2005年の7月からBlogを書いているが、いままでで一番正体不明なのがこの万年筆・・・というかペン先。
どうやらPelikan 140用のペン芯に乗っているので、そちら系のペン先だとは思うのだが・・・
Pelikan Book でも正体がわからない。ただPelikanが作ったことはペン先の刻印で明らか。じゃ、いったいなんなん?
どなたか資料を見つけたら教えて下され。
今回の生贄はPelikan 400NNの黒縞軸。実は緑縞や茶縞よりもはるかに数が少ない。また地味なので一般的には人気も無い。
今回は赤ずきん半さんからの健康診断依頼じゃ。半一族(未認定)なので当然のことながら普通の状態ではない。
今までの赤ずきん半さんからの調整依頼は、小汚くても銘品であった。今回のは珍品だが、かなり怪しい代物。ブツだけなら半の殿堂入りに相応しい!
ペン先は400NNのミュージックとのことだが、どこにもそのような表記は無い。またPelikan Book(新旧)にもMusic Nibはでていなかったはず。
しかし、真ん中のスリットが無い事から、Musicを意図して作られたニブには間違いはない。いったい何物だろう?
切り割りは手作業で行ったとみえて、かなり左右が不均等になっている。また真ん中が細過ぎて下にお辞儀しすぎている。
こちらは横顔。ペン芯は通常のペン芯と思われるが、ペン先は異様にお辞儀している。しかも左右のお辞儀具合が異なっている。
これは書き味を気にする人には使いこなせないペン先じゃな。筆圧をかけて思いどおりの線幅が稼げればそれで良い!という人向け。
しかもどうやら左右と真ん中とではペンポイントの厚みも異なっている。
それがこちら。相当に段差があるが、真ん中部分を少し反らせて、腹がピッタリと合う状態にしても背中側は2割以上真ん中が薄い。
前から見ると、腹は合っているが、背中が窪んでいる状態。本当に純正品かいなぁ・・・と疑いたくもなる。
ただ・・・ペンポイントの材質や研磨の仕方はオリジナルとまったく同じ!ここまで手作りで真似は出来ないだろう。新発見のニブかも?
ただし、どうやら400NNのペン先ではない。左画像の上はPelikan 140のペン先。400NNのペン先はこれよりも長い。
その140用のペン先とまったく同じ大きさ。特に左側の○から端までの距離が140用ペン先と同じと言うことは、これも140用のペン先であろう。
右画像の上がPelikan 400NN用のペン芯で、中央がPelikan 140用のペン芯。そして一番下が今回のペン芯。
多少の違いはあるが、Pelikan 140用のペン芯に乗っていたということになる。
Pelikan 140用のペン芯に乗っていた、Pelikan 140と同じ形状のペン先であれば、Pelikan 140用のペン先ユニットを400NNに移植したと考えられる。
また、ソケットは左画像の上側・右のもの。これは400NNの後期モデルに付いていた、すぐに割れる粗悪透明ソケット。いままで見た物の100%が割れていた。
今回も割れている。ペン先とペン芯を挟んで左に回した際に、カラ廻りするようなら、まずこのソケットが使われていると考えて間違いない。
一番良いのは上段左側のエボナイト製ソケットなのだが、これは業界的に品薄で市場に出て来ない。拙者も資料用に一個持っているだけ。
幸いなことに現行のソケットと互換性があるので、安いM200の中古品などを入手して、そこからソケットを移植するのが得策。現行の新しいソケットの方が出来は良い!
健康診断の結果、ソケット移植が必要であるという結論に達した。
あとはドナーたるべき現行品のM200やM400用のソケットの入手を待つばかりじゃ!それさえ入手出来れば移植手術は直ぐに終わる!