

拙者は頻繁に飛行機を利用するが、昔からマイルの使い道がよくわからないままなので、乗る航空会社は一定していない。
体が入る大きさならば、どの航空会社でもOk牧場。決定要因は都合の良い時刻に到着するかどうか。
とはいえ、一番頻繁に行くのは神戸空港なので、ANAが圧倒的に多い。
昨日の萬年筆研究会【WAGNER】北海道地区大会@札幌では、ひさしぶりにJALを利用した。
最近、ANAでは座席に機内誌を置いていないのだが、JALには置いてあるなぁとパラパラとめくっていたらセーラーの記事が目に入った。
上の画像で右側が最初の頁で、左側が2頁目。もちろん関係のある箇所のみカットしての掲載。
カットした部分には、2022年の秋に新工場が完成し、工場見学も開始予定とある。これは(あの世に行く前に)1度は訪問せねばな!
左側の頁には書いた記者の誤解による表現がある。
〔金の含有量が多いほどペン先がしなり、柔らかく書けるのだという〕
これは明らかに記者が思い込みで書いた文章だ。金の含有量が多くなると相対的に弾力は少なくなりしなりにくくなる。
ペン先が厚いとしなりは少ないし、鍛造すればしなりは増す。
鍛造した万年筆を販売していたセーラーの取締役や工場長がそんな発言するはずがない。
その後に書かれている工場長の話に金言が!
〔書く音からも違いはわかるんです〕
筆記検察室という無音の小部屋で最終のチェックをしているというのはさすが!
手と目と耳で書き味を確かめる・・・調整師の中にはわかっている人もいると思うが、実は耳が一番敏感に書き味を感知してくれる。
鋭さで行けば
耳 > 指の感覚 > 目 の順で、耳が一番敏感で目が一番鈍感。
そして人が大勢出入りしている店やイベントでのペンクリでは〔耳〕での感知が出来ない。人の話し声や雑音が多すぎるのじゃ。
拙者が万年筆談話室で調整していたとき、最期の書き味チェックの時には冷暖房を止めて無音状態で目をつぶってチェックしていたのを不思議に感じられただろうが・・・
実は耳で極小のひっかかりをチェックしていたのじゃ。
指作では感知できない微細なひっかかりも耳を使えば〔コリ〕っと聞こえる部分がある。そこを丸めれば調整は終了する!
自分のペースでしゃべりながらの調整は問題無いが、8の字旋回と仕上げ段階で話しかけられると調整にならない。
8の字旋回時は回数を数えているので話しかけられると時そばのように数を忘れる。
また最終の仕上げ段階で話しかけられると微細な音が聞こえなくて調整にならない。当然 ”静かにしんしゃい” と注意するので守ってね。
このセーラーの無音筆記検査室の話を聞いて、なぜ海外でセーラーの書き味に対する評価が高いのかがよくわかった。