2020年12月18日

【 1960年代 Montblanc No.72 ペン先曲がり、そして・・・ 】 (アーカイブ 2009年5月)

一時はMontblanc の2桁番やPIXの0.92个鬚困い屬鵑判犬瓩燭發里世・・・飽きてしまった。

筆圧の超低い者がまともな字を書こうとすると、やはり硬くてインクフローが良い万年筆の方が使いやすい。

願わくば30g以上の(軸の)重さがあればありがたい。

このBlogを書いた当時は、まだ柔らかいペン先に魅了されていたのかもしれない。

時の流れを感じるなぁ〜。また自身の変節の黒歴史も・・・




2008-08-25 01今回の依頼品はMontblanc No.72緑軸。一回り大きなNo.74と共に金張キャップが特徴の回転吸入式。

ペン先は有名なウィングニブ筆圧をかけると横に拡がらないで縦にしなる・・・ という伝説があるが、これは正確ではない。ちゃんと横にも拡がる!

18金ペン先付きだが、今回の依頼品は14金ペン先に付け替えてある。どうも14金ペン先付きの方がタッチがやわらかかったせいか、かなりの確率で14金ペン先付きNo.72に出逢う。

このシリーズは萬年筆も人気があるが、ペンシルのPIXの方が有名で、ある時期、萬年筆よりも値段が高かった!

0.92仗弔No.75で、1.18仗弔No.76No.75の方が圧倒的に人気がある。


2008-08-25 02拙者はこの時代のMontblancはそれほど評価していない。

書き味は申し分ないのだが、左画像ように首軸のセンターと切り割りの位置があっていない・・・相当ムラがあるのじゃ。

ペン先なら調整や研磨でいかようにでもごまかせるが、外装をいじるのには(最近は)抵抗がある。

この依頼品のペン先はNo.72の中では比べものにならないほど柔らかい!あり得ないほど柔らかいニブを持っている。こういう場合にはかならずアレがあるはず・・・


2008-08-25 042008-08-25 03依頼事項はペン先の段差を直して欲しいということ。どこかへぶつけたのかも知れない。

上下の段差は少しだが、右画像を見ると、向かって奥側(上から見て左側)が急角度で曲がっている。

この曲がりを直すのにはメーカーで使っている専用工具を使った。プロの調整師の方から譲ってもらったもので、非常に重宝している。

ペンポイントは既に研磨されているが、曲げ戻しによって多少の微調整は必要。


2008-08-25 05 こちらはペン先の裏側。スリットはほんの少しだけ開いている。裏側に汚れも皆無!非常に良い状態のペン先じゃ。ある一点を除いては!

それにしても複雑加工してある。ペン先にこのような加工を加えると無駄な力が溜まりペン先に良い影響は与えないと考えるのだがな。

拙者はやはりシンプルで無理のないオープンニブが好き!


2008-08-25 06こちらが首軸に取り付けた状態。ペン先が綺麗になった分、問題点が目立ってきた。それはクラック

図で上側の中間部分より少し右側に切れ目が入っているのがわかるかな?これは最初から入っていたのだが清掃するに従って目立ってきた!

最初の曲がりがあった時点で、このあたりに力が加わってクラックが入ったのであろう。

2008-08-25 07
拡大してみると上から下まで綺麗に割れている。これが超柔らかいペン先の秘密

通常のNo.72よりもはるかに柔らかい書き味は、このペン先のクラックが演出してくれていたのじゃ!

PelikanのVintage物で異様に柔らかい書き味のものは、たいてハート穴付近に亀裂が入っていた。またCNニブではハート穴に切れ込みを入れて柔らかさを演出した物もあった。

らすとるむさんの改造の中にも人工クラックを入れたものがあった。クラックは柔らかさには良い影響を与えることもあるので忌み嫌うのはかわいそう・・・

実際この個体は、夢のような柔らい書き味。実は多少鳩胸調整を施し、上に反らし気味にしてある。

それによって柔らかさに拍車が加わり、絶妙の筆記感覚を与えてくれるようになった。そして低筆圧で書くことによってクラック部分への負担も減るという効果も狙った。

筆圧ゼロで書くと最高に気持ち良い! ああ、良い仕事をした!


【 今回執筆時間:6時間 】 画像準備2h 修理調整2.5h 記事執筆1.5h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間


Posted by pelikan_1931 at 23:35│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック