最高の書き味と言っても、その万年筆+ペン先の持っている極限の書き味までもっていけると言うだけで、どの万年筆も同じような書き味に出来るわけではない。
また、書き味はペンポイント、ペン芯、胴軸(重量/重心)、紙、インク、筆記者の癖、紙の筆記位置、湿度・・・などに影響されるので一律に定義するのは困難。
調整師はすべからくこれらの最適解を筆記者にアドバイス出来なければ本物とは言えない。
そして100%の書き味とは、制約条件(たとえばこの紙とインクは変えられないなど)を取り除いた状態での最高の書き味と定義する。
その100%を引き出すのが追い込み調整ということ。
では、ペンポイントを支えているペン先の素材(21金/18金/14金/パラジウム/チタン/ステンレス、鉄・・・)と書き味との関係は?


本当はカラフルな色エボナイトを組み合わせ多軸を作るっている。
今回は試しに同系統の単色エボナイトで作ってもらった。しかもペン先はスチール製!
SEMの単色エボナイトはものすごく艶があり宝石のような輝きを持つ。
一方で黒エボナイトやマーブルエボナイトほど丈夫では無い。むしろガラス製と考えたほうが良いかも?そして硫黄臭も少ないのが特徴。

従って常にペン芯にインクがある状態にしておかないと書き出しで盛大にスキップするだろう。
そこで2ヶ月ほどかけて追い込み調整を施した後、満を持してKrabi Sky インクを入れてここ2週間ほど使っている。
しかも毎日のように微調整を施しながらやって、本日ついに100%の書き味になった!
インクをペン芯に十分に満たしておくコツは、頻繁に使うこと。
ペントレが終わってから、まだ常用面年筆の整備が出来ていないので、もっぱらこればかり使っている。
金ペン先には金ペン先の、スチール製ペン先にはそれ独特の書き味がある。
このBockのスチール製ペン先は、まさに極上のスチール製ペン先の書き味を提供してくれる。
最初は途方に暮れるほどだったが、コツコツと追い込んでいった結果、100%の書き味が実現できた。
ただこの追い込み調整だけは、実施に下記癖を肉眼で見た人にしか施せないので悪しからず。またお希望があればお申し出下さい。
下記癖を再度凝視してから追い込みを開始します。
なを追い込み調整を始める前に、ちゃんとした95%の調整が出来ていることが条件でーす。