2023年01月30日

〔 パイロット会社案内 その15〕アーカイブ 2006年7月

この記事を書いた後、パイロットも回転吸入式を出した。それがパイロット・カスタム・ヘリテイジ 92。

今でも14金ペン先付きで税込み16,500円というのはお買い得。必要十分な設計なので面白みは全くないがな。

もはや万年筆を使う世代は若者層に移行している。従って伺い状も電子化出来るのではないかな?

一定のタイミングでメールが送られてきて、そのURLをクリックしてアンケートに答えると抽選で何かが当たるとか・・・

そういうのがあればアンケート嫌いの拙者でもせっせと回答するかもな。

ただ、この場合、既にお嫁に出していた場合には、そのことを伝えると、次回からはお伺い状メールが来ないようにして欲しいな。





2006-07-27 Pilot 32今回が15回続いたパイロット会社案内の最終回。それにしても膨大な内容の会社案内だった。

その前に、【紙物コレクター】よりの情報が入った。

要約すると・・・・大正12年ごろには、1ヶ月、半年、1年、1年半、2年、3年、4年、5年の計8枚発送。

これがだんだん減ってゆき、昭和10年頃は4枚、戦後は2枚から1枚。平成13年頃まで続いた。ここ2〜3年は個人情報の問題で止めたらしい・・・・とか。

ものすごくお客様を大事にしていたのだと、改めて感激!ちなみに伺い状は葉書形式。

パイロットタイムスに記載された記事をまとめて【萬年筆と科学】がつくられたのかな?逆かな? 

販売店に対する技術移転をも目的としていたようだが、完璧に理解していた店主は少なかったろう。

完璧に理解していたら金ペン堂やフルハルターのような店がどこにでもあるはずじゃ・・・

ペン習字倶楽部は今でもある。その昔、拙者の母も通信教育でやっていた。ただし万年筆は使っていなかったな。拙者が小学校2年生のころの話。

わかくさ通信の主たる目的は【会員相互間の親睦を高めること】とか・・・フェンテ交流会やペントレ、WAGNERの先駆け!

上の頁と下の最終頁との間には、福利厚生施設や初任給の情報を示した3頁が挟まれている。

万年筆とは直接関係無いので省いたが、当時のパイロットの大卒初任給が18,100円。

当時サラリーマンをしていた拙者の父の手取りが3万円で、村一番の金持ちだった・・・ことから考えれば、相当の初任給ではなかったのかな?

営業職はこれ以外にも様々な特典があったと聞いた。時代の最先端を行く企業だったのだろう。


2006-07-27 Pilot 33最終頁のこの絵は迫力がある!戦争で焼失したが、同じ画家によって再度描かれたとか。それほど和田氏、並木氏の志を伝えようとしたのだろう。

【時が移り、人が変わろうとも、このパイロットの伝統精神は、必ず後世の社員に受け継がれることでしょう】と結んである。

万年筆全盛期に描かれたこの絵の精神が、現在のパイロット社にどれくらい影響を与えているのかはわからないが・・・

和田、並木両氏の魂が乗り移ったような絵の瞳には感動を覚えてしまう。

パイロット社もデザイナーの世代交代が進み、最近では非常に野心的な製品も出てくるようになった。

これからも眼がはなせない。プランジャー式も良いが、出来れば回転吸入式を作って欲しいものじゃ。尾栓を緩めたまま書くという行為にはどうしてもなじめないでな。


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Posted by pelikan_1931 at 23:59│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック