右どちらかのペン先の1点あるいは数点だけ、細かいエッジが立っていて、線を引いているときにその部分が不規則に紙に引っかかっる
など、左右のペン先が不均衡に動き、ペン先の左右が細かく衝突することによって発生すると思われる(仮説)
しかも、同じPelikan製であっても、弾力の乏しいスチール製ペン先の場合は、ペン先を鳴かせる名人の拙者がどうがんばっても鳴らなかった。
上記は、ほぼ予想どおりで、ペン鳴りの直し方も把握出来ているはずだが・・・
ペン鳴りがする万年筆は書き味が良い・・・というのは嘘だな。
#600の場合は、インクを入れない状態でもピーピーと鳴ったし、インクを入れても、最初は線が引けないのにインクだけ猛烈に飛び散った!
そこでインク誘導液でペン芯を塗らしてから使ったら、ちゃんと線は引けた。
ただし、ペン先のスリットは多少O脚気味で、お世辞にも良い書き味とは言えなかった。
結論としては、ペン鳴りがする万年筆は、すべからくペン先が薄く、フェザータッチの書き味を出す素養を持っている・・・ということだろう。
いくらペン鳴りがしても、調整を施さなければ最高の書き味が得られるわけではないということじゃな。
撮影していただいたtomotanさん、ありがとうございました。