2022年11月05日

【 Montblanc No.1464 18K-M ペン先から落下! 】アーカイブ 2007年12月

ペン先曲がりの調整には、今でもこのゴムブロックを使うことがある。ただし7僂任呂覆5僂諒。

なんせ重さが36%程度なので遠征ペンクリには重宝している。

もっと大きな曲がりがあるときにはヤットコを使うが、横への曲がりの修整にはこちらの方がペン先に無理がかからない。

ゴムと0.8个箸いηいスキマゲージと柔らかい割り箸ならペン先にかかる力も弱いのでお奨めじゃ。



2007-12-31 01今回は依頼品ではない。拙者の萬年筆。猿はめったに木から落ちないが、拙者は頻繁に万年筆を落下させる。

今回のNo.1464はズミルクスさんとの物々交換を通じて入手したものじゃ。

キャップが後ろに挿さらないので【Artist Colour】をキャップ内側に塗ってみたりしていたが、頻繁に塗る必要があり、結局は面倒でやめてしまった。

かわりにキャップを外して書くことにした。そうして初めて気付いたのは、重い万年筆はキャップを外しても書きやすい!ということ。

当然、多少首軸よりを握ることになり、ペンが立ってしまう。

ところが中字程度の字巾であれば、ペンが立つことによって、ペンの自重でペン先が押しつけられるため、書き出しの掠れが全く発生しなくなった。

キャップを後ろに挿していた時には、金属部分を握っていたが、キャップを嵌めない場合には首軸のネジのあたりに指をかける。

この個体に限っては、その位置が一番書きやすくなるように調整を変えたせいか、実にここち良く使っていた。

ところが、どうも最近、ガリガリとひっかかる感じがするなぁ・・・と思ってペン先をルーペで確認して驚いた。


2007-12-31 02ペ、ペン先が曲がってる! なんじゃこりゃー!


自分のペン先は常に完璧!と考えていたので、すぐには状況が受け入れられない。

この萬年筆は持ち歩くことがほとんど無いので、誰かにやられたわけではない・・・

う〜ん・・・・と考えていたら、先日、スキャナーに乗せて萬年筆目録を作っていたとき、パソコンのキーボードの上に落としたのを思い出した。

キーがガシャ!と鳴っただけだったので、萬年筆に問題が発生するなんて考えもしなくて、PCの方ばかりチェックしていた。



2007-12-31 03しかし、こんな無惨な形状になっていたとは!重い万年筆は、どう落ちてもダメージは大きい。

画像で確認する限りは、ペン先の右側から落下したと思われる。スリットが先端近くで最も拡がる形になってしまっている。

たしかにこれなら書き味は悪かろう・・・が、人間の感覚なんてあてにならないもの。

こうなった状態で2週間ほど毎日使っていて、【最近書き味悪いなぁ・・・調整戻りかなぁ・・・】くらいにしか感じなかった。

ダメ出しの女王の調整をする際には、指の感覚が超鋭敏モードになるのだが、自分の普段の筆記では、この画像の状態でも、さほど気にならなかったとはな!


2007-12-31 04こちらは横顔。多少安心した。上下方向の曲がりは極めて少ない。上から見て右側のペンポイントが左側より多少上にズレ手入る程度。

過去に何度も紹介してきた【曲がりの修正】から考えれば変形は少ない。

まずはペン先を首軸からたたき出して、形状の確認から。思わぬ所に無理が生じている可能性もあるでな。


2007-12-31 05素通しインク窓、エボナイト製ペン芯の時代であっても、既にペン先のコストカットは始まっていたようじゃな。

1992年春のメディチの時には、既にペン先のコストカットは始まっていた。

同時期のNo.149でも同様のペン先根元のくり抜きがあった事から考えれば、1991年からコストカット開始ではないかな?



2007-12-31 06こちらが拡大図。どうやらスリットの左側には問題が無く、右側の曲がりが左側を押して、全体として曲がって見えるだけのようじゃ。

これなら修理は一瞬で終了するはず。

修理に際して完璧を期すなら、ルーペだけに頼らず、スキャナーで拡大してから確認する方がよい。

立体的に見えるルーペでは問題の本質を見落とす可能性もある。

また中心点を少しでもはずすと周囲が歪んで見えるのでミスジャッジする可能性が高い。

自分で修理し、なおかつ時間が十分にある時には、まずはスキャナーでじっくりと状況確認した方が良い。

頭がカーっとした状態が調整作業には最もまずい結果を及ぼす。

ペン先を曲げてしまったり、調整失敗した場合、あわててその場で元に戻そうと焦ってはいけない。

まずは正確な状況確認が必要。確認している内に冷静になってくる。早合点とあせりが調整の大敵!

何本もオシャカにしてきた拙者が言うのだから間違いない・・・自慢にはならないが・・・


2007-12-31 07ではペン先の曲がりを戻す為に必要な機材のセットのしかた。

東急ハンズで売っている7兒擁のゴムの立方体の上に、スキマゲージの0.08个里發里鬟董璽廚埜把蠅垢襦スキマゲージは斜めにセットするのがコツ。

この斜めの部分にペン先のスリット部分を噛ませて曲がった方のペン先が上側に来るようにし、割り箸を削った先端で適度な力で押す。

毎回ルーペで確認しながら少しずつ力を加えて加減を知るのじゃ。拙者は既に力加減を体得しているので、一瞬で終わり・・・


2007-12-31 08こちらが曲がりが戻った状態。曲がる前と区別が付かないほどなのがわかろう。竹製の割り箸先端で押す時間は合計でも20秒ほどかな。

実際には左右の曲がりよりも上下の曲がりの方が作業量は圧倒的に多い。

上下に曲がった場合、ペン先が波打ってしまう。それを消す為に相当長時間の磨きが必要となるからじゃ。


2007-12-31 09こちらが修理後のペン先の拡大図。ちゃんと腹開きになっている様子がわかろう。実に書き味がよい。

ところがこのペン先をルーペで見ると、まだ左側に曲がって見える。実はそれは眼の錯覚。

スリットの右側の方がペンポイントの根元に至るまでの幅が若干広いので、曲がって見えるのじゃ。

だからこそ、人間の眼だけに頼らず、機械も利用して正確な判断をしなければならないのじゃ。今回、あらためてそう感じた。



【 今回執筆時間:6.0時間 】 画像準備1.5h 調整2.5h 執筆2.0h

画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間  



Posted by pelikan_1931 at 23:59│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック