2022年10月26日

ひと昔前のカタログ 【アウロラ】 アーカイブ 2007年2月

2007年当時の記事だが、今考えれば赤面物じゃ。

拙者がM&AかけるならViscntiと書いてある。

この会社は創業者であり万年筆コレクターだったダンテ・デル・ヴェッキオ氏が全てを決定していた会社。そういう会社を買収しても意味は無い。

M&Aの時に考慮すべきは耳障りの良いブランド名ではなく顧客数やブランド価値(高品質品を作っているイメージ)。

以前にソフトバンクのM&Aを担当していた人に聞いたが、企業買収時に考えるのは技術力ではなく、何人の顧客情報を持っているかだと。

買収した会社から技術者が抜けてしまったら技術は落ちるが、顧客情報の価値は落ちない。グループ全体の戦略に使える・・・もちろん個人情報保護法以前の話ですがね。

Viscontiを買収しても、技術者であるダンテ・デル・ヴェッキオ氏が抜ければ継続的に良い製品は作れない。会社にノウハウが残っているかどうかが問題。

ひとりの人間のセンスに依存している会社をM&Aしても意味は無いということだ。

現にダンテ・デル・ヴェッキオ氏は2016年12月にViscontiを去り、その後、ピナイダーに移って画期的機構の万年筆製作に携わっていると聞いた。

http://www.europassion.co.jp/visconti/about.html

上記のように現在のViscontiは時計も作っているが、参入は2013年。まだダンテ・デル・ヴェッキオ氏が会社にいる間の出来事。

この決定が彼を追い詰めたのかもしれない。イタリアは不況のどん底だった時代だからな・・・

その点、AURORAは古くから万年筆を作っている会社なので、市場の変化に合わせて作る万年筆を変えられる技術が会社に蓄積されていたということだろう。

Hastilの時代とはまったく異なったターゲットに向けて万年筆を作っているようだ。

Hastilはスマートなビジネスマンが胸ポケットから出してサインするためだけに存在するような万年筆だったが、今や・・・以下略

バーメイル軸に純正漆をあしらったテッシー(ボールペン)をJetstreamで作ってくれたら、再びスーツで生活してみたいと思うがな。

現代の筆記具には〔ビジネスマンが使っていてかっこいい〕スマートさを持つ物は非常に少ない。あまりに装飾過度かあまりにシンプルなものの両極端。

拙者が 
Otto Hutt design04 押しなのは、まさにビジネスマンの道具というセンスにあふれているからじゃ。

ビジネスシーンでは高価な限定品や装飾過多の筆記具は目障り。持ち手を有能でかっこよく見せるのが第一目的。

従って持ち主より目立っちゃいけない。でも高品質でそれなりに高価であり、そこそこの長さも必要。持ち手を有能と見せるにはそういう筆記具を選ばなくてはな。

Hastilはまさにそういう道具だったし、現代では Otto Hutt design04  がそういう筆記具の筆頭だろう。

持ち主を
有能だと思わせる雰囲気を持ちつつ、持ち主より目立たない筆記具
Hastil や Otto Hutt design04  を持ってみればその理由がわかります。



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この時代のアウロラは、日本市場においては単なる弱小企業のイメージでしかなかった。

本国でも同じような状態ではなかったのかなぁ・・・

拙者がHastilを購入したのは1986年くらいだと思うが、その時の殺し文句が【ニューヨーク近代美術館に永久保存された万年筆】というもの。

勝手に永久保存された万年筆はHastilだけだと考えていたが、正確には【筆記具として初めて永久保存された】ということ。

他にも保存されている万年筆はあると聞いている。


アウロラがグングン存在感を伸ばし始めたのは、88とオプティマを投入してから。軸色の美しさから一気に市場に受け入れられた。

時を同じくして数々の伊太利亜新興ブランドが美しい万年筆を作って市場参入を果たした。

EU圏が確立し、域内貿易関税が撤廃され、一気に各国の製品が縦横無尽に流通し始めた事も拍車をかけたのかもしれない。

同時にM&Aが活発になり、万年筆ブランドの売り買いも活性化された。結果として筆記具が中心ではないブランドと化したMontblancなども・・・

これが経済圏確立の光と影かもしれない。もし拙者がM&Aをかけるとすれば、ブランドの【音】として魅力的な【ヴィスコンティ】じゃな。

この耳障りの良いブランドをMontblancと同じような拡がりのある商品ラインナップにする・・・

忘れてならないのは万年筆素材の高級化によるイメージアップ。まずはペン芯をエボナイト製にもどす・・・だめかな?

この時代の珠玉の逸品はボールペンの【テッシー・ラッカー】じゃ。拙者は緑しか持っていないが、まさに宝石のように美しい。

概してヨーロッパ系のインクは青色が美しく、黒が悪い・・・と言われていた。

青が美しいのは今でもそうだが、黒もカランダッシュを筆頭にすばらしいものが出てきた。

やはり市場がメーカーを育てるのだ。爛熟市場では良い製品が出る!はやく日本の万年筆界でも爛熟を再現せねばな。



Posted by pelikan_1931 at 23:59│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック