2020年12月23日

【 Parker 75 Flat Top 14K-M 生贄 】 (アーカイブ 2013年4月)





1今回の生贄はParker 75シリーズの一部。初期の数年間作られたフラットトップじゃ。

これを珍重する向きもあるが、夥しい数が市場に溢れており、さほど珍しい物ではない。

また初期であるが故に発生する【不具合や脆さ】も兼ね備えており、拙者としては日常使用はお薦め出来ないと考えている。

拙者が持っている初期モデルは、初年度に発売された首軸後部が金属製のもの。以前monolith6さんからMintに近い状態で譲っていただいたもので、拙者の宝物。

それ以外のフラットトップはどんなに安くても手を出さないことにしている。

インナーキャップと兼用の勘合機構が樹脂製の物があり、それが劣化したときのなさけない音は聞きたくないとうのが一番の理由。

売り主はそのことに気付いていないので、インナーキャップの形状を書いているケースは皆無。

従ってオークションでは怖くて購入できない。これが拙者がフラットトップを避ける理由の筆頭!


23今回のモデルはフラットトップであると同時に首軸に【0】マークが入っている。首軸と天冠との整合性は取れている。

いいなぁ・・・・と思うのはペンポイントが球状であること。

亡父のParker 75に似た形状のペンポイントで、かなりがさつな書き味なのだが、これがなんともParker 75らしくて良い。

ただ、多少スリットが詰まりすぎており気持ち良くインクが出て来ない。ここはスリット調整が必要と判断した。


45こちらは横顔。横から見てもペンポイントは球状なのだが、本当に球形をしているわけではない。

後で正面画像を見ればわかるが実は円盤形のペンポイントなのじゃ。

これだけインクの出が悪いペン先なのに、ペン先とペン芯との間に隙間が出来ていない。

通常の使い方をすれば、インクを出そうとして250g以上の筆圧がかかり経年変化で隙間が空いてしまう。

ということは、この萬年筆は使い始めてすぐに放置されたものと推測した。書き癖もペンポイントには一切残されていない。


6書いた時に多少ひっかかり感があるのは、左画像のように少し右側のペンポイントが下がっているから。左から右への線を引く際に紙を削るような感触がある。

先ほど述べたように前から見ると球形ではなく、ちゃんとした円盤研ぎ。ただしかなり厚めの円盤研ぎなので、多少書き味は異なっている。

ペン先をペン芯と分離し、スリットを拡げる際に、少しだけ右側のペンポイントを上に反らし、左右のペンポイントの下側がそろうようにしておこう。


7Parker 75には【一度インクを決めたら一生それを変えるな!】という台詞がピッタリ。

左画像は外した首軸とペン先ユニットを試験管に入れて熱湯とアスコルビン酸を加えたもの。

激しく50回ほど振り回すとこのような状態になる。ペン先ユニットはそれほど汚れていないが、首軸ユニットからは夥しいインクが溶け出してくる。

アスコルビン酸を入れなければあまり濃い色にはならない。

首軸ユニットはこのあと、三日三晩、熱湯とアスコルビン酸を朝夕変えながら洗浄をくりかえし、やっと綺麗な状態になる。

よい子はParker 75のインクは絶対に変えないようにな。またブルーブラックは入れないように!


8今回のボディには一番下のコンバーターが附属していた。これが時代とマッチしたコンバーター。拙者が一番好きな型じゃ。

真ん中がその後のコンバーターで、もっとも広範囲に出回っているもの。一番上は安価モデル用のコンバーターだが、スライド式なので実に使い勝手が良い。

画像の物には金属玉が入っているが最近のものにはコイルが入っている。定価は735円。通常の回転式コンバーターには金銀二色あるが、いずれも1,050円。前者がお薦めじゃよ。


910こちらがペン先をペン芯から外し、スリットを多少広めた状態。それほど寄りが強くなかったので0.1个鬟好螢奪箸忘垢傾んでクイクイと軽く捻っただけ。

この程度であればスリットの両側に削られた金が盛り上がったりしない。

あまりにスリットの寄りが強い場合には0.15个0.2个鬚海呼れるが、その場合は盛り上がった金を研磨する。

今回は美しい球状のペンポイントを削りたくはなかったのでスリットを拡げるだけにした。

もしFの球状研ぎであれば、側面も研磨を施されておらず、真ん丸のペンポイントが拝めるのではないかと期待している。

残っているparker 75の中にそういう物が無いかなぁ・・・




【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間


Posted by pelikan_1931 at 23:38│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
この記事へのコメント
メリークリスマス、です。お師匠さま
今年春にメルカリで買った普通のパーカー75(Fニブ)をみて貰おうと思いつつ、結局今年はお目に掛かることができませんでした。地方では定例会も取りやめになり、メーカーのペンクリも全て中止で、調子の悪くなった万年筆ばかり溜まっております。

父が使っていた万年筆、というイメージの75ですが、今回手に入れて、こんなにペン先は柔らかかったのか、しかも日本の万年筆並みにFが細い!と昔の印象との違いに驚きました。
それと、上に書かれている、一度インクを決めたら替えないこと。これは買った75が未使用と書いてあったにもかかわらず、パーカーのブルーインクを入れたのに真っ黒なインクになってドクドクと出てきて、しばらく汚いブルーブラック状態でした。何かの呪いか?とも思いましたが、そういうことだったんですね。納得しました。最近やっと綺麗な?ブルーで書けるようになりました。カートリッジ3本ほど我慢しましたけど。
Posted by sayuri at 2020年12月25日 11:29