2022年04月13日

【 1950年代 Montblanc No.146 14C-BB 吸入機構移植! 】(アーカイブ 2013年7月)

昨日から万年筆談話室のネット環境が停止したまま。モデムというかONUの電源ランプが一切点灯しなくなった。

すなわち死んじまった。なので、NTT東日本に電話すると、状態はわかったけどプロバイダーから要求がNTTに来ないと何もしないとのこと。

ではプロバイダーを教えて下さいというと、それは教えられないという。

ネットで調べられないから教えてと言うのに、ガンとして教えてくれない。

使いにくいiPhoneで、どうにかプロバイダーを見つけてメールを送ったがうんともすんとも言ってこない。

そこで直接電話して壊れている状態はわかっていただいたが、これからNTT東日本から電話で連絡が行くとおっしゃる。昨日電話したのは何だったの?

プロバイダーの役割は、壊れているという情報を一晩寝かせただけかい・・・という感じ。

NTT東日本から電話が来たのが17時頃。原因は機器故障ですので宅配便で送りますとのこと。そんなこと昨晩からわかっとるわい。

急いでいるので取りに行くと行ってもダメ。

まだヤマトの営業所へ持ち込めば最終便に間に合うよといってもやってくれない。

通信トラブルコンシェルジェがいて、そういう作業を全部やってくれると良いなぁ〜。2日間で5年分くらい精神を消耗したワイ。

それにしても、最近のコールセンターはチャットサービスやAI応答が中心なので、くどくて的外れで話にならん。

自社の品質やサービスが悪いからコールセンターに電話するのに、そこがさらにサービスレベルを落としている。ま、オペレータコストも下げてはいるけどな。

少しは中国のコールセンターを見習ったらどうだろう?24時間日本語対応もしてくれ、問題解決まで完全サポートしてくれる。

もはや日本の時代は終わったな・・・いやいや、万年筆業界は違いますよ・・・・ね?




1今回は萬年筆倶楽部【フェンテ】でべそ会長からの依頼品。

1950年代のMontblanc No.146だが、かなりくたびれている。実は過去に何度か修理やペン先調整を施したものじゃ。

本当のVintage萬年筆好きは、このようにして修理を繰り返しながら、だんだんと老いさらばえていく個体を慈しみながら楽しむもの。

そういえば、拙者よりは何歳か年下ではあるが、でべそ会長も1950年代生まれ。

強靱な精神力は健在だが、体は相当ガタが来ているはずじゃ。体重は拙者の半分くらいしか無いしな・・・

先日、お会いしたら、リターンマッチをしたい事があり、それがかなうまでは死ねないとおっしゃっていた。

なんでも【文房具の研究】に掲載された自身のカラー写真がお気に召さないらしい。

徹夜明けでデロデロに疲れていた時に長時間取材を受け、意識朦朧になっていたときに写された写真。

 もっとちゃんり凛々しい写真を後世に残すまでは死にきれない(*`Д')  と奥歯を噛んでいた。

久しぶりにお目にかかったこの個体は、もはや完全に機能停止していた。

普通なら・・・長い間ご苦労様・・・とお別れするのだが、でべそ会長は書き味があまりに気に入っていているらしい。


231950年代の14C-BBで、たしかに拙者の調整が施されてはいるが、今ほど形が洗練されていない。おそらくは7〜8年前の調整ではないかな?

ただし、でべそ会長用に追い込み調整をなんどもかけているので書き味は確かに完璧!

ただ調整戻りで少しペン先が詰まっているので寄りを緩めてインクフローを上げておこう。

文房具の研究によればでべそ会長は手紙には太字でインクはMontblancのボルドー、インクがたっぷり出るのが好み。この萬年筆にはボルドーのインクが入っていた。

ただし拙者は、この文房具の研究を読んだ1年後くらいにフェンテに入会したので、この萬年筆が文章中の萬年筆ではないだろうがな。

この本の初版が発行されたのが1996年の1月。最新のフェンテがNo.58。拙者宛に初めて送られてきたフェンテが10号だったはず。

1年に3回発行するフェンテなので、拙者が入会したのが1997年というのは正しそう!


