久しぶりにプラチナのプロシオンにインクを入れて使ってみたのだが・・・実に良い感じ。
女性には少し握りが太いかもしれないが、男性にはピッタリではないかな?入門用として、一番お奨めできる万年筆だ。
一番の特長はスチール製ながらMのペン先の仕上がりが実に良いこと。
今までプラチナのペン先は1500本以上は調整している。そこで感じているのは、最近のプラチナのMとBの仕上がりは実に良いということ。
そしてプロシオンは金ペンのセンチュリーと比較しても、けっして劣らない書き味だ。
もちろん、金ペンには素材的に勝てない部分もあるが、万年筆全体のパッケージとしては、極めて秀逸な万年筆だ。
拙者が初心者に万年筆を奨めるとすれば、男性ならプロシオンで決まりじゃ。女性ならカクノだろう。
ボディ単体の重量は23.46g(コンバーターなし) 27.63g(コンバーター付き)
コンバーターに直接インクを入れた時の重量は28.18gで、コンバーターでインクを吸入した場合は28.38gとなる。後者ではペン芯回りに付着したインクも含めて0.75ccほど吸入出来るのじゃ。
左はインクを入れている状態で、ペン先を上から見た場合の画像。
横書きがスムーズに出来るように、ペンポイント先端部は左右に丸く研がれている。ここが角張っていると横書き文字(特に英語など)は書きにくいはずだ。
こちらは横顔。書き味を出す一番のポイントはペンポイントの上下の幅。ここが厚ければ筆記角度が多少変わっても安定した書き味を提供してくれる。
このペン先は分解してインクフローを調整しやすいので、ペンクリニックなどで頼むことは出来るが、実はあまりお奨めは出来ない。
かなり注意深く扱わないと、プラチナがプロシオンで初めて採用した二段ペン芯とペン先との間に隙間を作ってしまいがちだ。
プロシオンのMは、普通の書き癖の人ならばペンクリニックに持ち込む必要はない。販売時からインクフローは良く、なめらかに仕上げられている。
ただし、特殊なペンの持ち方や、筆記角度が縦横無尽に変化してしまう癖をお持ちの方、左手持ちで寝かせて押し書きをする方には微調整は必要だろう。
あまり深手を負わない前に万年筆談話室にお持ち込みくだされ。別次元の書き味にパーソナライズしまっせ!
こちらの画像はペン先ユニットからペン先を抜いた状態。
外し方は簡単だが、ゴム板を使ってはずそうとするとペン先を真っ二つにするリスクがあるので、気をつけて!
このノウハウは万年筆談話室で伝授しますが、ある程度の(というか強靱な)指の力が必要です。
こちらはペン先ユニットを完全分解した状態の画像。
分解した二段ペン芯とペン先だ。この二段ペン芯では合体した切れ目の部分までインクに浸せば吸入をしてくれるというのが売り!
ただし、首軸までインクに浸けた方が、気泡一個分くらいは余分にインクが入る。これは先行する二社も全く同じはずだ。
こちらが未調整のプロシオンのペンポイント。実に美しい仕上がりじゃ。
そしてちゃんとスリットが開いており、インクフローも十分で、ひっかかりもほとんど無い。
これに5,000円の値段をつけたP社は、きっと後悔しているのではないかなぁ?
海外でなら85ドル、国内でなら税抜き7,500円くらいが一番売りやすかった(一定期間の販売店利益を最大化する)のではないだろうか?
海外でならこの書き味を体験してもらえば、すぐに購入してもらえるだろう。
ただ国内にはまだ金ペンでなければ書き味は悪い・・・と信じている人(あるいは店)も多いので5,000円でないと売れないと考えたのかも?
プロシオンは試し書きしてもらってこそ売れる万年筆だと思う。そして、Bニブの登場も待ち遠しいなぁ・・・