2022年07月23日

【 Parker 75 エコセー 14K-XF 書き味改善 】 アーカイブ 2012年10月

この当時の研ぎはほぼ全て筆記者の癖を知った上で研いでいる。すなわちパーソナライズ物。

従って一般的な研ぎとは異なっている。もし拙者がこの状態のペン先を入手したら、絶対に今回の要には研がない。

XFの細さを実現するために〔たこスペ超不細工・・・少しなよったかもバージョン?〕に研ぐだろう。

この人にしか使いこなせない研ぎもいいのだが、90%以上の人が満足する書き味を追求するのも面白いものじゃ。




1今回の依頼品はParker 75 エコセー(別名:優雅なタータン) 14K-XFで、仏蘭西製のペン先が付いている。

Mintで入手された物の事前点検ということでお預かりしたもの。ペン先に小さな傷があるので未使用とは言えまい。

Mint物なら通常はケース付きで流通することが多い。

良く見ると首軸先端部の内側にインクの滓がわずかに残っている。もっとも依頼人が試し書きした痕跡かもしれないが。


23こちらはペン先を上から見た時の画像。拡大画像を見ると、ペンポイント付近に小さな傷がついている(黒くなっている部分)。

金磨き布でゴシゴシと擦ればすぐに取れるくらいの小さな傷。

ペン先のスリットの寄りは強くはないが、ピッタリと詰まっている。またペンポイントの形状も、XFの細さを演出するには大きすぎる。まだ左右の段差も大きい。

結果として、カリカリと引っ掛かってとてもスムーズな筆記が出来ない。書いているとストレスでペン先を折りたいような気持ちになってくるかもしれない。要注意!


45こちらが横顔。XFの太さなのにずいぶんと大きなペンポイントじゃ。円盤状に研いでXFを実現しようとしているが、やや無理がある。

また何故かペン先がすぐに抜けてしまう。多少首軸内部に突っ込む部分が痩せてしまったのかも?少しシェラックで太らせておこう。


6こちらはペン先の刻印。仏蘭西製のParker 75のペン先なのに14金製。従ってホールマークはない。

Parkerを示すマークの横に、585とありその右側の小さな【M】が刻印されている。【M】とは違い、Mにアンダーバーはついていない。


78ところがニブの左側にある刻印にはアンダーバーがある。

過去に紹介した18金のペン先ではこちらのように、アンダーバーがあるもの、アンダーバーが無いもの、M表記すらないものなどいろいろ。

はたして、このMMの意味は何なのだろう?少なくともペン先の太さとは無関係のはず。ペン芯にはXFという刻印があるのでな。


9こちらが多少スリットを拡げ、先端部を平たく研磨した状態のペン先先端部。傷も金磨き布で研磨して消し去ってある。研磨以前の画像と比べると良くわかろう。

なをスリットを拡げる為に隙間ゲージを使ったわけではない。

段差を直すために、他方より下がっていたペンポイントを下から上に押して高さを揃えたら、スリットが開いたのじゃ。


10横顔はこちら。相当研磨したことがわかるかな? ペンポイントの先端部を落とし、さらに腹の部分をさらっている。

そのあとで、ペンポイントの横をチャーチャーで斜めに研磨して形状を整え、スイートスポットの部分が一番字幅が細くなるように仕上げていった。 

このペン先を胴体に装着してインクに浸し、書いてみる。おお、極細なのにインクフローは良く、書き味も悪くない。

そのまま20秒ほど書いていると、書き味が良く感じられるようになった。


 【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備2h 修理調整1記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間 


Posted by pelikan_1931 at 23:59│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック