左が記念すべき萬年筆研究会【WAGNER】の最初の限定品じゃ。
記録を見ると、40本作ったのだが、30人の人で完売となっている。
一人で2本以上購入した人が何人かいたわことになる。拙者はたしか5本購入したが、現在ではこの一本しか無い。
これってシルバーンの石だたみじゃないの? そうなんです。石だたみなのですが、少しだけ普通と違うスペックなんですなぁ。
10年ほど前に、パイロットの社員が一番買う万年筆がシルバーンだと聞いた。ペンステーションで聞いた話なので信憑性はある。
たしかに重量バランス、キャップを後ろに挿すときの感触(ずぶずぶと深くまで挿せる)、書き味ともに素晴らしいのだが、一つだけ弱点がある。
国内用のペン先はFとMしか用意されていないのじゃ。当時は太字にしか興味が無かったので、そういう万年筆は問題外だったのだが・・・
Fountain Pen Hspital の カタログを見ていたら18K-B ニブ付きがあるではないか!
おそるおそる店員さんに聞いてみると、〔あ、出来るわよ!〕との回答。
そこでヤフオクでパイロット製品を安売りしている店にお願いして、特別仕様のシルバーンを40本作って貰った。
今では考えられないが、すんなりとOKが出て作ってくれた。カスタマイズする部分が少なかったことと、主力商品ではなかったことが幸いしたのだろう。
カスタマイズした部分は、WAGNER 2007 という文字をSTERLING SILVER という文字の横に入れること。
そしてペン先を18K-Bにすることだけだった。販売店から来た請求書には刻印設定工数として10万円が加わっていた。
WAGNER 2007 の10文字の代金が一本当たり2,500円! 1文字250円なら安い物だ。
ある大先輩が、ペン先に般若心経262文字を彫って貰ったそうだが、1文字当たり1万円だったと聞いた!
Bのペン先を作る方が大変そうに思ったが、それには追加料金は書かれていなかった。
当時のシルバーンのペン先刻印はNAMIKIマークではなかったのかな?
いずれにせよ、赤字にはならないで限定品を作る事が出来たのに自信を持って、翌年は熊本の光助さんで肥後象眼のキャップバンドのプラチナ #3776を100本作った。
この時は、100本全てMusic ニブだったなぁ・・・
2009年はSenator 18C-B を 300本作り、売り切るのに10年かかった。まだ数本は在庫がある。
調子に乗って2010年には限定万年筆を5種類、それにTWSBIのカラー軸を240本にTAKUYAのペンケースなど作りまくって・・・限定品作りに生活が疲弊してしまった。
それで2年ほど休んでから再開した。
いまでは限定品の企画は、老後の楽しみになっているが、だんだんと感性が劣化してきているので、少しずつ若い層に委譲しようかと考えている。