たとえばKAWECOのペン先がひん曲がっていたとか?ともあれ実に状態の良い軸だったなぁ。
現在のKAWECOのオーナーの方も、この軸が大好きだったと初対面時に聞いた・・・というか一回しか会ったことはない。
eBayでのKAWECOの取引は彼とは何度もやったが、最後の取引は本数が莫大だったので、彼が日本でのビジネスのついでに持ってきてくれた。
京王プラザ・ホテルのカフェで受取り、談笑した後、彼は大阪に行くと行っていた。
どうやら現在のKAWECOの代理店であるプリコさんへ契約のために行ったらしい。
プリコの現在の社長さんとお会いした際、拙者がKAWECOのオーナーにホテルで差し上げたフェンテノートを見せてくれた。
どうやら彼はフェンテ・ノートをプリコさんにプレゼントしたらしい。
万年筆の世界は狭いなぁ〜。
この萬年筆を見て、過去にこのBlogで似たのを取り上げたのを思い出した。その時も拙者の持ち物ではなかったはずなのだが・・・あった!コレだ!
ただ、今回のものは85Aよりはやや細めの軸じゃな。
太い方も細い方も、自分でも所有したことがあるが、こういうVintage品は集めたとたんに飽きて手放し、また欲しくなる・・・の繰り返しじゃ。
この軸色は、KAWECOの各種軸の中で最も美しい物。インク窓が綺麗なブルーというのも珍しい。
以前85Aの時はターコイズのインクで着色した疑いもあったのだが、今回のペンの出現で疑いは晴れた。
今回の主役はこのペン先。元々はAristokratという聞いた事のないマイナーブランドの萬年筆に付いていた純正のペン先。
その軸を独逸人から入手したらしいが、ピストンが壊れており、日本では修理不可能だったので、ペン先だけ外してKAWECOに移植したとか。
こういう移植は薄いペン先の場合は成功率は低いのだが、驚くほどピッタリ!ペン芯とペン先を重ねたときの径がちょうどこの萬年筆と同じという偶然!
ただしペン芯は途中までしか入らず、なんとなく格好が良くない。腰履きのジーパンみたい?
ペンポイントが詰まって、円盤研ぎなので、どこで書いてもカリカリゴリゴリしかしない書きごこちになっている。
スイートスポットを作ってから普通に丸めるという、ごく普通の調整を施すことにした。たまには奇を衒わない調整も良かろう。
少しペン先とペン芯とが離れているので、ペン芯をヒートガンで炙って上に反らせ、その上にペン先を乗せてから首軸に突っ込む必要がある。
吸入機構の確認のためにばらしてみる。ココまでは簡単に分解できる。
No.139やNo.136と同じく、二段式の尻軸で、上が吸入弁を上下するもので、その下は左に捻るとピストン機構毎外れる。
実に良く出来た機構だが、おそらくはパテントに触れていたはず。どうやってクリアしたのかな?それとも知らんぷり?
この手の吸入機構でもっとも壊れやすいのがコルク。これが摩耗するとインクが尻軸側に滴り、胸に萬年筆を挿していれば、ワイシャツには大きなシミがつくはずじゃ。
それにもかかわらずコルク製の弁を使っている。両側のプロテクターよりほんの少しだけコルクが外側に出ているが、この部分が実質的な弁と言える。
そして赤丸で囲んだ部分には埋め込み式のピンが入っており、それを叩き出してコルク交換をするらしいのだが・・・
このピンを抜くのに成功した話を(日本では)聞かない。Oリングを見つけて延ばして嵌める手もあるが、ピストン軸側の外径と、弁側の内径にギャップがあったらアウト!
こちらが、ペン芯から外し、スリットを少しだけ開いた状態のペン先。おや?18金無垢のペン先なのに、ホールマークが付いていない。不思議だなぁ・・・
それにしても全体としてデザイン的な綻の無い、良い感じのデザイン。そしてペン先も極めて柔らかいのだが・・・・
実に書きにくいペン先じゃ。どこで書いても引っ掛かる感じ。この解消には、まずはインクフローを良くすること。
少しだけスリットを拡げ、ペン先とペン芯をその状態で密着させる。ここでヒートガンや90度くらいのお湯と冷水を駆使して微調整を行うのじゃ。
再度ペン先とペン芯を萬年筆に取りつけてから研磨が始まる。まずは1200番の耐水ペーパーの上で、通常の筆記角度で字を書く。
その時の摩耗した面を拡大させるため、再度耐水ペーパーの上で八の字旋回を各10回で40回ペンポイントを研ぐ。
次にこの状態から腹と頭のペンポイントを研磨して丸い形状にし、そこから丹念にエッジを取っていく。この作業を5~15分ほど続けて適正なペンポイントになる。
最後にインクを付けて書いてみる。全く問題無し!
