当時の万年筆の新製品サイクルから考えれば、ル・マン100の登場直前のカタログと考えて良い。
驚いた事に、ウォーターミナよりもCFやDGの方が格上だったようだ。書き味というか、才能ではウォーターミナが一歩リードしていたのは事実だがな。
この価格帯では売れないと思うのだが、バンバン売れたと長崎のマツヤ万年筆病院の主はおっしゃっていた。やっぱり長崎は景気が良かったのだろうな。

年代と販売価格が特定出来るという意味では、写真だけのカタログよりは資料としての価値は高い。
製品番号と対応する写真は下にLinkを張ってある2006年8月22日の投稿に出ておる。価格もほとんど同一じゃ。
このカタログを見てやっとわかった。以前アメ横を徘徊していたころ、いくら捜してもWaterman CFシリーズのBニブを見つける事が出来なかった。
何のことはない、EFとFしか輸入していなかったのじゃ!
それにしても1979年の時点で、インク・ボトルが800円、CFコンバーターが1200円というのはいかにも高いな。
フランス製は高い!という雰囲気はたしかにあった・・・が、Waterman てどうみても仏蘭西語ではない。バリバリの英語。
非常な違和感があった。ただし、当時はまだ垢抜けたモデルはカルティエとかデュポンとウォーターマンにしか存在しなかった。
拙者は垢抜けたデザインに憧れていたので、それらのブランドにばかり惹かれていた。
時を経て、現在となってはCFのカートリッジもコンバーターも手に入らず、いま持っているCFコンバーターが朽ち果てたらどうしよう?という不安から使わないままになっておる。
ウォーターミナは書きやすい万年筆だったが、CFは格好だけ!ただし、もし太字のニブが手に入っていたら評価は変わっていたかもしれない。
ちなみに、長崎のマツヤ万年筆病院を訪問した際、部品取り用として66CRのクロコダイルが店頭においてあった。聞けば、ずいぶん売れたのだとか。
長崎という町は文化度が高いようで、現在でも万年筆もずいぶんと売れている。
また拙者が訪問した日に、カランダッシュのボールペン(銀貼り:定価1万円)を翌日までに150本届けられるか?という問い合わせが入った。
ほんの2〜3分で【OKで〜す】という返事をされていた。何と店に在庫があった!
進水式とかで100本単位の注文はざらにあるので、在庫は切らせられないのだとか。スケールが違う世界じゃ。
近い将来、日本中にそういうムーブをおこしたいものじゃ。ただし万年筆でな!