45こちらは横顔。おやおやペン先とペン芯との間に隙間が出来ている。このままだとインクボタ落ちのリスクがあるので、ペン芯を反らせて密着しておこう。

べそ会長は、この2代目フラット・フィードが大好き。インクがどこにも引っ掛からず、インクタンクからペン先までストンと落ちる感じがお好きなのだとか。

そのストンと落ちるインクフローというのが、今でいうドバドバなのだが、でべそ会長が言うと数学的な表現になる。

古山画伯の絵画的な表現【ドボドボイジャー】とは一線を画している。

趣味文ででべそ会長が実用しているヘミングウェイ(4本ではなく、ボールペンを含めると7本?)を顔写真付きで特集してもらおうかな?徹夜明けではない気力体力最高の時に!


6インクが吸入出来ないのでツケペンで使っていたとのことだが、吸入機構は完全に壊れている。

実は前回修理した時には二段伸縮の先端側が壊れていたので、後段だけ動くようにして直したのだが、今回は後段が完璧に壊れてしまった。これは万事休す!


7そこで、No.144用の壊れた吸入機構で代用することにした。これは二段伸縮に関しては大丈夫だが、ピストンを伸ばしても最後はカラ廻りしてストップしない。

また吸入する際も、尻軸が締まった状態になってから、さらに右に捻るとようやく吸入を開始するという代物。しかも回転も超重い。

しかしとりあえずは役に立ちそうなのでそちらを使ってみることにした。左画像のように尻軸の太さは違うが、機構はまったく同じなのじゃ。


8コルクでは耐久性が無いので、最近流行のOリングを使う事にした。向かって左側が太くて硬いOリングで、右が細くて柔らかいOリング。

はっきりいうと白いOリングは不要だとは思うが、インクが黒いOリングの内側から後ろに回るのが防げるのではないかとの期待から使っている。効果は定かではない。


9No.146とNo.144とでは軸の径は違う。尻軸の最も太い部分もNo.146の方が太い。従ってNo.144用の尻軸をNo.146に装着すると当然のことながら段差が出来る。

このいかにも工夫して直しました・・・という感じはでべそ会長の好みであろうと想像している。

試しに水を吸入してみる。まずピストンを左に回して胴軸内の空気を追い出していく。

通常はピストン弁がペン芯にぶつかったところで回転は止まるが、この個体では尻軸はカラ廻りする。

これはピストン機構の一部が欠損している事による現象で、たまにこういう個体に遭遇する。

そこから右回しに水の吸収を始めるのだが、最初は尻軸だけがクルクルと廻り、胴軸と尻軸が密着する。

そこから力を入れて回すと、グリグリとピストンが上がりインクがたっぷりと吸入された。大成功!


@10なお、こちらはペン先とペン芯が密着した画像。ペン芯をヒートガンで炙り、少しだけ先端部をそらしただけ。

またペン先先端部も再度段差調整、スリット調整を施したが、研磨は一切行っていない。なんせ今回は生贄ではないから・・・・

でべそ会長が気に入った書き味というのは、拙者には感じることが出来ない。卓説した利用者のペン先は、依頼が無い限りは研磨するものではない。

修理・調整が終わった萬年筆で書いてみる。ああ、これがでべそ会長が大好きな書き味なのか!調整師をやっていて良かった!と思える瞬間じゃな。



  【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備1h 修理調整2h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
 


Posted by pelikan_1931 at 23:02│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
この記事へのコメント
user-friendlyとuser-hostile

権威ある辞書の定義によれば、
user-friendlyは「(機器やシステムについて)---機器であれば
使い勝手が良く、システムなら理解が容易」

user-hostileは「(機器やシステムについて)---機器であれば
使い勝手が悪く、システムなら理解が困難」

定義を拡張して
「最近のコールセンターはチャットサービスやAI応答が中心なので、くどくて的外れで話にならん。」
=user-hostile(使う側に寄り添って親身の対応をしてもらえなかった)と認定。
Posted by Mont Peli at 2022年04月14日 06:51