2021年03月03日

調整師って交渉人(negotiator)に近いかも?

交渉人(negotiator)とは、国連の停戦監視団や難民弁務官などの国連専門職員。

交渉相手は幅広く、首相、国際機関、諜報員などを相手に交渉を行う。世界平和維持を主たる任務とする・・・ようだ。

本日、隣の部屋で繰り広げられていた会話を聞いていて、調整師ってお医者さんというよりも、交渉人(negotiator)に近いと思った。

ほんまもんの交渉人は国と国との利害の落としどころを見つけるのが仕事だが・・・

調整師とは、持ち主と万年筆との利害の落としどころを見つける人なのだと気づいた。

持ち主の書き癖に合わせてペンポイントを研磨してしまうと、癖が変わった時に困る。

それに万年筆の方にも都合がある。次世代に引き継いでもらいたい万年筆は、極力調整しないようにしたい。

持ち主か自分の無体な書き癖に合わせて【やっちゃって下さい】と言った時には(場合によっては)押しとどめる必要もある。

そんな持ち方したら万年筆がかわいそう!持ち方を変えれば引っかかりも無く、書き出し掠れも無いでしょう!・・・とか言うことも。

削って持ち主の癖に合わせるように研ぐのは簡単だが、書き癖ってあっというまに変わってしまうので信用出来ない。

まずは万年筆にとって最高の書き味になるように調整する。しかる後・・・

(1)持ち主の書き癖に合わせてペンポイントを研ぐ

(2)持ち主を教育して、持つ位置や捻りやインクフローを微修正してもらう

ま、大抵は上記(1)と(2)を一緒に行うことが多い。ただし、割合で言うと重点を置いているのは(2)じゃな。

昔は拙者も(1)しかやらなかった。万年筆愛が高まるほど、ペンポイントをじゃりじゃり削るのに抵抗が出てくるようになった。

本当は研磨しなくても調整は出来るのだが、拙者の場合は年取ってきてツメがもろくなってきた。

従って力ずくでペン先の左右を合わせていると爪が痛んでしまう。

利き腕の親指は最も使い勝手の良い指なので、極力親指を使わないような万年筆を出荷してほしいものじゃな。


Posted by pelikan_1931 at 23:43│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック