今では、自分だけが良い万年筆を得ようという要望は無くなった。模様はどうでもいいから、その軸があれば良いという感じ。こだわるのはペン先だけ。
調べてみると、下記で紹介した万年筆は既にお嫁に行っており、自分用はpf刻印付きのBニブが搭載された普通の感じの茶縞だった。
拙者はペン先調整が趣味なので、書き味が良くなった万年筆には興味が持てなくなってしまう。
従ってコレクション対象の軸には手を入れないようにしているのだが・・・つい調整しちまうと、すぐにお嫁に出す!
そういえば最近M800系の模様違いの限定品出ないなぁ〜

オリジナルのM800 茶縞の色は、かなり濃いめで400NNの茶色のような色を想像していた拙者には期待外れだった。
そこで、今回の茶縞復刻版にはかなり期待していたのだが・・・オリジナルとほぼ同じ色合い。しかし、期待が無いわけでは無かった。
Faber-Castellの琥珀が出た際、薄いクリーム色のと、濃いオレンジ色のがあったのこを覚えているだろうか?
それと同じ事が、この茶縞にも起きるに違いないと予想したのじゃ。すなわち色のばらつき!
そこで、可能な限りたくさんのM800茶縞を購入し、色の薄い2〜3本を覗いてお嫁にやろうと考えたわけね。


そして最後に残ったのが今回紹介する茶縞じゃ。画面上ではうまく表現できていないが、かなり薄めの茶縞軸。
通常出回っている茶縞軸よりはかなり明るい茶色!もちろん400NNの茶縞軸と比べると、かなり濃いのだがなぁ・・・


胴がきゅっと締まっているところや、ペン先斜面の形状や猫背の度合い、エラの張り具合・・・どれをとってもPFの時代の方が好きだ。
くどいようだが、書き味の話はしていませんよ・・・格好だけ!
ペン先先端部の形状はMなのに角研ぎ!まるでNo.149 開高健モデル 14C-M のようだが、これは拙者の研ぎのせい。
少しだけスリットを拡げているところや、ペン先刻印の先端部のところにペン芯がきているところなどが拙者の調整の特徴!

結果としてインク切れが起こってしまう。
このPFニブをソケットに差し込む場合は、ペン芯のポッチ(凸)をソケットの深い方の凹に合わせて押し込むのがコツ。
同じ事を現行のペン芯でやると、ペン先とペン芯が離れてしまうので、なんらかの設計変更があったのだろう。
設計変更どころか、OEM生産から自社生産に切り替えたという噂もある。出所はしっかりしているので真実である確率は高い。
もしそうであるなら、当初は不具合があるのを大目に見てあげなくてはなぁ。そうそう上手くはいかないし、失敗こそが上達の元!

また天頂部の腹と反対側は、少し平らに研いで、Montblanc No.146やNo.149のBのような形状に研いでみた。
実は、このM800 茶縞が拙者が持っている全てのMニブの中で最も書き味が良いのじゃ。
もちろん、個人差はあるので、拙者の好みに一番近い書き味はコレだ!と言った方が良いかも知れない。
もし、議論の戦場へ持って行くなら・・・絶対にコレは選ばない。顔つきがだらけて緊張感の無い笑い顔をさらしてしまうことになる。
ある意味、妖刀【村正】のような書き味と言って良いかもしれない。これを使うと、ちっとも仕事がはかどらない・・・悪魔のような萬年筆なのじゃ。
実際、拙者も何度か筆記中に睡魔に襲われて、記憶を失ったことが何度もある。うーん・・・【眠い書き味】とでも表現するかな・・・