ニコイチとは〔複数本の壊れた万年筆の部品を組み合わせて筆記可能な万年筆を作ること〕だと自己定義している。
左画像の上はWAGNER 創立15周年記念モデルのミドル軸の首軸ユニットが壊れたものに、SEMエボナイト軸の首軸を装着したもの。
SEMエボナイト軸のほうは、胴軸が割れてオシャカになり首軸とキャップだけが残った物。
後者の首軸ユニットが、たまたま15周年の胴軸に入ったため組み合わせて完成した。正真正銘のニコイチ。
一般名詞のニコイチの定義は、2個から1本を作ることではなく、副数本から1本を作ること。
例:ペン先の無い1950年代のMontblanc No.144で尻軸にOBBと刻印があるものに、Mのペン先を装着する。2本から1本を作ったのがわかるので、これはニコイチ。
例:1980年代のMontblanc No.146でペン先だけが無いモデルに、セーラーの14金ペン先をNo.146のペン芯に乗せて装着。あきらかにニコイチ。
例:スチール製ペン先モデルしか無かったペリスケにM400の14K-BBのペン先を装着。別名〔羊の皮を被った狼ニコイチ〕
例:A社のキャップと胴軸、B社の首軸、C社のペン芯、D社のペン先を合体させたもの。ヨンコイチと呼ぶこともあるが、一般的にはニコイチの一種。
上記画像の上側はオリジナルよりもペン先のグレードが落ちているので〔羊の皮を被った山羊ニコイチ〕。
下側はペン先のグレードが上がっているので〔羊の皮を被った狼ニコイチ〕。
ペン先がオリジナルの場合は、単なるニコイチと呼ぶ。〔羊の皮を被った〜〕はペン先のグレード(純金換算の金の量)差だけから名付けることとする。
では、左画像(左2本と右から3本)の場合はどうか?
左側2本は本来なら胴軸と首軸は同じエボナイトから作られ、キャップだけ違う色のエボナイトというのがオリジナル。
ただし容易に色の組み合わせを変えられるし、定番の組み合わせがあるわけではない手作り商品。
従ってこれはニコイチとは呼ばず、組み替えと定義する。
右の3本も、それぞれは3本の万年筆の部品を組み合わせて作られているが、全てオリジナル部品なので、組み替えと定義する。
全てオリジナル部品から組み合わされていても、年代が違ったり尻軸刻印とペン先の太さが違う場合にはニコイチと定義する。
あまりに事例を追いすぎると理解不能なほど細かくなるので、拙者はだいたいこんな定義としている。
万年筆以外の世界のニコイチの定義はどうなんだろう?