この数式から立案できる戦略はコマーシャルとセットメニューのみ。
コマーシャルで一時的な客数を伸ばし、セットメニューでひとり当たりの購入単価を増やすだけ。
これだと味を良くするという評価項目が無い。
従って、来店経験者数 × 来店頻度 × 客単価 と表現した方がわかりやすい。
これだと
☆来店したことのある人を増やす戦略(TVコマーシャルなど)
☆もう一度行ってみたいと思わせる味や店の雰囲気を良くする戦略、あるいはポイントカード/割引券戦略
☆訪問したお客様により高いお金を払っていただくお得セット戦略
に分ければ、今回の施策はどこを狙ったものかを明確に出来、結果として効果を把握しやすい。
それを万年筆に当てはめたのが下のBlogにある数式で、より正確に書くと
万年筆を持っている人数 × ひとり当たり購入済本数 × 単価 を最大化するのが業界の戦略だろう。
ひとり当たり購入済本数を増やす戦略は、毎年色違い軸を出すLamyの戦略に代表される。既存顧客に毎年買わせる戦略。あるいは新しい研ぎを毎年投入することなど。
単価を上げる戦略は少し変わった装飾を付けて値段に見合う付加価値を上げる・・・蒔絵戦略じゃな。
そして万年筆を持ったことのある人の数を増やすのが一番難しい。それには万年筆の魅力をわかってもらう必要がある。
ここは、他の分野で影響力を持つインフルエンサーに万年筆の魅力を語ってもらうことに尽きると思う。
コレクターは、市場を小さくしていた方が珍品が散逸しないし、安く購入出来るので、業界売上が大きくなるのを好まない傾向がある。
今、一番万年筆を使う人を増やす戦略に貢献しているのはインクだろう。
万年筆を購入する女子が増えてきているが、集めたインクを消費する手段としての万年筆に目覚めた人も少なくないようだ。
この人たちの何人かが、毎年万年筆を買うような行動に移れば売上は上がるだろう。
彼女たちにとっては万年筆はアクセサリーのようなもの。昭和紳士の三種の神器よりももう少し軽いピアスのような存在。
従って女性が持って美しいと思える筆記具である必要がある。
書斎館がオープンしたとき、書いている手を手鏡で見せながら、似合うでしょ!とか、お洋服にピッタリ!とか言って売ったのは今考えれば正解だったな。
なんせ名称が〔ペン・ブティック書斎館〕だったもんなぁ〜





前回の【ドイツのドイツ】で話題になったカタログの後半部分がこれ。右の2枚は三つ折のカタログに追加で挿しこまれていたものじゃ。
どうもペリカン社は制限をかけない限りどんどんモデル数を増やしていく傾向があるようじゃ。 今でもモデル数が異様に多い気がする。
万年筆の利用者が無限にいて、値段で販売数が変わるような場合にはモデル数を減らして合理化したほうが良い。
逆に万年筆を使う人の数が限定的であるならば、値段を上げて、種類を増やさざるを得ない。
万年筆の売上げを数式で表すと
売上げ = 万年筆単価 × 購入者人数 × 1人当たり購入本数
じゃ。
従って単価を上げる戦略、購入者人数を増やす戦略、1人当たり購入本数を増やす戦略がある。
【限定品乱発戦略】は1人当たり購入本数増ねらい。決して単価アップではない。
そしてBlog活動は【購入者数】を底上げする戦略じゃ。間違って購入本数を増やすことの無いようにな・・・・って手遅れか・・・ _| ̄|○
ちなみにSheafferのノンナンセンスなどの安価万年筆は、裾野を広げるのに一時は役立った。
ただそもそもの書き味が悪いと継続は難しい。その点、【赤と黒】や【ミニ檸檬】は書き味もそこそこ良かったので万年筆市場拡大に役に大いに立っているはずじゃ。
【単価アップ】の戦略は華美な装飾を施すことじゃろう。
挿入された1枚にも面白い表現がある・・・
【ペリカン万年筆。名品と呼ばれて130年。きまじめに磨きあげた書き味。しなやかさの中にきりっとしまりがあります。】
コピーライターは【ペリカンが創業と同時に万年筆を作り始めた】と勘違いしている事は明白じゃ。この部分は笑える。
しかし、【しなやかさの中にきりっとしまりがあります】というのはM30クラスの書き味を表現するのにピッタリ!
すなわちコピーライターは、実際にM30?を使って散々字を書いた上で、このコピーをひねり出したと思われる。立派じゃ!
文章やコピーは恐ろしい。たった1〜2行で、どの部分を手抜きしているかとか、仕事のやり方まで見透かされてしまう・・・
もっとも、そんなことを気にしていたらBlogなんぞ書けないので、お許しを。多少ボケが入ってきているのでな・・・ヨボヨボ