萬年筆研究会【WAGNER】では2007年より(毎年では無いが)限定万年筆を作ってきた。
拙者が欲しい仕様の万年筆を作りたくとも、一本だけでは実現できないので、ある程度の本数が見込める物だけを作ってきた。
よくその中で最も人気の高いモデルはなんですか?と聞かれるが、いつも回答に窮している。
製造本数を人気と考えるなら、300本同じ仕様(18C-Bニブ付きだけ)で作ったWAGNER 2008であろうが、売り切るまでに10年かかった。
また途中で朽ちてしまった2008も10本ほどある。
注文を開始してから一番早く完売となったのはWAGNER 2019の黄色軸の14K-Mだったが、作ったのは50本のみだった。
同じ太さのペン先で最も売れた(発表後1週間以内の注文数)はプラチナの14K-SM付き限定品の限定品の105本。さきほどのWAGNER 2009を除いた場合ですがね。
ただしどれが最も(いまだに)人気が高いかといえば、左のモデルだろう。
いわゆる万年筆談話室開室記念モデルだが、慎重な計画で出来上がったモデルではない。
過去に萬年筆研究会【WAGNER】で注文した萬年筆に関しては、ペン先交換向けに数多くのペン先をストックしておいてくれていた。
しかし定番品のペン先と違い、他への流用が出来ないので、溶かして再利用しようという方針になったらしい。
その前に、拙者にペン先を買い取りますか?という打診が来たので・・・
せっかくペン先があるのだし、前年の限定用に購入して軸の色素も残っているので、軸も作ってよ!とお願いした。
ただしマット加工もチェーパーカットも不要なNICEという(わけの分からない仕様)で。
実は前年の段階で、ブルーのNICE軸が限定品として進んでいたのだが、サンプル軸にはマット加工もシェーパーカットも無かった。
これがユーザーに大人気だったので、マット加工もシェーパーカットも無しにできませんか?と聞いたのだが、工程も価格も変わってしまうのでダメ!との回答だった。
そこで、ペン先再利用という千載一遇のチャンスに乗って、いろんな時代の限定ペン先を同じ青色軸(マットもシェーパーカットも無しの軸)に搭載して販売した。
本数も100本ほどと、やや少なかったこともあり、あっという間に無くなってしまった。
本数はたいしたことないのだが、いまだに海外に行くたびに、あのターコイズの軸は無いのかと聞かれるし、問合せも入ってくる。
特に、左画像のフェニックス模様のペン先の人気が以上に高い。
人気があるのは14K-SMはなく、14K-Fです。もっとも14K-SMのフェニックスがあることを知っている人は海外にはいないはずだがな。
この色の軸は、本当にこの一本しか無くなってしまった・・・
自分で言うのも何だが、いまだにこの軸よりも美しいブルー系の透明軸は存在しないと考えている。
しかし、WAGNER 2020の水色スケルトン・マット軸には負けるかもしれない。
たこ娘さんプロデュースということで、当初は〔どうせ女性にしかうけないだろう〕と高をくくっていたのだが、どうやらそうではないらしい。
しかも外人さんは男女とも絶賛されるのじゃ、この軸を!
この軸は200本製作。しかもペン先は14K-Mのみという制約があるが、この条件で過去の記録(発表後1週間で105本)を抜かれたら・・・どうしよう?