【 今回執筆時間:2.5時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆0.5h
画像準備とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
プリコの現在の社長さんとお会いした際、拙者がKAWECOのオーナーにホテルで差し上げたフェンテノートを見せてくれた。
どうやら彼はフェンテ・ノートをプリコさんにプレゼントしたらしい。
万年筆の世界は狭いなぁ〜。
この萬年筆を見て、過去にこのBlogで似たのを取り上げたのを思い出した。その時も拙者の持ち物ではなかったはずなのだが・・・あった!コレだ!
ただ、今回のものは85Aよりはやや細めの軸じゃな。
太い方も細い方も、自分でも所有したことがあるが、こういうVintage品は集めたとたんに飽きて手放し、また欲しくなる・・・の繰り返しじゃ。
この軸色は、KAWECOの各種軸の中で最も美しい物。インク窓が綺麗なブルーというのも珍しい。
以前85Aの時はターコイズのインクで着色した疑いもあったのだが、今回のペンの出現で疑いは晴れた。
今回の主役はこのペン先。元々はAristokratという聞いた事のないマイナーブランドの萬年筆に付いていた純正のペン先。
その軸を独逸人から入手したらしいが、ピストンが壊れており、日本では修理不可能だったので、ペン先だけ外してKAWECOに移植したとか。
こういう移植は薄いペン先の場合は成功率は低いのだが、驚くほどピッタリ!ペン芯とペン先を重ねたときの径がちょうどこの萬年筆と同じという偶然!
ただしペン芯は途中までしか入らず、なんとなく格好が良くない。腰履きのジーパンみたい?
ペンポイントが詰まって、円盤研ぎなので、どこで書いてもカリカリゴリゴリしかしない書きごこちになっている。
スイートスポットを作ってから普通に丸めるという、ごく普通の調整を施すことにした。たまには奇を衒わない調整も良かろう。
少しペン先とペン芯とが離れているので、ペン芯をヒートガンで炙って上に反らせ、その上にペン先を乗せてから首軸に突っ込む必要がある。
吸入機構の確認のためにばらしてみる。ココまでは簡単に分解できる。
No.139やNo.136と同じく、二段式の尻軸で、上が吸入弁を上下するもので、その下は左に捻るとピストン機構毎外れる。
実に良く出来た機構だが、おそらくはパテントに触れていたはず。どうやってクリアしたのかな?それとも知らんぷり?
この手の吸入機構でもっとも壊れやすいのがコルク。これが摩耗するとインクが尻軸側に滴り、胸に萬年筆を挿していれば、ワイシャツには大きなシミがつくはずじゃ。
それにもかかわらずコルク製の弁を使っている。両側のプロテクターよりほんの少しだけコルクが外側に出ているが、この部分が実質的な弁と言える。
そして赤丸で囲んだ部分には埋め込み式のピンが入っており、それを叩き出してコルク交換をするらしいのだが・・・
このピンを抜くのに成功した話を(日本では)聞かない。Oリングを見つけて延ばして嵌める手もあるが、ピストン軸側の外径と、弁側の内径にギャップがあったらアウト!
こちらが、ペン芯から外し、スリットを少しだけ開いた状態のペン先。おや?18金無垢のペン先なのに、ホールマークが付いていない。不思議だなぁ・・・
それにしても全体としてデザイン的な綻の無い、良い感じのデザイン。そしてペン先も極めて柔らかいのだが・・・・
実に書きにくいペン先じゃ。どこで書いても引っ掛かる感じ。この解消には、まずはインクフローを良くすること。
少しだけスリットを拡げ、ペン先とペン芯をその状態で密着させる。ここでヒートガンや90度くらいのお湯と冷水を駆使して微調整を行うのじゃ。
再度ペン先とペン芯を萬年筆に取りつけてから研磨が始まる。まずは1200番の耐水ペーパーの上で、通常の筆記角度で字を書く。
その時の摩耗した面を拡大させるため、再度耐水ペーパーの上で八の字旋回を各10回で40回ペンポイントを研ぐ。
次にこの状態から腹と頭のペンポイントを研磨して丸い形状にし、そこから丹念にエッジを取っていく。この作業を5~15分ほど続けて適正なペンポイントになる。
最後にインクを付けて書いてみる。全く問題無し!
【 今回執筆時間:2.5時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆0.5h
画像準備とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間