2020年12月21日

【 Shaffer PFM-I パラジウム-B 精密検査 】  (アーカイブ 2010年12月)

現在パラジウムの1g当たりの価格は金よりもかなり高くなっている。

だが、このPFM-気作られた当時は安かったのであろう。一番値段の安いモデルについいていたぐらいだから。

プラチナ・プラチナも最初に作られたときには、金よりも高価な素材だったが、現在では7,000円対3,800円で金の方がはるかに高価!

プラチナの100周年記念のプラチナ・プラチナをプラチナではなく、金で作っていたらとんでもない値段になっていたことであろう。

この当時はスノーケルが頻繁に持ち込まれたが、最近はとんと姿を見ない。不思議だなぁ〜。男の子は大好きなはずなのだが・・・



2010-12-24 01今回の依頼品はShaffer PFM-I じゃ。拙者は今までPFM-靴PFM-垢禄衢した事はあるが、それ以外には不思議と縁がない。

この
 PFM-Iもスチールペンと勘違いして収集対処に入れていなかったが、どうやら今話題のパラジウム合金製ペン先らしい。

後悔先に立たずとはこのこと。今回のようなBニブ付きのPFM-Iなんて二度と入手は出来ないであろう・・・

依頼人によれば、吸入機構が働いているかどうか不明。分解しようにも尻軸とピストンを固定しているネジが外れないとのこと。

試してみたが、水は吸うようなのでサックが逝っているわけではなさそう。


2010-12-24 022010-12-24 03こちらがパラジウム合金のペン先。りっぱな形状のBニブじゃ。残念なことにスリットが詰まっており、僅かに背開きになっている。

惨い背開きの状態では、エッジが引っ掛かったまともに書けないものだが、今回のは【ほんの少しの背開き】という程度なので問題は無い。

ただ、ペンポイントの背中側が開いて見えるのはいただけないので、そこだけスリスリして、背開きが目立たないようにしておいた。

PFMのニブの形状で背開きを直すには相当の覚悟を決めて作業しなければならないが、今回はその必要が無かった・・・セーフ!というところか。


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こちらが横顔。SheafferのBニブは球形になっている。従って、その気になれば如何ようにでもペンポイントを研磨出来る。

調整の幅が非常に大きなペンポイントである。何故拙者がBroadニブの萬年筆ばかり入手するかといえば、調整の幅が大きいということにつきる。

ペンポイントが大きければ削りだして細字を作る事は可能だが、小さなペンポイントからヌラヌラ太字の書き味は(いくらスリットを拡げても)作り出せないのじゃ・・・。

書き味は一義的にはペンポイントが紙に当たる際の接紙面積で決まってしまう。


2010-12-24 06特に問題は無いようなので、健康診断をしてみた。

ゴムサックは生きており、この状態で棒で突っつくと勢いよく水を吸い込む。また細字のスノーケル式と違って、PFMに入っているバネは錆びにくく、ほとんど問題にはならない。

やはり時代と共に進歩している。


2010-12-24 07尻軸が外れないということだったが、それ専用に改造したドライバーを使えばいとも簡単にネジは回った。

この専用ドライバーを作ってから10年以上になるが、ネジがつぶれた1本を除けば、全て外れたと記憶している。非常に使用頻度の高い工具じゃ!

Oリングも外してみたが、弾力は失われていない。おそらくはちゃんとしたメンテナンスをした後でオークション(eBay)に出されたものであろう。

ただ個体差か拙者の持っているOリングより若干硬いようだったので交換した。さらにOリングを胴軸に取り付ける際に周囲にシリコングリースを塗っておいた。

これによって多少とも気密性は上がるであろう。


2010-12-24 082010-12-24 09吸入量を調べてみると、若干ではあるが増えた。それ以外に手を加える点は無い。非常に状態の良い個体じゃ。

ペン先もかなり柔らかく筆圧をかければすぐに開いてくれる。

ヘロヘロの柔らかさではなく、1970年代のフォード製ピックアップトラックのダンパーのような感じかな・・・(単なるイメージで言ってます。乗ったことはありません  )


2010-12-24 10スノーケルは不思議な機構で、いったん吸い込んだインクをペン芯に供給するのは、左画像の細長い穴と、直前の画像(管)にある斜めの切れ目だけ!

これで潤沢なインクフローが何故実現出来るのか不思議!

実は管の中はエボナイトに似た素材を細切りにしたような物が充填されており、その隙間を通ってインクが吸入・排出される。

インクサックからペン芯までの直接繋がっている部分は無く、常にこの管を経由して出入りしている。

どうやらスノーケルの本当の秘密は、中に充填している素材のようじゃな!



【 今回執筆時間:3
時間 】 画像準備1修理調整1記事執筆1
h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
 


Posted by pelikan_1931 at 23:50│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック