左は昨年後半から使い始めた番手の入った磨きクロス。これを半年ほど使ってみてある程度めどが立ったので紹介することにした。
万年筆の達人で拙者が金磨きクロスを紹介したとき、伊東屋さんの万年筆売り場では、万年筆の達人と金磨きクロスもショーケースの上で売られていた。
真似して金磨きクロスでペンポイントを擦ったあげく、インクが出なくなって長原(父上)さんのペンクリに持ってきた人が続出したそうな。
これは執筆したときからそうなるとわかっていたので、〔書くのやめた方が良いよ!〕と古山さんに進言したのだが、彼は万年筆の殿線で頭がいっぱい。
〔この本を読んで、調整を真似して、万年筆を壊す人が増えれば万年筆が売れる!〕ということで押し切られてしまった。
ま、結果は古山画伯の言うとおりになったが、その後の万年筆文化のプチ盛り上がりまでは見通せなかったなぁ〜。
金磨き布のシリーズは磨かれる金属によって名前が変わっている。銅磨き布とか銀磨き布とか、金磨き布とか。
今回紹介するのは番手が入った磨き布シリーズで、用途は説明書に簡単に書いてあるだけ。
#1000は、ゴルフクラブや自動車の金属パーツの汚れ落とし、仏具の真鍮部分の変色の除去など
#8000は、時計や貴金属(シルバーなど)の曇りや手垢の除去と傷の緩和。精密機械の仕上げなど
#15000は、携帯電話やプラスティック部分の小傷除去、DVDの傷取り、金やプラチナの汚れや曇りの除去
とある。
以前、N御大は用途別磨き布の会社に何が違うのかを聞いたところ、磨き粉の量が違うだけです・・・との回答だったそうだ。
そこで、では磨き粉が一番多い銅磨きがお得なんですね・・・と聞いたら、口をもごもごさせて口ごもっていたと聞いた。
それ以降、ずーっと銅磨き布を中心に使ってきていたのだが、番手別磨き布を見せられると、粒度も違っていたのではと思ってしまう。
この三種類の磨き布の主たる目的は軸の傷をとることだが、実は、ペンポイントの研磨にも使っている。
#1000の磨き布は、すこしペンポイントに傷をつけたいときや、金磨き布で表面を荒らしたいときに使う。
#8000の磨き布は、MF/FMよりも太い字幅のペンポイントの最終仕上げに使う。極太の場合は、最後に#2500番の耐水ペーパーで少しだけ傷をつけることもある。
これは書き出しかすれ対策。磨き上げたペンポイントではインクが表面に残らないので書き出しで字がスキップする。これを防ぐのに重要なのが最後の荒らしなのだ。
#15000の磨き布は、ペン先の細かい傷落としに使うことが多い。ペンポイントの磨きに使うのはFくらいかなぁ?EFやUEFでは細すぎて布ではバフかけにならない。
調整待ちの大行列が出来て一本の調整に10分もかけられない!という時に、ラッピングフィルムで音を聞きながら細かい調整をやる代わりに、エッジ丸めに使うことはあるがな。
この三種類のペーパーは袋から出すと色でしか区別が付かないのだが、汚れてくるとそれも難しくなるので、拙者は番手を油性マジックで書いておくことにしている。
まだまだこれらのパーパーの使い道はありそうなので研究して教えてくだされ!