本日は、らすとるむさんが万年筆談話室に来られ、万年筆の四方山話や、にゃんこの話や、病気の話などを4時間ほど楽しんだ。
拙者は昭和27年生まれ、らすとるむさんは昭和28年生まれなので、ほぼ同じ歴史を共有している。
また、恵比寿303のペントレで、初めてペンクリニックを一般の方向けに始めた際の戦友でもある。
もちろん、萬年筆研究会【WAGNER】内で、仲間内の調整はやっていたのだが、一般向けとなると緊張感はまったく違う。
当時は、今と違って大っぴらにペンクリニックをやっていたのは大御所のみ。金ペン堂、フルハルター、長原さん(先代)、川口さんくらい。
その世界に、素人2人が飛び込む決心をしたので、けっこうドキドキしたのを覚えている。
一番心配したのは・・・万年筆の愛好家なら、書き味についての理屈を知ってるので、ある程度以上は無理と納得してくれるが、理論を知らない人は、〔極細でぬらぬら〕のような無理難題を言うのではないかということ。
しかし、いざ始まってみると、万年筆の調整について詳しくない人ほど、喜び感動してくれるということがわかった。
とことん書き味を追求すれば1時間くらいかかる調整でも、約5分ほどペン先を舐めただけでも感動してくれた。
また〔極細でぬらぬら〕を期待している人にも、詳しく理論を教えてあげ、万年筆の握り方、インクの選び方、紙の選び方などを教授すると大いに満足してくださった。
乞食は三日屋ったらやめられないというが、見ず知らずの人に対する調整は一度やったらやめられないなぁ〜と思ったものじゃ。
上の工具はラストルムさんが開発したペン先研磨工具のポケッチャー。
長原さんの大型研磨工具を〔チャーチャー〕と呼んでいたので、ポケットに入るチャーチャーという意味を込めて、ポケッチャーと命名された。名付け親もらすとるむさん。
ヤスリ部分が摩耗して使っていなかったのだが、らすとるむさんにヤスリを金属用に変え、再度組み立ててもらった。
これはペン先を太字から細字に研ぎ出す工具として非常に良いなぁ〜。万年筆談話室内では大型の工具を使っているのだが、旅先では電源さえあれば高トルクで研磨することが出来る。
台南ペンショーにもこれを持参することにした。台湾は110V国なので、100V国の日本と同じ工具で使えるからな。
萬年筆研究会【WAGNER】の調整師とプロの調整師との一番の違いは追い込み具合。
萬年筆研究会【WAGNER】の調整師は、毎回100%の状態を目指して追い込んでいく。
プロの調整師の多く(フルハルターと長原Jrさんを除く)は、対面調整では80%〜90%でやめ、あとはご自分で使いながら書き味を上げてくださいとおっしゃるのだとか。
拙者は毎回100%を目指して追い込んでいくが、騒がしくて擦り音が聞こえない環境では、どうしても95%程度以上は追い込めない。
そこで万年筆談話室を開室し、無音の環境での研ぎを始めたのじゃ。95%の状態でお返しするのは、非常に心苦しかったのだが、ようやくストレス無くペンクリが出来るようになって気分爽快じゃ。
とはいえ、万年筆談話室はあと1年で閉鎖となるので、まだ来られていない方は、ぜひおいでくだされ。
台風一過の8月17日、18日は、万年筆談話室開室一周年記念日のイベントをやる予定。
10:00〜20:00くらいまで、予約無しで入れます。
なを18日は13:00から たこ娘のパーソナル調整講座 があるので、自己調整をトライしてみたい方は、お申し込みください。約90分間のコース!
参加費用は3,500円で、たこ娘調整シート代金込み。ルーペだけはご持参ください。(万年筆談話室でも販売しています)。
調整師がまだ2人しか萬年筆研究会【WAGNER】にいなかったころ、らすとるむさんと2人(バシっとした高級スーツ着て)取材を受けた記憶があるのだが、何だったかなぁ?
こちらは、らすとるむさんの投稿!