今ならせいぜい40回から60回くらい。とにかくペンポイントに平面を作らないように気をつけるな。
今でも拙者が一番好きなペン先は#500の14C-Mと#600の18C-Bじゃな。

この柔らかさに苦戦し、いくら調整しようとしても駄目で、最後は机に叩きつけてペン先を葬ったことがある。
その後、少し柔らかいのも書けるようになったころに#500の茶縞で14C-Mを購入したが、やはり柔らかさが肌に合わず、長い間死蔵していたものじゃ。
いまでも柔らかいペン先は・・・大好きだが苦手。弄ぶには良いが、字を書くとすぐに疲れてしまう。


この#500や#600の柔らかいニブは1本は持っておいて損はない。
腰のない柔らかさという書き味を知って初めて、腰のある柔らかい書き味を評価できるのじゃ。
この固体も柔らかさは十分だが、スリットが詰まっている。筆圧を書ければすぐに開くので問題はないのだが、筆圧ゼロで書き始めようとすればスキップしてしまう。
またこの状態ではすさまじくピーピーと鳴く。
左から右へ高速で線を引く時にピーピーと鳴ってインクの飛沫をまき散らすのは大好きだが、通常筆記時にピーピー音だけ発するのは勘弁して貰いたい。
スリットを少し開き、表面を細かいペーパーで磨いて摩擦を少なくする必要があろう。


ほんの少しだけ削り、表面を細かいペーパーで擦ることによって、ヌメヌメとしたここち良い書き味に変化する。
筆記速度を上げればお約束通り、ピーピーと鳴ってインクをまき散らしてくれる。これもまた一興!

柔らかいニブは薄く作られていることが多いので、ソケットだけではしまりが足らず、左右にぐらつく事がある。
従って、必要なければソケットからの着脱を繰り返さない方が良い。


それにしてもこの時代のペン先は美しい。M800やM1000と比較しても圧倒的に気品があるボディシェイプじゃ。
これがM250用の堅いニブになると、ずっと野暮ったい形状になる。よ〜く見比べて差がわかるようになったら、あとは#500と#600を買いあさるのみ。
ただし70%以上は堅いペン先なので、見分ける力を身につけていないとガッカリすることになりますぞ!


1200番の耐水ペーパーの上で、8の字旋回を左回り、右回りで各30回。
その後∞旋回を左回り、右回りで各30回。その後にエッジ丸めと仕上げ研磨をやった。
仕上げが甘いとゆっくり書いてもピーピーと鳴く。高速筆記の時だけ鳴くように仕上げを調整するのがポイント。
こればっかりは個人の好みがあるので、対面調整でないと無理・・・・今回は生贄なので、拙者の好きな状態に調整しておいた。
インクをつけて書いてみる。ああ、やっぱり気持ちよい!
【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間