2019年11月07日

インクを入れてデスクに置いてある万年筆がこちら!

2019-11-07現在、万年筆談話室の調整部屋の机上に置いてあるペンケースの中がこちら。

拙者が2019-11-07現在でインクを入れて使っている万年筆(一本はガラスペン)は左記+3本のみじゃ。

そのほか、談話スペースに置いてあるペンケースに1本だけスチール製万年筆が立っている。

こちらは拙者が使うわけではなく、談話室を訪問された方が使うものなので本数外とする。

これらは調整部屋で、書き味のサンプルとして置いてあるので、当然のことながら(普通に握って書けば)書き味は非常に良い。

ただし、どれもが同じ書き味ではなく、ペン先の特性に合わせて研いであるので、これらを相互に比較すると、好みが分かれるだろう。

むしろ、その好みを知りたいがための試筆用万年筆なのじゃ。

左の6本が金ペン先付き、中央の4本がスチール製ペン先付きで、右端はガラスペン。

ペンポイントの研ぎは、ペンポイントの太さや軸のバランスに合わせて調整しているのでバラバラだが、インクフローが潤沢という点では全て共通している。

左端は18K-BBのペン先で極太ぬらぬらに調整してあるので、試筆した人がすべて【おお!】と声を上げるほどの書き味の良さ。

平成時代の半ばに大流行した【ぬるぬるぬらぬら】の書き味を伝える文化遺産級の書き味だと自負している。

知っている人が書けば・・・【ハイハイ、こういうのが流行った時代あったわぁ〜】というノスタルジックな書き味じゃ。

左から2番目は令和時代のソフトニブといってよかろう。フルカンのように筆圧をかけると、ペン先が横に広がるのではなく、上に撓る。結果として字幅はさほど太くならない。

ちょうど1960年代の二桁番台モデル(84,74,24など)に近い感触で実に良い。ただカリグラフィーペンとしては使えないだろう。今、拙者が一番注目しているぺん先なのじゃ。限定33本完売らしい。

そのすぐ左はダンヒル・ドレス。ペン先が18金ということで購入し、金色ペン先をロジウム鍍金して使っている。

イカペンのような反応をし、弾力、書き味ともに問題はないのだが、なにしろペン先が乾く!

こういう考慮が、当時のMontblancは出来ていなかったのかもしれない。かなり経営が厳しきなっていた時だったのかも?

その右側は万年筆談話室創立一周年記念モデルの18K-F付き。台南から帰ってきてから書き味が悪くなっていたが、本日ようやく調整の時間が取れた。

プレジデントはBが一番似合っているし書き味もいいのだが、調整さえすれば18K-Fでも様々な書き味に変化させられのだが、こいつには日本語が綺麗に書ける調整を施してある。

その右側は14K-SFをさらにウェバリー加工を(間違えて)施してしまったWAGNER 2019 14K-SF(黄色軸)。

筆記途中の筆圧差が大きく、高速筆記される方が使えば、ひざを打って【コレを待っていたんや!】と叫ぶかもしれない。

その左は泉筆五宝展記念万年筆で、キャップ、首軸、尻軸は真鍮製。インクを入れた状態で53gでキャップが25g。

後ろ重心が好きな拙者でも、さすがにキャップを後ろに挿しては筆記できない。キャップを挿さずに使うのが王道だろう。

ペン先を少し立てて書けば、18K-EFの柔らかいペン先の弾力を感じることが出来るだろう。このペン先の感触に嵌まりそうじゃよ!

スチールペンの4本についても、書き味は非常に良い。それは素質ではなく、調整で書き味を上げる作業を通じて変化したのじゃ。

通常の金ペンの調整なら30分もあれば十分良く出来るが、ここの4本については90分〜120分かかて調整してある。

それがこれらスチール製ペン先付きモデルの特徴なのだ。ある程度ペン先が大きければ、書き味は出せる。

どうせ買うなら大きなペン先のモデルを選んだ方が得策だろう。そこから書き味を追い詰めていきたいと願うのなら、談話室で追い込み調整を頼んでくだされ。

スチールペンの調整には集中力が必要なので、その場ではお返しできないのじゃ。

これらの書き味を試してみたい方は、万年筆談話室へおいでくだされ。

毎日微調整をしているので、安心して自分の筆圧でお書きいただいて結構でーす。


Posted by pelikan_1931 at 23:19│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック