2011年03月24日

改めて Montblanc No.149を考える・・・

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2011-03-24 01最近、自分の中でMontblanc No.149の位置づけが淡くなってきている。萬年筆に興味を持ち始めた頃には、恐れ多くてなかなか手を出せなかった萬年筆なのに・・・

自分の財布からお金を出して最初に(自分用に)購入した万年筆は、Watermanのル・マン100だった。その当時の定価は6万円。それだけのお金を出せば、No.149は買えたのだが、なんとなく最初の萬年筆がNo.149はないよなぁ・・・と思っていた。アメ横で購入したのだが、当初はNo.146を購入するつもりでいた。書き味比較でル・マン100を選んだのだが、No.146はFで、ル・マン100はMとなれば、書き味比べで勝てるわけも無かった。

そのル・マン100が頻繁にインク切れを起こしたことで、萬年筆に填まってしまったのだから、感謝せねばならないのかもしれない。もしNo.146の書き味が秀逸であれば、いまだに、その一本か、No.149を買い足すかで満足していたであろう。それほどまでにMontblanc No.149は拙者にとって特別な存在だった。

2011-03-24 032011-03-24 04いつ最初のNo.149を購入したのかに関して確かな記憶は無いのだが、おそらくは伊東屋。通常は14Kのペン先だが、伊東屋だけは仏蘭西輸出用の18金ペン先付きを回してもらっていると聞いて、フラフラと購入したのだと思う。当時は18金ペン先の方が、14金ペン先よりも柔らかくて高級品だと信じていた。ま、たしかに値段は14金ペン先付きよりは高かった。

購入したのはF付きで、お世辞にも良い書き味とは思われなかった。これをMontblancのサービスセンター(当時は浜松町の貿易センタービルの2階にあった)に持ち込んで調整してもらったのが、プロの調整に委ねた最初だったと思う。ただし、森山さんではなかった。

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2011-03-24 06その後、1950年代から現行品まで、おそらくは100本ほどのNo.149が拙者の目の前を通り過ぎていったが、現在手元にあるのは、8本しかない。しかも2本を除いては、つい最近入手した物ばかり。

改めてNo.149を使い込んでみようとしたのだが、トレド型の限定モデルやM800と比べると、どうしても使いにくい。何故なのかを考えてみたのだが、一番の理由はキャップが尻に挿さっている状態が不安定なこと。そして重心が不安定な感じがすることじゃ。後者についてはM800も同じような感じ。

やはりトレド型は重心位置が筆記中にブレないような感じがする。あの装飾は単なる豪華さのためではなく、重心位置のブレ(インクの移動)を最小限にする効果もあるのだなと実感。

No.149はキャップを後ろに挿さないで、首軸に近いところを握って、多少筆圧を強くしてガシガシと早書きするのには都合が良い。そういう意味では作家などものすごいスピードで筆記するヘビーライターには向いているのかもしれない。

拙者のような低筆圧の遅書き者には使いこなしが難しいかも・・・ただ、萬年筆としての造形と、ペン先とペン芯の密着性、安定性(ズレ無し)に関しては右に出るモノは無いと思う。ペンを紙に真横からたたきつけるように書いてもペン先の中央がズレないのもNo.149の特徴。特に1980年代から1990年頃までの14Kペン先付きモデルはすばらしい!

拙者にとっては、ヘロヘロペン先のNo.149は頼りなく感じてしまう。もし可能ならば萬年筆の特徴に合わせた書き方で、それぞれの萬年筆を使いたい。騎手が馬の能力を最大限に引き出す乗り方が出来るように・・・

  

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2011年01月27日

筆記具関連四方山話 【 OMAS Italia '90 14K-M 収縮してない! 】

2011-01-27 01ペン先がヘロヘロに柔らかいことで有名なOMAS ITALIA '90の三本セットを昨年末に入手。ペン先の柔らかさは魅力なのだが、ペン芯がユルユルになりやすいこと、金のリングがブカブカになってしまうこと・・・という大きな弱点があった。

事実、今回入手したペンシルとボールペンに関しては、金リングのエッジが指に当たって痛い。イボタ蝋の結晶を擦りつけるとゴリゴリと削れてしまう。その状態のままヒートガンで炙るとイボタ蝋が溶けて隙間で固まる。この作業を延々と続けていると、引っ掛かりが少なくなる。これで何とか使えるようにはななるのだが・・・いかんせん不細工。

2011-01-27 02それにひきかえ、万年筆では金属リングの浮きは一切無い。左画像中央の太いリングが浮いた例は無いのだが、細いリングは往々にして浮いている。しかしこの個体では浮きがない。奇跡のような状態で入手出来た。

この3本セットについては、1993年頃、NYのペンショップの閉店セールで出くわしたことがある。700ドル(当時のレートは現在より円高)程度だった。ただし毎日値引率が10%ずつ大きくなるというバーゲンだった。ここで欲を出して明日まで待とう・・・と思ったのが大失敗!とうとう入手出来なかった。
今回は見事に雪辱を果たしたことになるのだが、正直ペンシルとボールペは不要だった。ま、当時よりはかなり安かったので良しとしよう。

2011-01-27 032011-01-27 04ペン先には細かい傷がついている。ペン先の右側に多少削られたような痕がある。おそらくはどこかにぶつけたのであろう。

金一色ニブの場合、こういう傷は金磨きクロスですぐに修復できる。問題はペン先の抜差しをするとペン芯がグラグラするということなのだが、この個体ではそれも無い。ペン芯に一切インクに浸した形跡が無いので、おそらくは棚ズレ品(良く言えばデッドストック)であろう。

ペン先先端部の形状から、やや背開きニブであると思われる。すぐに直せるのだが、あまりに柔らかいニブなので、このまま書いても全く問題は無い。というか多少でも筆圧をかけるという認識がある人には使いこなせないほど柔らかい。今までに何本も使ったが、柔らか過ぎて原稿用紙一枚も書くと気疲れするほどじゃ。

2011-01-27 052011-01-27 06ペン芯とペン先の位置関係、ペン芯と首軸の位置関係も拙者の好みにドンピシャ!

さらにはペン先のスリットと胴軸の刻印が一直線上にあること、また、クリップをその刻印の位置に合せてキャップを締めていくと、丁度二回転でクリップは刻印の位置で止まる。まさに完全無欠のITALIA '90!

これより状態の良いITALIA '90はもう手に入らないかもしれないなぁ・・・そういえば座敷牢にあと3本入っているはずだが、リングはどうなっているのだろうか?まだ無事かな?怖くて確認出来ないぞ・・・
  
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2011年01月20日

筆記具関連四方山話 【 Pilot Custom Heritage 92 14K-BB 】

2011-01-20 01これ2011-01-20 02は昨年入手したパイロット・カスタムヘリテイジ 92!話題になった回転吸入式のもの。国産ではプラチナ、セーラーに次いでの回転吸入式への参入かな?もっともプラチナは現行品には回転吸入式はないが。

セーラーのプロフィット・レアロがすさまじい旋風を起こしたのと比較すると、わりと静かに市場に出てきた感じがする。

しかし実は、このヘリテイジ 92はすごい!パイロットの技術陣が密かに【おまえらわかるかなぁ?】と萬年筆愛好家に挑戦状をたたきつけているような感じを受けた。

いちばん強い印象を受けたのは、回転吸入式をスケルトンでぶつけてきたこと。機構によほど自信が無いと日本でスケルトンを出すのは厳しい。

日本人は、海外製万年筆の品質には甘いが国産には厳しいので、首軸のインク滲み、やインナーキャップとキャップの間へのインクの滲みが気になってしまう。

過去にスケルトンで出したパイロット823では、インナーキャップと首軸は黒で内部が見えないようになっていた。それを残念がる愛好家も多かった(まさか拙者1人と言うことはなかったはずだ・・・)が今回は、そこもスケルトンで挑戦してきた!

またピストンの弁がOリング一個!という冒険。実はマニアの間ではOリング一個がいちばん劣化に強いとはわかっていたのだが、見映えもあってまさかメーカーがこういう勝負を挑んでくるとは思いもよらなかった。

簡単に交換出来るのであれば、Oリング一個がピストンのガタツキに対する影響を受けにくい。見映えじゃなくて機能から考えたんだよ!という技術陣の声が聞こえてきそうじゃ。

次はピストン機構も透明軸に挑戦して欲しいな!回転吸入式でいちばん動きがみたい部分なので。もっとも透明素材は脆いので、トルクがかかる回転吸入部分には向かないのかもしれないが・・・

2011-01-20 032011-01-20 062011-01-20 042011-01-20 05ン先はBB。これはヘリテイジ 91から移植した。まだ未調整なのでスリットは詰まっているが、ちびっとスリット調整すればヌラヌラのインクフローになる。

国産三社の萬年筆に関しては研磨は不要。インクフローの好みだけ合わせれば拙者にとっては問題は無い。

スケルトン萬年筆にインクを入れて使うのには抵抗があるが、このヘリテイジ 92に関してはどこまでシーリングが効いているのか試してみたい気もする。いずれにせよ、もう一セット入手してからじゃな。

これで首軸が外せたり、回転吸入機構をはずす部品が付属していたりすれば、3万円でも高くないでしょう。TWSBIとは比べものにならない精度はあるので、後はどれだけ利用者のニーズに近づけるかが勝負。

今回工具を付属させていないのは、パイロットの自信の表れであることは確か。分解器具が無くてもインクは後ろに回りません!ということであろう。

しかし、それでも分解してみたい!というのが中学生くらいの男の子の気持ちではないかな?オッサンでさえそう思うくらいだから。

事実、拙者が小学校高学年から中学生の頃は、回り中の友人が身の回りにあるものをことごとく分解して壊していた。壊しては怒られ、また、買ってもらい、また壊して怒られ・・・それの繰り返しから壊さない分解のしかたを覚えたのじゃよ。
  
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2011年01月13日

筆記具関連四方山話 【 Sheaffer スリムタルガ アイボリー軸 14K-B 】

2011-01-13 01本日紹介するのはスリムタルガ(別称:タルガスリム)のアイボリー軸。まだ萬年筆を集め始めたばかりのころ、タルガに惚れて全種類を集めようと片っ端から買った事がある。日本だけでは飽きたらず米国までお買い物にも行った。

その際、タルガの奥深さを知り早々にタルガからは撤退し、タルガ熱も冷めてしまった。ところが独逸のオークションでCP1を安く手に入れたころから微熱が再発した。

2011-01-13 02実は日本市場ではタルガとスリムタルガは同じ値段で販売されていた時期があった。従ってスリムタルガに対しては、【金の量が少ないのに同じ値段なのは許せない!】という気持ちがあり手を出していなかった。

今考えればそれは正解だった。既にスリムタルガ用のコンバーターは廃盤、また、専用カートリッジも廃盤となった。すなわちインクを補給できない萬年筆に成り下がってしまったのじゃ。

ところが、ミニ檸檬騒動の時に発見されたモンテヴェルディのミニコンバーターがスリムタルガに合致することが分かり入手してみたのだが、やはり細字では使い道がないとお嫁にやった。

2011-01-13 032011-01-13 05ところが半年ほど前からスリムタルガのBニブがeBayに大量に出回った。おそらくはデッドストック。既にタルガのBニブは、WAGNER 2009 SP2(CP1)の時に、ランブロー氏に米国中を探し回って集めたせいもあり、ほとんどオークションには出てこなくなった。

2011-01-13 042011-01-13 06しかるにスリムタルガではまだまだ尽きてはいなかったらしい!いろいろ軸色を検討していたら、このアイボリーに出会った!これは行くしかない。ほかの軸と比べて多少高いなと思ったが出会い頭勝負を逡巡して失敗すると後悔は大きい!

当然、金属製の専用コンバーターも装填されている。実はBニブ、コンバーター、アイボリー軸は、それぞれ別個に3本購入した物からまとめ上げて一本にした。すなわち、アイボリー軸+Bニブ+専用コンバーターは三本のスリムタルガから組み上がった究極のスリムタルガとなった!

これで拙者の欲しいタルガは、あと一本のみとなった。それはハロッズ限定モデル。どっかで見かけたら連絡下され。棺桶に入るまでには使って見たいモデルなのじゃ。1993年にFPHで見かけて明後日買おうと思ったら、翌日売れてしまっていた・・・・このままでは天国に行けない!ただしMintでないとダメじゃよ。

  
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2011年01月06日

筆記具関連四方山話 【 TWSBI Diamond 530 ちょっと変態してみました・・・ 】

2011-01-06 01本日は、多少変態(昆虫のそれに近い)をしたTWSBIを紹介しよう。いずれも変態してはや一ヶ月以上たつ。なんの問題も生じなかったのでここに紹介することにした。

やっとeBayでも発売が開始されたTWSBIのカラー軸。今回はオレンジ軸(黄軸?)と赤軸を変態させてみたモノの経過報告じゃ。

2011-01-06 02まるで透明の液体を入れたかのような状態。インクの透明度が高いのでこういう状態に見える。

通常の回転吸入動作をしてもある程度空気が残ってしまうのがDiamond 530の弱点なのだが、それを補完する仕組みも持っている。首軸を外して胴軸に直接注射器でインクを入れることが出来るようになっている。実際そうやってインクを吸入出来る専用ボトルも既に設計されている。

ずっと前から、吸入時に首軸に付着するインクを拭うのがもったいないなぁ・・・と思っていたのだが、この方式を使えばそれが見事に解消される。

Pilotではハート穴までをインクに浸せば吸入は出来るのだが、上からインク瓶を覗き込んでいても、はたしてハート穴まで浸されているのかは見えないのじゃ。結局は安全のため首軸まで浸してあとで拭っている・・・

吸入後に注射器を洗うという作業が残るが、不思議と苦にならない。これは、小さい頃からお医者さんごっこに勤しんでいたからかな?またインク瓶内に雑菌を持ち込む確率も格段に減ってくる。

2011-01-06 03このペン先はTWSBI Diamond 530に標準でついているMニブ。多少インクフローを改善させてはいるが、研磨は一切施していない。

ペン先を見れば想像がつくかもしれないが、これには黄色のインクを入れている。そうPelikanの蛍光インクじゃ。本来専用の萬年筆が準備されていたのだが、ありきたりでおもしろくないのと、拙者の筆圧では軸が軽すぎて疲れてしまう。

2011-01-06 04それで試しにDiamond 530に入れて使っているのだが、実に具合がよい。BBではなくMなので比較的細い線になるが、
けっこう明るい色なので白い紙の上では十分に目立つ!特に、日常的に多用している相馬屋の原稿用紙との相性が良い。

固まった時に何で溶かせるのかが不明なので、構造の複雑なパイロットやセーラーのペン芯では試せない。このTWSBIの単純明快なペン芯(清掃しやすい)だからこそ出来る冒険だったが、冬場の1ヶ月間の使用では問題は発生していない。使用頻度は毎日5分低度。これが夏場に一週間放置しても大丈夫か?がわかれば大手を振って推薦できるのだが、まだ実験段階じゃ。

2011-01-06 05もうひとつ実験しているのがこちら。こちらはiroshizukuの山葡萄で書いた。この筆記感覚はまさに夢のよう。

関西の【良識あるヘンタイ倶楽部】の間ではやっている遊びだが確かにすばらしい。

2011-01-06 06まずはTWSBI Diamondの新ピストン弁だが、何度か注射器で吸入を繰り返すほど使っているが、インクが弁から後ろにはまったく回っていない。ほぼ完璧にインクをブロックしている。これが吸入作業を繰り返していたらどうなったかは不明。注射器で注入する方式だから大丈夫なのかもしれない。

もっともそういう場合でも分解工具が付属しているDiamond 530なので、清掃すれば良いだけ。たしかに良くできている!

2011-01-06 072011-01-06 08ミソは何かと言えば、Pilot ヘリテイジ91から14金ペン先を移植していること。最初にこれを見たときには【素人がぁ~】と半ばあきれていたのだが、まったく問題がないとの意見を聞き、半信半疑で試してみた。

通常、スチール製ペン先の方が金ペン先よりも肉厚なので、ペン先を入れ替えるとスカスカになってしまう。またペン芯とペン先のカーブの違いからペン先が左右にぐらついたり、ペン先とペン芯の先端部との間に隙間が出来たりと、ろくな事にはならない。

従ってそういうお遊びは、ラピタのおまけで卒業していたつもりだったのだが・・・今回ははまった!

Diamond 530のペン芯にはペン先の位置を固定するストッパーがあるのだが、それがパイロットの5号ペン先とピッタリマッチする。またペン先とペン芯の間にも隙間は出来ず、ぐらつきもない。適合性はパーフェクト!

もちろんペン芯の性能はPilotの方が遙かに優れているので、胸に挿して持ち運んだ場合のトラブルは十分ありうる。特にインクが少なくなってきた場合は要注意!そして冬場はさらに注意!拙者の場合は机の上でしか使わないので問題なし!

2011-01-06 092011-01-06 10なんといっても筆圧の低い拙者にとっては、軸が重いTWSBI Diamond 530の方が筆記が楽。筆圧無しでも軸の重みでインクがにゅるにゅると出てくる。

ペン芯が違うので、当初ペン先を移植した段階では、多少カリカリとエッジが紙に当たったが、ペーパーでスリスリと5~6回やるだけでエッジは取れた。

オリジナルのTWSBI Diamond 530と書き比べてみると、金ペン先とスチールペン先の潜在能力の違いを実感できる。というかPilotの5号ペン先はすごい!

どうせなら全ペン先をTWSBI Diamond 530で試してみたい!ということでさっそく追加で8本のヘリテイジ91を注文した。予感としてはSFかSFMあたりが拙者との適合性が良いような気がする。

ちなみにTWSBIのペン先をヘリテイジ91に挿してもユルユルでダメですよぅ!ペン先の根元の幅が違います。それにペン先ダウングレイドは拙者の改造ポリシーに反しますからな。

そういえば改造大魔王が、TWSBIですごいことをしているとの噂が・・・見たいなぁ。
  
Posted by pelikan_1931 at 10:30Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2010年12月02日

筆記具関連四方山話 【 マリオの自主研究 】

WAGNER 自主研究レポート

報告者:会員No.01127 / マリオ 作成日:2010/11/27

1)はじめに
入会させて頂きまだ日も浅く、万年筆についても高みに堕ちるレベルにはまだまだと自覚しておりますが、たまたま金属切削加工を中心とした製造業に身を置く者として、何か自分の出来る範囲内で会への貢献が出来ないかと思い、ペン先を工業用拡大鏡で観察し、普段ルーペでしか見られない倍率を一気にx100 以上にしたらどうなるのか? というテーマでレポートする事で、会員各位の参考になればと思い報告させて頂きます。

また、今回は師匠チューニングモデルを調整のマスターピースとして、日々自己調整に精進されている方々に有るべき姿として目指すイメージを作る一助になれば幸いです。

2)使用機材と観察方法

(写真1)
2010-12-02 01① 使用機材
~ デジタルマイクロスコープとかデジタルファインスコープとか名称は様々であるが、光学レンズからの画像をファイバースコープを介してディスプレイで見たり、データとして取り込んだり、またデータを加工して3D 画像に変換したり出来る画像診断機。 電子部品(集積回路)のポインティングや素材の性状、加工面の仕上げ粗さなどを見る為に使用。(参考価格200 万~600 万円)

ア) オムロン社 デジタルファインスコープ VC3000(最大倍率 X3500)
イ) 使用レンズ X20~X160 ズームレンズ (部分拡散光フィルターを一部使用)
ウ) マウント 専用マイクロステージ(X 軸Y 軸Z 軸+チルト)
~百分の1ミリで縦横に検体をスライドさせる事が出来る台

② 観察方法
ア) 専用ステージ上に「計測用V ブロック」を置き、検体をマウント
イ) XY 軸でペン先位置を画面センターに置き Z 軸を使い低倍率からピント調整
ウ) 位置決め、ピン合わせ完了後ズームアップ(観察倍率 x160)
エ) ディスプレイを見て絞り量調整をし、撮影画像をJPEG データで保存

③ 観察風景
~M800 師匠チューニングモデルをレンズ側を筆記状態になるようにチルトで軸角度を付け、「紙の目線」でデータ取りしているところ

3)観察データ その1

   (写真2)
2010-12-02 02①マスターピースとしてのペリカンM800 黒軸 M ニブ 「師匠チューニングモデル」
~夏の中部大会で師匠から譲って頂いたもの。「良いモノは美しい」の通りの調整具合をご覧下さい。


②ポイントを 四方から観察する
ア) 裏表
2010-12-02 032010-12-02 04(写真3:上から見る) (写真4:軸側から見る)
~ 写真4ではスリット中央のモアレから、ペン先まで潤沢に水(インク)が来ている事が判ります。



(写真5)
2010-12-02 05イ)側面   
~破たんの無い局面の連続。美しい仕上げの状態をご覧下さい。



ウ)「美人角度は斜め45 度」

     (写真6)       (写真7)
2010-12-02 062010-12-02 07~スキャナーだと縦横からの画像が多いで、アイドル風に斜めからの画像にしたところ、更にその局面の連続する美しさが際立って見えました。



エ)先端方向&「紙の目線」
(写真8)     (写真9)    (写真10)
2010-12-02 092010-12-02 102010-12-02 08~写真8の先端方向からはこの装置は被写界深度が浅いので少し見づらくなってしまいました。
「紙の目線」とは実際に紙と接触する方向から見たらと言う単純な発想でしたが、写真10のようにインク(水)の潤沢な盛り上がりを見ていると、すぐにでも上質な紙を用意したくなります。

この検査機は取り込み画像で3D 表示が出来る機能も有るので、機会を見てレポートします。  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2010年10月29日

【 あなたの理想の万年筆を教えて下さい 】 結果発表!

【 あなたの理想の万年筆を教えて下さい 】 のアンケートに対し、493件の回答をいただきました!ありがとうございました。

簡単な集計結果をお知らせします。詳細は後日!

【1】ペン先の素材

  52%・・・18金
  42%・・・14金
  05%・・・チタン

  コメント:想定では14金の方が多いと考えていた。
        ペン先の弾力などは一般的には14金が上といわれている。
        最近の注目素材であるチタン。金より安いが、より軟らかいペン先作成が可能。まだ知名度は低かったらしい。


【2】ペン芯の素材
  69%・・・エボナイト
  23%・・・樹脂
  08%・・・漆塗り

  コメント:性能的には最新設計の樹脂製の方がはるかに上。ただしノスタルジーには勝てないかなぁ・・・
        また樹脂製のペン芯だけを特注で作ってくれるメーカーはまずない。
        ペン先ユニットとして提供してもらわねば性能が出ないので自由度は少ない分野。ただ漆を塗るという贅沢は可能。      


【3】キャップ・軸の素材
  32%・・・エボナイト
  24%・・・漆塗り
  17%・・・純銀
  15%・・・木材
  11%・・・マイカルタ

  コメント:木材はベースの樹脂に貼り付ける設計にしないと必ず割れる。それが木材の人気が延びなかった理由かも?
        ただ木軸に漆を塗る事で割れは防げる。木目を楽しむならこの方法もありかな?
        選択枝として、経年変化の激しいセルロイドは敢えて入れなかったがコメント欄に要望として入っていた。
        またカラフルな樹脂の要望も多かった。こちらはメーカーにお願い!


【4】クリップの有無
  77%・・・有り
  23%・・・無し

  コメント:これは聞いてみて良かったと思った。拙者ならクリップ無しにしてしまうであろう。
        クリップが全体のデザインをガタガタにしてしまうケースが多いのでなかなかクリップ付きには踏み込めない・・・

        WAGNER 2010 SP3 の蜻蛉クリップなどは大成功だったが。


【5】インクの吸入方式
  61%・・・回転吸入
  23%・・・コンバーター
  07%・・・プランジャー
  04%・・・インキ止め
  02%・・・カートリッジ専用
  02%・・・レバーフィラー

  コメント:これは予想通り。回転吸入機構は大量生産しないとコスト高になるので、メーカーにやっていただくしかなかろう。


【6】キャップの嵌り方
  37%・・・4条ネジ
  27%・・・3条ネジ
  15%・・・2条ネジ
  13%・・・嵌合
  04%・・・1条ネジ
  03%・・・スライド式

  コメント:これも聞いて良かった。次回はぜひスライド式で作ろうと考えていたが、人気はなかったらしい。


【7】値段
  29%・・・6万円
  22%・・・4万円
  18%・・・3万円
  11%・・・2万円
  10%・・・8万円
  10%・・・10万円以上

  コメント:もし5万円という選択枝を作ったら、そこに集中していたであろう。
        4万円以上が70%以上、6万円以上が約半分という結果は、メーカーに勇気を与えてくれるかも?


【8】長さ・太さ
  55%・・・Pelikan M800クラス
  25%・・・Pelikan M400クラス
  16%・・・Pelikan M1000クラス
  03%・・・Pelikan M300クラス

  コメント:これは予想通り。M800の大きさがもっとも人気が高いようじゃ。


【9】軸の色
  24%・・・黒
  17%・・・茶
  17%・・・青
  12%・・・マーブル
  11%・・・緑
  10%・・・赤
  07%・・・オレンジ

  コメント:これは意外!日本では売れないと言われた緑軸のほうが赤軸よりも人気が高い。
        また日本製萬年筆ではそれほど多くない茶軸が青軸と同じ人気度合い!
         なぜ金色がない?銀色がない?という指摘もあったが・・・入れ忘れたの、ごめん!


【10】ペン先バリエーション、及び フリーコメント

  コメント:やはり太字(BBBやBBBBB)などに対する根強い要望が多かった。
        ただ実用を重んじるヒトからはソフトのFやM、スタブが多いように思われた。


メーカーや販売店の方からの要望があれば、会委員番号などの個人が特定できる情報を外した結果をEXCEL形式でお送りします。コメント欄に貴重な情報が数多く(多い人は10行以上)入ってます。

pelikan @ hotmail.co.jp まで企業のメールアドレスからお送り下さい。もちろん無料です。@ の両側のブランクは外して送って下され。
  
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2010年10月28日

筆記具関連四方山話 【 現在インクを入れて使っている萬年筆 2010-10-28 】

拙者はあまりたくさんの萬年筆にインクを入れる習慣はない。最もたくさんの萬年筆にインクを入れていた時には30本ほどだったが、最近ではせいぜい5〜6本かな?と思って筆立てに並べてみると、なんと11本にインクがはいっていた。

無意識にインクを入れて使っている割には、偏っているので、どうやらこのあたりが最近の好みなのかもしれない。

色別に整理してみると・・・

【ブラック系】
 ・WAGNER 2010 SP2 18C-BB : セーラー・ジェットブラック(ボトル)
 ・WAGNER 2008 14K Music : プラチナ・カーボンブラック(カートリッジ
 ・Pelikan M800 18C-B(PF) : プラチナ・カーボンブラック(ボトル)

【ブルー系】
 ・Pelikan M800 18C-IB : ウォーターマン・ブルーブラック(ボトル)
 ・TWSBI Diamond 530 Steel-M : パイロット・月夜(ボトル)
 ・WAGNER 2009 18C-B : セーラー・青墨(ボトル)
 ・WAGNER 2009 SP0 14K-UEF : パイロット・紺碧(ボトル)

【グリーン系】
 ・WAGNER 2009 18C-B : WAGNER・古典ブルーブラック(がりぃ作)
 ・Sailor プロギア・マイカルタ 緑 21K-Z : スティピュラ・グリーン(ボトル)

【レッド系】
 ・WAGNER 2009 18C-B : モンブラン・ボルドー(ボトル)
 ・WAGNER 2010 21K-B : パイロット・山葡萄

なんと同じインクは使っていなかった。プラチナ・カーボンインクもボトルとカートリッジとでは中身が違うようで、カートリッジだとペン先が汚れない。

手帳用にはUEF(ウルトラEF)のインクフローを向上させたものを使っている。どんなに筆圧が弱くてもインクが紙に付く事を重視するから。

打ち合わせのメモ取りにはMを使っている。これも相手の顔を見ながらでもメモが取れるように調整してある。具体的には、多少持つ位置がばらついてもインクが紙につくような調整。すなわちインクフローは潤沢にしてある。角研ぎ改造したので、拙者のみみず文字でも読みやすい。これが一番大事。自分の書いた文字を認識が出来ないのが悩みだったのでな・・・

それ以外の太字系(Italic Broad含む)は全て手慰み用。文字や線を書いて精神を落ち着かせるための媚薬に近い。これらで大事な文章を刻む事はない。

大事な文章はPCで書き、すぐにBack-Upを数箇所に保存する。遠隔地のサーバーにもBack-Upを取っている。

太字系萬年筆で書いた文字は(少数の例外を除いて)明日になればくずかごに捨てられる運命にある。拙者にとって落書きは【心の垢落し】じゃ。アカスリで出た垢を後生大事に保存しないように、落書きした紙は捨てる。そして今日は新たな気持ちで朝から落書き!心の準備をして仕事に行く。

そして仕事中はEasyFlowの入った木製ボールペンが大活躍することになる。

自宅の机の上から持ち出される萬年筆はTAKUYA製手帳の鍵にもなっているWAGNER 2009 SP0とTWSBI Diamond 530のみ。インクの残量がすぐにわかる萬年筆でないと怖くて仕事には使えない。

  
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2010年09月23日

筆記具関連四方山話 【 最近のお気に入り萬年筆 2本紹介 】

2010-09-23 01こちらは9月10日に入手したPelikan M800 18C-IB(Italic Broad)じゃ。既に入手した人や販売店の人が嘆いているように、拙者が入手したものも書き出しでインクが紙に付かないという根本的なトラブルで往生した。

応急措置でとりあえずはトラブルは多少改善されたが、全面解決には至っていなかった。とはいえ、これは使用者の使い方が悪いから・・・というのもある。

Italic Nibは萬年筆を立てて、首軸付近を握って使う物。けっして拙者のように軸中央付近などを握り寝かせて書くような調整にはなっていない。というかそういう発想は世にItalic Nibが出来ていらい設計者の頭にはなかったはずじゃ。

2010-09-23 022010-09-23 03そこで、寝かせて書いても書き出しでインクがスキップしない調整を本気で試みた。太字のインクドバドバを期待するなら、スリットはある程度開いていた方が良い。ただし、先端部が開いている萬年筆を、ペン先を上にしてペン立てに立てていると、重力が毛細管の力をしのいでインクがペン芯まで降りる事がある。

そうであってもペン先の開きが弱ければ、ペン先を下にした瞬間にインクが下がって書き出しは掠れない。しかしスリットが過剰に開いているとインクが再びペンポイントに到達するのに時間がかかり、書き出しまでに間に合わない。

2010-09-23 042010-09-23 05そこで拙者の書き出しのお作法に照らしてギリギリ間に合う程度のスリットの開きを模索し、かつ、ペン芯との密着度合い、お辞儀角度、ペンポイントの研ぎ、ペンポイント表面の荒し度合いを考慮して出来上がったのが現在使っているM800 18C-IBじゃ。

筆記角度40度、超低筆圧で書き出してもインクが掠れることはない、会心の調整となった。延べ時間にして6時間くらいかかった。自分用の調整としては驚異的に時間をかけた会心作。調整が狂うとイヤなので、他人にはむやみには持たせない・・・つもり。

2010-09-23 06こちらは9月17日にAurora マーレ・リグレアと一緒に入手したセーラーのプロギア・グリーンマイカルタ。一週間で2本目の入手となった。こちらに付いていたニブはEF。36gある本体で、この細さというのは太字好きの拙者には厳しい。重い軸には極太を使いたい。

2010-09-23 072010-09-23 082010-09-23 09ということでペン先をWAGNER 2010 21K-Zから移植した。ズームとはいってもStubに近い調子で書けるように調整してあるので、書かれた字形が拙者好みになった。こちらも以前、書き出し掠れの無いように時間をかけて調整した。

最近の拙者の好みに合わせて、筆記時の紙と擦れる音を出しつつも滑らかな筆記を実現した傑作!

プロギア・グリーンマイカルタの軸色に合わせてMontblancのレーシンググリーンをコンバーターで使っている。これが当たり!セーラーのペン芯性能を引き出す能力は、セーラー製インクに匹敵する!実に気持ちよい。またZニブ先端部の無骨さ加減がマイカルタの模様と良い感じ!やはりマイカルタには極太がよく似合う・・・かも?

実は以前から気になっていたのが、エイジングに適した軸と、不潔さの関係。Pilotのカスタム・カエデやマイカルタ軸は、手の脂ですぐにエイジングする。すなわち軸色が濃くなっていく。これって手の雑菌もいっしょに軸内に練り込んでいるのではないかというここち悪さは常に持っていた。

10年以上前、あるペンクリに、セーラーのプロフィット80の表面剥がしモデルを絶妙にツヤツヤにエージングさせたものを持ち込まれた60代後半の男性がいた。【すばらしい艶ですね!】と褒める若い女性店員に、おじさまは【いやぁ、この歳になると鼻の脂が少なくなるので、ここまでにするのは大変なのよ!】とおっしゃった。

その瞬間、女性店員は相手に気付かれないように、萬年筆を机の上に置くと、そそくさと向こうに行ってしまった。おそらくは手を洗いに行ったのであろう。

エイジングした軸って不潔なのでは?という疑念はこの時から生まれた。手や鼻の脂ではなく、ひまし油でエイジングをするのもこの不潔さに対する疑念が原因じゃ。

先日、アルカリイオン除菌クリーナーを持っているときに、ふと気付いた。これで消毒できないか?

さっそくひまし油と手垢で黒くなったマイカルタ軸に除菌クリナーを噴霧すると、汚れた水滴がポタポタとしたたり落ちる!それが綺麗になったところで、ハンカチでゴシゴシとこすると・・・・

2010-09-23 10上の画像のように黒くエイジングしていた軸が、下のように当初の色合いに戻った。なんだエイジングってたんなる汚れか・・・とも思ったのだが、よく見ると、軸にはエイジングが進んで色がマイカルタに染みこんだ部分と、汚れが落ちた部分とがある。それを指で摘んでいじくっているうちに、マイカルタはドンドンと手の脂で色が変わっていく。こりゃおもしろい!

エイジングを何度も楽しめる!と同時に軸に染みこんだ雑菌の退治も出来る。ということで、現在では毎日軸をアルカリイオン除菌クリーナーで消毒している。インクの汚れを落とす効果もあるので、マイカルタがインクで汚れた時にも、すぐにこれを噴霧すれば、ものの見事にインクは流れ去る。

毎日これを繰り返しているうちに、まだら模様にならないかなとかすかに期待している。

今回の実験で、筆記具の不潔性に確信を持ったので、毎日、使った全ての筆記具(5本程度)をアルカリイオン除菌クリーナーで清掃することにした。寝る前の数分間、一日活躍してくれた筆記具に愛を込めて、体を拭いてあげるのじゃ。単なる気休めかもしれないが・・・

ちなみに萬年筆研究会【WAGNER】東北地区大会@仙台で、お医者様の会員に、筆記具の不潔さについて聞いてきたのだが、【気にしなくてもいいですよ、そんなこと!】というニュアンスのお返事をいただいたので、皆さんは真似をされなくて結構ですよぅ〜!
  
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2010年09月18日

AURORA Mar Ligure (マーレ リグレア) 18K-B 入手 

2010-09-18 01昨日、あるところから電話があり、閉店間際に滑り込みで入手した萬年筆。最後に店頭でアウロラを購入したのはいつだったか・・・思い出せないほど。

最近のアウロラで欲しいと思う物は無かった。昔は発売される全ての萬年筆を買いたい!というほど好きなメーカーだったのにな・・・

2010-09-18 02しかし今回の【マーレ リグレア】だけは、他の人のblogで紹介されたのを見たとたんに予約を入れたほど気に入った。それがついに昨日入荷した。これは一刻も待てないと思い、なんとか滑り込み入手し、即撮影した。

考えていたよりはるかに美しい軸。85周年記念モデルよりも完成度が高いと断言できる。

2010-09-18 032010-09-18 04オリジナルのマーレよりも美しく思えるほど綺麗な水色にうっとり!そして純銀のアクセントが実に良い。光を押さえたマット調なのがわかるかな?プラチナメッキではこういう感じにはならない。デザイナーのセンスに脱帽じゃ!

2010-09-18 052010-09-18 06未使用未調整でもちゃんとスリットは詰まっていない。ほんの少しだけ隙間もある。文句のつけようがない出来じゃ!しばらく新品を購入していないうちに、ずいぶんと品質が向上したとみえる。

首軸には傷が付きやすいので、まっすぐにキャップを差込むようにとの注意書きがあった。ただ、傷がついても磨き布で擦れば、傷は目立たなくなると書かれているので、首軸も純銀製なのかもしれない。

2010-09-18 07キャップのアクセントとなっているのが純銀のキャップリング。どうやらイルカらしきものが彫られている。リグレア海にはイルカもいるのかな?

もちろん型に流し込んで作ったキャップリングであろうが、コンセプトとして、【イルカもいる海】というのは、Pelikanの【バビロンの空中庭園】・・・などより親しめるテーマじゃな。

2010-09-18 08天冠に青いカボションがあるのでは?と期待されていた方もいたようだが、残念ながら純銀の刻印でAURORAとあるだけ。尻軸が純銀だけに天冠も純銀の方が拙者の好み(統一感)には合っている。

販売店に聞いたら、今回は何故かBニブの注文ばかりだとか。仕入れ計画が大幅に狂いまいったよ・・・とおっしゃっていた。切り割さえ綺麗に入っていればBが一番美しいのも事実。

2010-09-18 09実際の筆記に使うことはないコレクターとしては、眺めて美しい萬年筆がいい。実際に使うとなれば、かなり重い尻軸がポロっと逝くのではないかと不安にもなるがな・・・

アウロラの唯一の弱点が、機構がそれほど丈夫ではないこと。重い萬年筆はぜったいに床へ落とさないようにされたし。フローリングなら、真っ二つに割れる確率は低くはない・・・(高い?)
  
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2010年08月19日

筆記具関連四方山話 【 Pelikan M300 太字系ニブ設計変更? 】

2010-08-19 01最初にM320の赤軸を紹介したときに【あれぇ〜?】と思ったことを今回検証してみることにした。上がM320の赤軸で、下がM350。いずれもM300型でPelikanでは最小の吸入式。M1000と設計思想が同じで非常に柔らかいペン先を持っている。

なぜ最大モデルと最小モデルだけがペン先が柔らかいのか?これってあまり議論されたことはないはず。【まぁ、Pelikanならあってもおかしくない・・・】程度で軽く扱われているのかも?少なくとも拙者はその程度しか考えていなかったのだが、さきほどふと気づいた。

M1000は長すぎるので、首軸部分を握りしめては書きにくい。必然的に胴軸付近を持つ人に愛でられる。ということは筆圧は低いのでペン先は柔らかくてもひん曲げられる確率は低い。

M300はあまりにも華奢で短いので力一杯は握れない。紙の上でコチョコチョと書くくらいしか出来ない。すなわち筆圧は低くなる。従ってペン先は柔らかくても良い。筆圧の強い人に愛でられる確率は高くない。

と考えて作られたのではないか?あくまで想像だが、Pelikanは【見識のない利用者の発想】で萬年筆を作ってないのじゃ。顧客クレームを限りなくゼロにするために、ペン先を硬くするのではなく、ふさわしくない使い方をしようとする人には使っていただかなくて結構!という思想に思える。運転能力が無い奴はフェラーリに乗るな!というのに近い考え方かも?

全能の萬年筆など作れないので、こういう発想の方が潔くて良い!その結果、拙者はM1000のユーザとは認めてもらえないが、しようがない・・・

2010-08-19 02M300/M350系のニブは前期と後期とで形状が違っている。初期のニブはPF刻印付きのM800のペン先に近い形状であるのに対して、後期は現状のM800の形状に近い形状に変わってきている。

2010-08-19 03左の拡大図を見れば形状の違いがわかるかな?これは18Cと14Cとの形状の違いではない。14Cでも初期は上側のペン先と同じ形状であったし、M350後期のペン先は下側のペン先と同じ形状であった。

何か不具合があっての形状変更ではなく、デザインの統一性を考えてのことかもしれない。ただそれならM1000の形状が昔のままというのが気になる。

もっともM1000のペン先には未だにPFマークがついているところを見ると、以前作ったPFニブを大量に在庫しているのかもしれない。在庫が尽きるころには形状変更があるのかも?

2010-08-19 04一番変わったのはペンポイントの溶接方法と、お辞儀具合。左側のM350のペン先(初期)は綺麗に整形されているのに、M320のペン先はペンポイント溶着後の仕上研ぎを忘れたような形状になっている。

また右側は色がブルーがかって見えるが、これはお辞儀が強いため、スキャナーでCCDが胴軸側から動けば青みがかり、ペンポイント側から動けば赤みがかかる(2つ上の画像参照)。お辞儀度合いが少なければ色味は一定(M350のように)。これはCCDが進行方向の両側にCCDがあるスキャナーの特徴のようで、片側CCDの時には色味変化は発生しなかった・・・と記憶している。

拙者は書き味よりも見栄えを重視するので、旧型の形状が好きだが書き味の違いはどうなのだろう?  
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2010年08月16日

Pelikan M800 青縞 旧軸 18C-B PF刻印+ホールマーク W.-GERMANY

2010-10-16 01いろいろ萬年筆に詳しくなってくると、個々のパーツが愛おしくなり、コレとアレが組み合わされば最高なのに・・・という夢の組み合わせが出てくる。拙者の夢を実現したのが、今回紹介するPelikan M800 青縞  旧軸 18C-B PF刻印+ホールマーク W.-GERMANY というもの。

多くのM800愛好家と同じく、拙者も天冠の刻印と尻軸の金色プレートを愛して止まない。現時点で現行と同じ天冠と尻軸のM800は一本も所有していない。

軸色は青が良い。海外では黒一色軸の方が緑縞よりも人気があるようだが、拙者は縞軸が好き。順番で行けば、青縞、緑縞、赤縞の順となる。

2010-10-16 02そしてキャップ・リングの刻印はW.-GERMANYであって欲しい。独逸も東西統一後は印象がぼやけた感じがする。東ドイツ、西ドイツのそれぞれに特色のある文化や気質があったように思う。単に東ドイツ、西ドイツ双方への憧れが残っているだけなのかもしれないが・・・。東ドイツ製レンズが好きだった拙者にとって、E.-GERMANYなんて刻印であれば最高なのだが、それは望むべくも無い。しからば次善策としてW.-GERMANYで我慢しよう。

2010-10-16 032010-10-16 04ニブは、上から見て【B】の文字が完全に首軸から出ている位置にあって欲しい。

またペン芯の先端部は、もっともペンポイントに近い模様線の内側にあってはいけない。

さらには先端部のスリットは少しだけ離れていて欲しい。

2010-10-16 05そして右にPFの刻印、左にホールマーク(俗称:伊太利亜刻印)が釣り合いの取れた位置にあって欲しい。

実はホールマークの位置は上下に大幅にブレる。個体によって位置差があるのだが、今回紹介した物は良いバランスになっている。

もしコレと同じ組み合わせを、店頭で未使用状態で見つけたら教えて欲しい。拙者は紹介したとおり持ってはいるが、部品を集めて組み上げたものであって、店頭販売されていたものではない。年代的にはあってもおかしくはないのだがなぁ・・・

現時点で最も好きなM800系のパーツを組み上げて作ったPelikan M800 青縞  旧軸 18C-B PF刻印+ホールマーク W.-GERMANY。二組持っているので一組は11月13日の五周年記念大会でお嫁に出す予定!

そして、残った一組で遺言を書く・・・。問題はいつ書くか?地上波放送が終了する日にするかな・・・  
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2010年07月02日

WAGNER 2010 SP3 【 赤トンボ 】

2010-07-01 012009年にはWAGNER限定萬年筆として、WAGNER 2009【SENATOR】、WAGNER 2009 SP0【非公開】、WAGNER 2009 SP1【非公開】、WAGNER 2009 SP2【Classic Pens】を発売した。

2010年にも同様に、安価なモデル一種類と、販売数量が少ないモデル3種類を発売する予定。そのほかに萬年筆研究会五周年記念モデルの企画も進んでいる。

すでにWAGNER 2010【セーラー】、WAGNER 2010 SP1【Classic pens】は発売した。そして発注済のモデルとしてWAGNER 2010 SP2【非公開】とWAGNER 2010 SP3があったのだが、SP3が先に出来上がって納品された。  

上記画像のとおり、中屋万年筆製だが、一ひねりある。

2010-07-02 02なんとプラチナカーボンインクのカートリッジが2箱添付されている。そう、プラチナカーボンインク用の特別ペン芯がついたモデルなのだ!これはカーボンインク愛用者としてはうれしい限り。

特に瓶インクと違い、カートリッジのプラチナカーボンはペン先が汚れないので重宝している。

そしてなにやら秘密めいた黒い布からクリップが覗いている。これは元からついていたクリップを外して保存するための袋。ではクリップはどうなっているのかといえば・・・
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2010年06月24日

筆記具関連四方山話 【 ついでに・・・ 】

2010-06-24 01レバーフィラーやタッチダウン式のサックを接着するサックセメントの残量が40%を切ったので米国のFPHに注文した。以前に注文したのは10年以上前なので、拙者がもうろくするまでは持ちそうなのだが、こぼしたり、飛行機の手荷物検査で取り上げられたりすることもある。

そこで意を決して?購入したところ、入れ物が変わっていた。左側が10年前のもので、右側が今回入手した物。両方を使ってみたが、古い方のほうが重心が低いので、倒して中の液体がこぼれる確率は低そう。

過去に2回ほど倒して多少こぼした経験があるので、重心が高くなった新型は怖い。古いのが無くなったら新しい瓶から移し替えよう・・・というのが常識的な考え方なのだが、あたらしもの好きの拙者には耐えられない。リスクがあっても新しい物を使いたいので、修理工具セットには新しいものを入れた。

2010-06-24 02そのついでに、ぱいたんさんのBlogを見た5秒後には購入を決心したバッジ。これはかわいい!

ただ到着してみてびっくり!でかい!全長8センチもある。てっきり3冂度だと思っていた。

そして、サックセメントとバッジだけでは、送料がもったいないからと、ついでに購入したのが・・・

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2010年06月17日

筆記具関連四方山話 【 最近手が伸びる筆記具・・・ 】

2010-06-17今回は、最近拙者が頻繁に使っている萬年筆を紹介しよう。

通常は仕事で萬年筆を使う事は少ないのだが、6月に入ってから構想を練ったり、採点したりする事態が頻発している。

その中でも出番の多い萬年筆は・・・

【1】 Pelikan M800 黒軸 現行18C-M
    WAGNER 2010 クラシック・ブルーブラック
    会議でのメモ取りに頻繁に利用。
      アイスコーヒーをこぼしても書いた文字が消えない性能に何度も助けられた。

【2】 Pelikan 四神 フェニックス 18C-BB (p.f.)
     Omas ベスプッチレッド
    大きな構想図をA3用紙に書く際に利用。
    ヌラヌラのインクフローでストレス無く書ける。
    でも一番の用途は、構想に行き詰まった時のストレス発散。

【3】 WAGNER 2009 18C-B
     プラチナ 顔料・青
    これも飲み物をこぼす恐れのあるコピー用紙に筆記する際に利用。
    ペコしゃんの調整師検定合格品!手抜きのない調整は見事!書き出し掠れが一切無いので【2】とともに構想図書きに利用。

【4】 WAGNER 2010 21K-Zoom
     スティピュラ グリーン
    調整のベンチマーキング用。調整が終わった萬年筆の書き味を確認するための比較用。
    多少インクフローを絞った調整。これを基準にインクフローの多い・少ないを微調整している。
    ただ、これも書き味に溺れてしまい、ハッと気付くと原稿用紙3枚ほど無駄にしている。

【5】 WAGNER 2008 14K-Music
     プラチナ・カーボンブラック カートリッジ
    仕事でお礼状(葉書)を書く機会が頻発しているので、表も裏もこれ一本で書いている。
    耐水性、字が格段に上手に見える事がポイント。大嫌いな文字書きを楽しくしてくれる貴重な一本!
    カートリッジのカーボンブラックは、ボトルインクと成分が違うのか、ペン先が汚れないのも良い!

【6】 Aurora ローラーボール (純正黒インク)
     実は、これの使用頻度が一番高い。入手したのはペントレ。丸い缶に入っていた3本セットの中のローラーボール。
    手帳に高速筆記でメモを取る場合に愛用。筆記間隔が20分空いても掠れもせずすぐに書ける。
    油性ボールペンの王者であるDupontのDefi用のレフィルと比較しても、全ての面でこちらが上。安い買い物であった!  

  
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2010年06月03日

筆記具関連四方山話 【 Pelikan M800系 限定品 】

拙者はペリカン倶楽部の顧問であり、萬年筆研究会【WAGNER】創設者でもあるので、当然Pelikanが大好き!その中でもM800系の限定品が手に合う。特にビッグ・トレドと同じように胴軸が重い限定品が好きじゃ。

Pelikan社が限定品と認めているM800系限定品を時代順位に並べると以下のようになる。

1992年
 ★Green Demonstrator    3000本限定

1993年
 ★Blue Ocean         5000本限定   

1994年
 ★Hunting                     3000本限定

1995年
 ★Wall Street                4500本限定

1996年
 ★Golf              4500本限定
 ★Concerto           4000本限定
 ★Austria 1000        1000本限定
 ★Golden Dynasty           888本限定

1997年
 ★Golden Phoenix            888本限定

1998年
 ★Genesis of Olympiad     776本限定
 ★Kuala Lumpur              888本限定
 ★Humankind         1998本限定

1999年
 ★Nature            1999本限定
 ★White Tiger                 888本限定
 
2000年
 ★Technology         2000本限定

2001年
 ★無し

2002年
 ★Spirit of Gaudi            1000本限定
 ★Xuan Wu                     888本限定
 ★Icarus              800本限定
 ★Kirin                           888本限定
 ★CP6 Charlotte              500本限定

2003年
 ★無し

2004年
 ★無し

2005年
 ★月光               200本限定
 ★旭光               200本限定

2006年
 ★無し

2007年
 ★Evolution of Script        930本限定

2008年
 ★Calcuration of Times     760本限定


合計でM800系の限定品は41,491本発売されたことになる。

これらの中で拙者が持っていないのを赤で表現した。

★Concerto           4000本限定
★Kuala Lumpur              888本限定
★Technology         2000本限定

これら3本なのだが、何故購入していなかったのか?とつらつら考えてみると、そもそも人気がなかったのと、地味だったからというのもあるが・・・

この3本は店頭展示用デモンストレータを入手していたことを思い出した!

すなわちキャップも外せず、ピストンも動かないし、ソケットも飾りだが、ペン先だけは本物と同じというもの。

最初はおもしろがって遊んだが、すぐに飽きてペン先だけ生かしてあとは捨ててしまった・・・。ただ、一度持ったことがあると思ったのか、その後、触手が伸びていなかったのだろう。

今後も触手が伸びそうもないモデルだが、先日、Golfを2本入手した例もある。魔が差してこの3本をポチっとやってしまうかもしれないな。

これらの中で拙者が一番好きなのは、2010-06-03こちらの Golden Phoenix。手塚治虫の描いた不死鳥にまったく似ていないのだが、フェニックスといえば【火の鳥】を思い出す。あの漫画には原子のレベルから宇宙の話までが描かれていた。

【火の鳥】を読まなければ、いい年こいてNewtonのムック本を徹夜でむさぼり読むようなオッサンにはならなかったであろう。

最新の宇宙論を読むと、何故か無性に、この赤軸が使いたくなった。トレド型限定品にはインクを入れないという禁を破って、赤インクを入れて使うことにした。

インクを入れるのは6月4日の虫歯予防デー!ひょっとすると民主党も不死鳥のように蘇るかもしれない?

  
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2010年05月27日

筆記具関連四方山話 【 Pelikan Golf と楽しく付き合う方法 】

2010-05-27 01PelikanのM800系限定品の中で最も万年筆愛好家の人気が薄いゴルフなのだが、購入したのは10本以上にもなる。

限定本数は4,500本とPelikanにしては数が多い。ゴルフファンが狂喜乱舞して購入する・・・・と考えての製品化だったのかもしれないが、企画だおれだったのかな?

今でも未使用状態で数多く流通しているところを見ると、ゴルフ・ファンに贈られたものが、そのままの形で二次市場に新古品として出回っていると考えられる。

この仮説が正しければ、ゴルフ狂いと萬年筆狂いは両立しないのが世界の状況のようだが果たして真相は?

2010-05-27 02拙者は人差し指を前に出して筆記するので、キャップレスなど(クリップの)盛り上がりのある萬年筆は使いにくい。クレッセントフィラーなどは論外と言える。

従ってゴルフにも手を焼いていた。ミドラーとしては、軸色は好きなのだが盛り上がった装飾が耐えられず、そのたびに放出!しかし軸色の魅力に負けてまた購入・・・を繰り返していた。

2010-05-27 03もし、左画像状態で使えたら最高なのに・・・と考えていたのだが、【ソケットとペン芯の位置を逆転させれば可能】ということを思い出した。もちろん問題なく成功。

画像のように実に美しいM800 Greenが出来上がった。拙者の持ち方だと反対側に回ったゴルフの装飾が指に当たることもない。

2010-05-27 04 どうせならともう一つ改良したのがp.f.のMニブ付きだったのを、現行のMニブ付きに交換した。拙者の好みから言えば、Mは明らかに現行品が手に合う。

そこで現行品のMを装着して、エッジを多少研磨してみると、まさに拙者の好みの書き味になった。

それにしても好みの書き味は時間とともの変化する。あれほどp.f. 3Bのヌラヌラの書き味が好きだったのに、これほどまでにMに嵌ってしまうとはな・・・

  
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2010年05月20日

筆記具関連四方山話 【 沖縄で見つけた筆記具 】

今回の筆記具関連四方山話は、先週の萬年筆研究会【WAGNER】沖縄大会当日に入手した筆記具について。

大会当日は、朝こそパラパラという雨だったが、時間がたつごとに雨が強くなり、夜にはスコールとか台風と呼びたいほど!

滞在したホテルのベッドメイクの人が窓のフックをかけていなかったため、ホテルの部屋にもどってベッドを見たら、窓側20僂曚匹濡れていた。普通ならただではすまさないのだが、当日は濡れたベッドで寝るのもまた良し!というくらい上機嫌だったので、そのまま寝てしまった。

2010-05-20 012010-05-20 02そんなに機嫌が良かったのは、やはり現地の萬年筆仲間と会えたこと。そして古き良き時代の趣を残した萬年筆店に出会えたことじゃ。

書斎館やpen and message. を最先端のカフェ型ペン・ブティックとするならば、渡口(とぐち)万年筆店は、昔懐かしい万年筆店の雰囲気。徳島にあったアロー・インターナショナルに似た雰囲気の店じゃ。

設立が1932年ということは、Pelikan 100が世に出たころで、昭和7年ということになる。左側の画像は、TOGUCHIブランドで製造販売されていた万年筆で、今でも店頭に飾られている。

2010-05-20 032010-05-20 04部屋の隅々まで探っていたら、プラチナの80周年記念萬年筆が出てきた。プラチナ製、純金製、純銀製とエボナイト軸チェイス模様の4種類。左側の3本は二右衛門半しゃんに実物を触らせてもらった記憶があるが、店頭展示されているのには初めて出会った。

右側写真の80周年記念のエボナイト軸は先日のペントレで7.5万円で販売。これは相当に変色しているが、書き味には問題は無い。実用に供するなら、定価の5万円で新品が買えるなら安いもの!この独特の書き味には嵌りますぞ。

2010-05-20 06こちらは商品に蜘蛛の巣が張っているような感じ。とても売り物にはなりそうもないが、ディスプレイとしては小汚くて実に良い!こういう薄汚れたものを、そのまま部屋に展示できたらどんなに幸せなことだろう!

この画像だけ、巾50センチまで拡大できるはずなので、この汚れ具合を楽しんで下され。

ちなみに、ココまでに紹介した物は購入してはいない。

2010-05-20 08こちらは現在拙者の手元にある。すなわち、沖縄から連れて帰った物の一部。

拙者のコレクションは基本的には未使用品なので、これらがコレクションに入ることはなく、沖縄訪問の記念品としてペンケースの奥にしまわれるか、実用に供されることになる。

左端はTOGUCHIブランドのインキ止め式14金ペン先付きモデル。

その右は、拙者が中学入学祝いにもらったPilot キャップレスを紛失した後で、自分で購入した萬年筆第。それを思い出して身請けしてきた。(本日到着するのは、何千号にあたるのかな?)

一番右はPelikan No.1のボールペンの金鍍金クリップのもの。確か最高級品。ルイジ・コラーニのデザインで一世を風靡したが、No.2があまり使いやすくなかったので、自然と姿を消した?のかもしれない。

この金キャップモデルを使っていたのだが、それが万年筆に嵌る前に使っていた最後のボールペン。機構は大好きだが、ボールペンのレフィルの性能が拙者の許容範囲に達しておらず、何度も買っては廃棄した。

今回はDupon'tのeasyFLOWのレフィルを入れて使っているが、最高の書きごこちを提供してくれている。これなら長いお付き合いが出来そうじゃ。

2010-05-20 07こちらは会場で入手したのもの。緑軸のPilotのレバーフィラーで、ペン先にはHARDGILIとか、6.56などの刻印がある。

14金表示はないのだが、ペン先にコストカット穴があるので、純度はともかく金ペンなのかもしれない。またエボナイト製ペン芯の腹には漆が塗られている。ゴムサックは完全に死んでいるが、機会を見つけて復活させてみたい。

2010-05-20 092010-05-20 10こちらが、今回沖縄訪問に際して入手したかった萬年筆。
PilotとPlatinum製だが、ドル表示のプライスタグが付いている。

すなわち沖縄返還前のモデルということになる。本体よりも、このプライスタグが欲しかった次第じゃ!

2010-05-20 11蛇足だがSailorのモデルは、軸中央を捻るとボールペンが胴軸後端から出てくる!国産品に造詣皆無の拙者にはモデル名の見当がつかないので教えて下され。

  
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2010年03月22日

紙様の研究レポート 【 パイロット D式 】

前回、2月26日の予告通り、パーロットD式の分解図じゃ。存分にお楽しみあれ!

2010-03-22 012010-03-22 02

  
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2009年12月21日

2009年の萬年筆研究会【WAGNER】参加状況

 昨日で2009年の萬年筆研究会【WAGNER】の定例会は35回目となった。そこで2009年の参加回数を集計してみると・・・

34回   pelikan_1931
29回   aurora_88
25回   blomfield
22回   gorilla
21回   あおい
18回   マジェスティ
17回   む.
17回   fuku4
16回   フリッツ
16回   takechanfaveor
15回   らすとるむ
15回   shokubutsuen99
15回   嬰啓-221
15回   mochiduki
14回   298
14回   ロクリンパパ
14回   パコ
14回   八雲
13回   怠猫
13回   SL230

が、多い方から20人じゃ。記録として紙に残っている部分なので、チェックし忘れがあるかもしれない。

当然、東京、神奈川、埼玉の3県在住者じゃ。

 また、年間2回以上参加された方が171人、1回の参加が121人、参加出来なかった方が133人。合計で425人が会員となっている。(昨日の入会者5人を含む)

2009-12-16 2010年は萬年筆研究会【WAGNER】本部、Pen Collectors of Japan、万年筆くらぶ【フェンテ】主催の会合は左のとおりだが、この他にも地元主催の万年筆愛好家の集いもいくつか企画されている。

 昨日?も、WAGNER関西地区では2010年の地元開催の時期、場所を検討する会合が開かれたと聞く。

 このような萬年筆愛好家の小集会が全国至る所で開催され、各地で調整師が巣立って行くことが拙者の夢じゃ。

 萬年筆文化は与えられるのを待っていては開花が遅い。ぜひ積極的に自らの手できっかけを作って欲しい。地元集会の企画があれば、このblogへのコメント(どの記事へのコメントでもよい)という形で教えて欲しい。極力時間調整をして参加したいと考えている。

 なを左記の活動計画は、あくまでも予定であって変更する可能性はおおいにある。特に会場については、まだ予約が取れていないケースもあるのでな。

 2009年と同じように、年間活動計画は2010年1月1日の記事として最新状況をUpしておく予定なので、ぜひ定期的に確認してくだされ。

 なお、定例会のご案内には、必ず年内の活動計画も広報するので、毎日記事を読んでいただいている方は、そちらで最新情報は常にわかるはずじゃ。


2009-12-19 02 メールとBlogでの注文者が19人になりましたので、20冊発注します。

 値段が決まったらメールしますので、お振り込みを!  
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2009年11月03日

アメ横探索でGetしたブツや情報

 本日は【質問コーナー】をお休みして、最近アメ横を探索して得たブツ情報についてお知らせしよう。

2009-11-03 01 こちらはプロフィット・レアロの太字。品薄なのか拙者が出遅れただけなのか、ネットであまりみかけないなぁ・・・と思っていたら、何のことはないアメ横に並んでいた。

2009-11-03 032009-11-03 02 aurora_88しゃんにならって未開封の箱入りで購入したが、さすがに我慢できなくて開封した。水を入れて重量をはかってみると【21.3g→22.2g0.9g増加した。すなわちインク吸入量は0.9ccほど。

 Montblanc No.146でピストンガイドが金属製ではないモデルでは【23.5g→24.9g1.4g増加した。すなわちインク吸入量は1.4ccほど。

 胴軸に直接インクを吸入するNo.146と、シリンダー機構を胴軸内部に挿入したプロフィット・レアロの方式の差が吸入量に現れたようじゃ。最近はシリンダー機能を内蔵する方式をOMASなども使い始めている。ペンマンインクや赤系インクで吸入窓を劣化させられた経験のある拙者としては、シリンダー方式をお奨めする。その部分だけ交換する事が可能ならばじゃが・・・

 かなり力を入れて捻ってみたが、ビクともしなかった。そのうちヒートガンなどを使って、(壊すの覚悟で)分解に挑戦したい。接着してあって絶対無理!というのであれば、早めに連絡下され・・・あと一ヶ月くらいは辛抱できそうなので。

 プロフィットレアロで感心したのが、キャップの口の処理。No.146を長期間使っていると、キャップの口のエッジがインク窓と擦れて、インク窓が傷だらけになってしまう。ところがプロフィット・レアロでは、キャップの口の部分の内側を面取りしている上、キャップがインク窓の手前でストップするようになっている。

 こういう工夫は、No.146で悲しい思いをした人でないと気付かない。ああ、萬年筆の好きな人が設計したんだな!と嬉しく思った。

2009-11-03 04 こちらは懐かしの Sheaffer クレスト の復刻版。最終的な定価は35,000円+消費税だったはず。これがなんと1万円を切る値段で売られていた。細字の書き味では定評のあるSheafferなので、まずは一本入手してきた。その他、TARGAの最終モデルも1万円を切る値段で販売されていた。もちろん新品未使用で。

2009-11-03 052009-11-03 06 このニブは素材が柔いので、筆圧を書けすぎると曲がってしまう。購入したモデルも案の定ペンポイント部分が曲がっていた。これはチョチョイノチョイとペン先を微調整すれば、すぐに直る。

 研磨無しでインクに浸けて書いてみる。もちろん低筆圧で ・・・・・  ああ、これこそSheafferの細字!と感激させてくれる気持ちよさ。まだ、何本も残っていたので、Sheaffer好きの方は速攻で!軸色も何種類かあったはず。販売していたのはマルイ商店じゃ。

2009-11-03 072009-11-03 082009-11-03 092009-11-03 10 そこでいただいたのがPelikanが11月に販売を予定している新製品のパンフレット。

 Traditional 205 と 限定の【シルバー・スクリーン】。後者はインク窓や胴体の模様はフィルムに似せて作ってある。そして軸の中央には宝石入りのスター(☆)が!いわゆる【銀幕】を意識しているのであろう。

 星が六角形ではなく、五角形だがMontblancに対してかなり挑戦的なモデルじゃな。対抗としてMontblancがコウノトリを模したモデルを・・・てことはあるまいが。

 M1000がベースなので、かなり大柄のモデル。マルガリータと比べると銀の量が少ないが、そこは細工に免じて・・・というところかな。値段も税抜で25万とけっこう高価。限定本数も420本と少ない。国内販売本数も20本ほどと極端に少ないらしい。

 ペン先は銀色でヘラクレスとしか互換性はない。またMニブのみの提供となっているので、太字好きにはあきらめる理由にもなる。

 が、今まで販売された全てのPelikanの限定品の中で、最もエレガントなモデル。派手過ぎず、地味過ぎず、目立たないけどオシャレ!ひさしぶりに欲しいなぁ・・・と思ったM1000ベースの限定品じゃな。  
Posted by pelikan_1931 at 09:00Comments(14) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2009年07月05日

戦利品の一部を紹介 ・・・ 萬年筆研究会【WAGNER】 裏定例会 in 松本にて

 昨日の 萬年筆研究会【WAGNER】 裏定例会 in 松本 は、微妙な大会であった。裏定例会ということだが、いったいどこの裏なのか?事務局側としては、東京地区の裏定例会を、細々と長野でやる!というくらいの感覚であったが、集計してみると・・・

愛知県:6人
三重県:1人  この2県は中部地区大会のメンバー

東京都:3人
群馬県:1人
埼玉県:1人  この3県は関東地区大会のメンバー(東京/大宮)

大阪府:1人
奈良県:1人
兵庫県:1人  この3県は関西地区大会のメンバー

長野県:1人  地元!

 ということで、今回の松本での裏定例会は、中部地区大会のという定義となった!

 ペンクリ要望もそれほど多くなかったので、途中で4班に分かれて【萬年筆の山田】を訪問した。(住所:松本市中央2-5-11  電話:32-2931)。今回の戦勝品報告は、まずはここでGetした物を紹介する。

2009-07-05 01 こちらは、先代の倉庫から出土した国産のペンシルということだった。赤のスケルトンは1.15仗弔嚢軸は0.9个凌弔標準となっているが、赤軸に1.18弌黒軸に0.92个鯑れても問題なく使える。拙者はどちらにもユーロボックスで販売している4Bの芯を入れて使い始めた。

 この2本を見た時、これはエバーシャープ・スカイラインのペンシルの真似だなと感じた。メーカーは【ASTER】となっており、黒軸にはJISマークも刻印されている。

2009-07-05 02 比較の為にEversharp Skylineとセットで売られていたペンシルを紹介しよう。クリップの形状はよく似ている。ただ仕組みは似ているようで微妙に違い、ちゃんと特許はクリアーしていると思われる。

 拙者はEversharpのこのペンシルが大好きなので、ASTERのペンシルも一目で気に入ってしまった。赤軸の方は、スペアの芯を入れるのに、一捻り工夫がいるところもマニアックで好き!何人かの会員がこれらを購入したようじゃ。

2009-07-05 03 同じく萬年筆の山田で入手したのが、Pilot Custm 742のコースニブ付き。紡錘形の形状は実にバランスが良く美しい。まったくの定番品であるが、コースニブ付きが地方の万年筆店にあるというのが嬉しい!栃木の寺内万年筆病院でセーラー・プロフィットのZoomニブ付きを入手した時にも速攻で購入したが、今回もそれにならった!

2009-07-05 04 山田さんによると、国産萬年筆はペン先調整をしなくても書き味に問題があることはほとんど無い。以前舶来萬年筆を扱っていたときにはペン先調整は必須だった。いまではオリジナル萬年筆【螺鈿を使った手作品など:複雑な細工物は25万円以上】以外に調整は行っていない・・・などと話されていた。

 昭和14年生まれの70歳。腕も気力もますます充実しているようじゃった。

2009-07-05 052009-07-05 06 いままで気づかなかったのが不思議だが、パイロットでは【C】に特太という呼び方をしているらしい。拙者の研ぎはいっさい入っていないが、インクフロー向上のため、多少スリットを開いてある。

 Bが太字、BBが極太、そしてCが特太ということかな?この太さをコースと呼んでいるのは現在ではパイロットだけだと思われる。海外を含めた他社製萬年筆で【COARSE】と呼んでるのは無いと思う。

 古い製品のCOARSEニブについては、2007年4月7日の記事2006年2月27日の記事を参考にされたし。

2009-07-05 07 過去のCOARSEニブは、かなり急な傾斜で研がれていたが、左画像のように、最近のCOARSEの研ぎはずいぶんと滑らかになってきている。これならばペン先の研ぎに合わせて持ち方を変える必要はなさそうじゃ。

 メーカーもユーザの細かいニーズに合わせて少しずつ改良を施している。もっともクレームをメーカーに言う人の言葉だけではなく、萬年筆愛好家の意見をもっともっと聞いた方が、売れる萬年筆を狙うのならずっと良いと考える。意見はたくさん集めた方が方向性を間違わないものじゃ。

2009-07-05 08 最後はクロスのボールペン。これは新品箱入りが会場のミニ・ペントレで安く販売されていた。新品箱付だがあまりに安い。十分に細部を確認したが、14金鍍金のボールペンに間違いはない。

 1970年代後半のサラリーマン社会では、この14金鍍金のクロス・ボールペンが出来る男の証のように言われていた。表彰の副賞とか、昇進祝いには14金鍍金のクロス製ボールペンとペンシル(0.92弌砲離札奪箸鯊るのが無難だった。

 純銀製も同じ値段だったが、金色の方がはるかにステイタスは高いと皆が思っていた時代。拙者も何セットかもらったが、会社のロゴマークがクリップに貼り付けてあるのがイヤで、自分で購入していた。そのうち、金鍍金よりも純銀製の方が滑らないということに気付き文房具屋をうろつくようになり、それが後年、萬年筆に目覚めるきっかけとなった・・・

 そのクロスの14金貼のボールペンに出会ったら購入しないわけにはいくまい。拙者が自腹で伊東屋で購入したときの値段は一本15,000円だった。今回購入した値段は・・・1,500円!なんと10%の価格で入手できた!(現行品は税込みで12,600円)  
Posted by pelikan_1931 at 13:33Comments(10) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2009年01月25日

拙者の【 調整 】の歴史・・・その1

 最近、拙者の中で【調整】に対する考え方が徐々に変化しているのを感じる。書き綴ってきた文章を読み返すことは無いが、なんとなく・・・・

 そこで時代を遡って思い出してみることにしよう。

【混迷の時代】
★値段が高い萬年筆ほど書き味が良いと思っていた。
★自分の所有する高級萬年筆よりも、部下の安価なMontblanc No.221の方が圧倒的に書き味が良い事にショックを受ける。
★書き込んでいけば手に馴染んでいく・・・という噂を元に、色々な紙に強筆圧で書きまくるが書き味はまったく改善しない。

【発芽の時代】
★【私のパパはペリカンのペン先をサンドペーパーの上で研いでいてよ】で閃く。
★サンドペーパー、マッチの擦る部分、砥石、トレーシンブペーパーの上で書く。
★またたくまに数十本の萬年筆のペン先を飛ばしてしまう。

【研究の時代】
★文献を貪るように読んで、金ペン堂の存在を知る。【ペン先とペン芯の結婚】という言葉に触発されて位置を変えつつ実験。
★お手本が必要と金ペン堂で数本購入。
★店頭のNewコノソアールのペン先が軸に1于,傾んであると指摘。良くわかったなと褒められる。
★調整前と調整後の#500のペン先をルーペで見せられ区別付かず・・・挫折。

【発見の時代】
★伊東屋で15000番のラッピングフィルムを見つけたのを契機に転換。
★耐水ペーパーで形を整えて、ラッピングフィルムで仕上げる方式を独自で思いつく。
★形も書き味も良いのにインク切れするケースが頻発し困惑。

【開眼の時代】
★インク切れ解消を目指して、(当時はまだ研いでいなかった)川口先生のペンクリで自分の研ぎを見せる。
★その場で、長原先生のペンクリが後日あるので行きなさいと奨められる。
★蒲田のペンクリに行くと、長原先生(研磨)と川口先生(修理)の二枚看板。
★長原先生に自分の研ぎを見せる。ええ腕しとる弟子にならんか?生活は苦しいけど楽しいよ!とからかわれる。
★この萬年筆は呼吸困難じゃ!とペン先を力ずくでグニャグニャするとインク切れ皆無に!
★研磨は調整の一部でしかないと気付く。
★後日、川口先生のペンクリでインクフローの解説を受け開眼。

【修業の時代】
★自分のペン先は望み通りに調整出来るようになったので、他人のペン先調整にトライ。
★最初は同僚のパーカー45。ペンポイントがナイフで切ったように摩耗。丸く研いだら絶賛される。
★それから手当たり次第に回りの人のペン先を調整し、喜ばれる。


【転換の時代】
★萬年筆倶楽部【フェンテ】に入会し、仲間の萬年筆の調整をやり褒められる。有頂天!
★調整で自分に出来ないことはないと誤解。

【挫折の時代】
★フェンテ会長宅での懇談会。初めて【ダメ出しの女王】に遭遇。
★皆さんがワインを飲んで楽しんでいる2時間、徹底的にダメを出され続ける。
★初めての挫折を経験し、まだまだ修業が足りないと痛感。

【実践の時代】
★知り合いではない人の調整をしないと腕は上がらないと、虎視眈々と機会を狙う。
★丸善での筆記具フェアでペンクリをやらないかとの誘いがあり、無謀にも受けるが大成功。
★他人の萬年筆を大勢の前でやる緊張感と快感を知ってしまう。

【学習の時代】
★海外の文献や過去文献で調整の真髄を探るが、どうもすっきりしない。
★初めてフルハルターへ行き、森山さんにセンテニアルを森山スペシャルに研いでもらう。
★受取に行った際、調整のコツを親切に教えていただく。
★行けるペンクリには全て行って調整した萬年筆を購入。また自己調整物へのアドバイスをいただく。

次回へ続く

  
Posted by pelikan_1931 at 06:00Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2008年10月26日

萬年筆の総括・・・・まもなく開始か?

 昨日は全国から萬年筆愛好家が集まる【フェンテの集い】の初日。拙者とらすとるむしゃんは午後からペンクリに勤しんでいた。非WAGNER会員WAGNER地方会員のみを対象としたペンクリなので、人数も少なく体は楽!

 知る人ぞ知る【業界の大物】が終了間近に来訪したりと、非常に楽しく、刺激的な一日であった。

 本日は、多少早めに帰らなければならないため、ペンクリはお早めに。またミニペントレでは、昨日は出さなかった新顔も追加。お楽しみに!

 昨夜は恒例の宴会だった。画伯の近くに座ったところ、さっそく画伯からの褒め殺しが・・・

 拙者は
画伯の特命と、ぱいたんしゃんのBlogの影響を受けて、このBlogを始めた。

 その時の画伯の特命とは・・・調整方法を公開することによって、壊した萬年筆の山を作り、新たな萬年筆需要を喚起し、業界を活性化することだった。

 その画伯が酒に酔った勢いで【途方もない企画】を出してきた。ちなみに画伯はかかりつけの医者には、一滴もお酒は飲んでいません!と断言しているらしい。

 その企画とは、【萬年筆の総括】と【ランク付け】。この二つは連動している。一本の萬年筆を取り上げ、皆の意見で総括する。総括とは・・・一言で言えば、この萬年筆はどうなのかを、細木数子風に言い切ってしまうことじゃ。

 その為の基礎情報として、いくつかの評価項目を選定し、萬年筆を五段階評価する。これには読者の皆さんの評価が中心となる。

 そして集まった情報をまとめて、萬年筆のランク付けをするのじゃ。すなわち、この萬年筆はつ!とかやるわけじゃ。個人でやれば単なる意見だが、大勢でやれば評価になるという・・・

 萬年筆は100円の物から1千万円Upの物まで全て好き!という萬年筆愛好家には過酷な作業だが、、やれば世界初の快挙!という画伯の熱弁で、多少その気になっている。

 やれば、その萬年筆の好き嫌いにかかわらず、たとえば、1960年代のNo.14は★無しで、1980年代後半の復活トレドは★3つ・・・というような残酷な結果が出るかもしれない。

 評価の低い萬年筆を愛用している持ち主にはたまらない企画となってしまうが、冷静にその萬年筆の優れている点、改善点などを把握する作業には興味があるなぁ・・・・と考え、お引き受けすることにした。

 やるにあたっては、評価項目の設定がキーとなるので、皆さんからの意見を募集!出来れば10項目くらいは項目が欲しい。メーカーを評価する物ではなく、あくまでも出来上がった製品を評価するような項目がありがたい。

 十分に時間をとって始めたいのだが(画伯によれば)拙者は【息も絶え絶えでもうろくし、体中病気だらけでいつポックリ死んでもおかしくない・・・要するにあと3年の命の老人】ということなので、残された時間は多くない・・・らしい。出来れば11月からは始めたいのでよろしく!

 萬年筆を五段階評価する、評価項目を思いつく限り挙げて欲しい。重複はかまわないので、個人の意見として出して下され!

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(24) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2008年03月17日

月曜日の調整報告 【 Parker 75 18K-M 自然コンコルド 魑魅魍魎 】

2008-03-17 01 今回の品は【魑魅魍魎:ちみもうりょう】じゃ。いろんな時代のパーツを組み合わせて作り上げた一本で。

 拙者はこういうの嫌いではない。むしろ、こういうものにこそ惹かれる。自分で使っている萬年筆には、この手のアセンブル物がけっこう多い。部品はなかなか捨てられないので、修復できる可能性があれば、なんとか一本の万年筆に仕立てあげる。そうすると愛着がわいて、そればかり使ってしまう・・・

2008-03-17 02 胴体の端はフラットなのに、キャップはディンプル。しかも社用バッジを取り付けられそうな形状をしている。以前にもどこかで紹介した。

 それにしても、胴軸とキャップの端がそろっていないのは初めて見た・・・こういうのが市場に流れると歴史が歪められる可能性がある。軸が滅びるまで個人で使って欲しいものじゃな。

2008-03-17 03 首軸先端は金一色。はて、Parker 75にこういう首軸の時代があったかな?

 プリミアには存在したのは覚えているが、Parker 75では?

2008-03-17 04 ペン先は、この方向から見ればスリットが詰まっている事以外には問題がないように見えるが・・・ ありゃりゃ!ペン先は18金製じゃ。

 これで首軸毎、プリミアから移植した物だとの確信が得られた。


2008-03-17 05 ペン先は、このようにくの字に曲がっている。絨毯の上に落としたということが、それだけではこんなに曲がらない。

 おそらくは、急いで拾い上げようとして、椅子のキャスターで碾いたのであろう。

 それにしても見事なまでの【コンコルド】状態。このままでもスリットを拡げれば書けるのだが、あまりに見映えが悪いので、通常ニブに交換した上で、このペン先も可能な限り調整してみることにした。

2008-03-17 06 右端が調整前の【コンコルド】君。左端が交換予定のペン先じゃ。【コンコルド】状にするとインクフローは絞られる。従ってもう一個のペン先は少しでもインクフローが良い物の方が、違いがはっきりとわかっておもしろかろうと考えた。

 いずれにせよ、二個ともインクフローの改善は必要。特に左端の物は、ペン先のスリットが詰まりすぎている。そこでスリットをごくわずかに開けてインクの初動を軽くした。

2008-03-17 072008-03-17 08 こちらが調整後の【新ペン先】。それほど大きなペンポイントではないが、筆記角度に合わせて、出来るだけ接紙面積を広くするように調整した。

 パーカー75は、基本的には筆圧をかけてインクを押し出す設計になっているので、書き出しに筆圧ゼロでもインクが紙につく・・・というような調整は邪道!

 しかし今回は、そもそもが部品を集めて作った一本!なので良しとしよう。

2008-03-17 092008-03-17 102008-03-17 11 こちらは、曲がったペン先のスリットを拡げ、紙に当たる部分にスイートスポットもどきを作ったもの。

 一番難しいのはスリットを拡げること。ペン先をペン芯ユニットから外せば簡単なのだが、そうするとニブやペン芯に細かな傷がつく可能性が高い。細部にこだわる拙者にはそれが不憫に感じてな・・・

 やむなくペン芯を外さないままでスリットを拡げた!そして紙に当たる部分(ほとんどペンポイントの頂点)の引っ掛かりがないように調整した。

 どちらも、なかなかの書き味になった。さて、依頼者はどちらを使っているのであろうか?


【 今回執筆時間:6.5時間 】 画像準備2.0h 調整3.0h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間
  
     

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Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2008年03月15日

土曜日の調整報告 【 Pilot New エラボー 14K-SF スイートスポット形成 】

2008-03-15 01 今回の依頼品はPilot new エラボーSoft Fine。ニブは(現行品としては)世界一変わった形状をしていると言えよう。米国では【Falcon】という商品名。【】が獲物を探して飛行しているときの頭のかたちに似ているのかな?

 拙者は【Falcon】がこの萬年筆にもっとも似合う名前だと考えている。隼でもエラボーでもなく【Falcon】が良い! (以下【Falcon】と呼ぶ)

2008-03-15 022008-03-15 03 要望は【スイートスポットが欲しい】ということ。細字でもスイートスポットを作れないことはないが、それほど効果は大きくない。むしろインクフローを上げることによる効果が大きい。

 来週火曜日からは【世界の万年筆まつり】。今年で10回目を迎えることになる。その第一回目には、万年筆くらぶ【フェンテ】も請われてブースを出し会員が交代で参加した。拙者も一日休暇を取ってペンクリをやっていた。

 基本的には【フェンテ】会員用ペンクリだったので、週末以外は来客も少なく、十分【万年筆まつり】を堪能できた。食事時には、三越デパート内にある社員食堂でランチを食べるという貴重な経験もした。

 そのペンクリに午後一番で2人の男が二人三脚のようにしてやってきた。

 【書き味の悪い万年筆があるのだが、調整してくれんかね・・・

 顔をを上げると、森山さん川口さんが、にこにこしながら座っている。もちろんフルハルター森山さんセーラー川口さん

 その時に川口さんから差し出されたProfit 80の細字の書き味が拙者の目標じゃ。万年筆の軸と、ペン先の素材と、ペンポイントの調整が見事に調和した書き味だった。あの時のペン先はProfit 80についていた18金製ではなく、14金-EFだったと記憶している。

2008-03-15 042008-03-15 05 その時のEFの書き味を目標にしているのだが、まだまだ果たせていない。

 なんせ、WAGNERのペンクリには【つゆだく極太】好きが多く、細字はめったに持ち込まれない。従って訓練する機会が少ないのじゃ!自分でも細字は一本も持ってないし・・・

 今回は千載一遇のチャンス! まったくペンポイントが摩耗していない上に、スリットはガチガチに詰まっている。また、ペン先がごくわずかにペン芯と離れている。これでは潤沢なインクフローは期待できず、Falconの柔らかさも堪能できないであろう。

2008-03-15 062008-03-15 07    左側が当初の状態、右側がスリットを多少開いた状態。

 それにしてもおもしろいかたちじゃ。ペン先の形からNamingしたら【烏賊太郎】または【KKK
になっていたかもしれない・・・

2008-03-15 08 これがスキマゲージでスリットを拡げた直後の画像。0.2のゲージだとこうなる。

 このあとで、ラッピングフィルムでスリットを、金磨き布で表面を研磨して凸凹を無くするのじゃ。こういう作業は
自己満足以外の何物でもない。インクフローへの影響など無いが【神は細部に宿る】というのが拙者の一番好きな言葉。手抜きは出来ん!

2008-03-15 09 こちらが完成図。筆記角度に合わせて斜面を研磨し、書き出しでのインクフローを絶妙にしておいた。

 もちろん、ニブとペン芯との隙間も解消した。これでFalcon】という名に負けないりりしい書き味の万年筆になったはずじゃ。

 いままでS-Bしか使ったことが無かったが、S-Fも良いなぁ・・・万年筆まつりで衝動買いするかもしれない・・・

2008-03-15 10 これは依頼者がやっていた工夫。【棚吊大魔王】と呼ばれて利用者の顰蹙をかっている【コンバアター50】であるが、中にプラチナのカートリッジについているステンレス玉を入れてある。これで【棚吊大魔王】現象が解消されるのであれば国民栄誉賞ものかも?手元にプラチナのカートリッジが一本でもあれば確かめられるのに・・・


【 今回執筆時間:4.0時間 】 画像準備1.5h 調整1.5h 執筆1.0h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間
  
    

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2008年03月14日

Pen Doctors' Rules その10

Doctors Rules 今回は10回目。

 まずは青字の文章を読む。

 それに対する拙者の 本音ギャグ を下に書いてある。

 これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。


1.重症患者の罹病率はどのような場所で診療するかによって大きく変わる
  地域医療ないし過程医療の場では低く
  紹介患者を引き受ける診断センターでは高

  紹介患者ばかりの集中治療室では著しく高い

 → 調整師に持ち込まれる萬年筆の症状は、どのような場所で診療するかによって大きく変わる
    デパートのペンクリではインク詰まりが多く
    WAGNER表定例会のペンクリでは書き出し掠れインクフロー問題が多く
    萬年筆専門店では字幅変更が多い
 → WAGNER裏定例会ではフォルカンへの改造要望と生贄が多い
 → WAGNERのペンクリに持ち込まれる萬年筆の改善要望は、どの地方で診療するかによって大きく変わる
    東京では つゆだくインクフロー要望が多く
    名古屋・大阪では細字化要望が多い
    熊本や札幌はどうかな?今から楽しみじゃ!


2.将来学問としての医学に携わろうとする医師は、少なくとも1年間はアカデミックセンターから離れ、
  開業医としての経験を持つべきである


 → アマチュア調整師をめざすものは、少なくとも年に一回は【ダメ出しの女王】の萬年筆を調整させていただき、
    世の中の厳しさを知るべきである

 → それを乗り越えれば、どんな苦難に出会っても乗り越えられる自信がつくであろう
 → しかし、翌年には早くも挫折を経験することもあろうが・・・ 


3.医学のスタンダードと見なされている教科書を一冊購入しなさい。
  しかも最新版が出る度に購入すること。一生それを続けなさい


 → 3月21日には【趣味の文具箱 vol.10】を数冊購入しなさい。新しい世界が開けるでしょう
 → 一冊は自分用に、一冊は保存用に、そして一冊は会社のデスクにさりげなく置いておきなさい
 → その本のそばに高そうな萬年筆をころがしておきなさい
 → 【趣味の文具箱】 は最新版が出る度に購入すること。一生それを続けなさい


4.初めて出逢った病気や症状についてはスタンダードな教科書を読みなさい
。一生それを続けなさい

 → 初めて出逢った故障や不具合については、拙者の【調整報告】を読んで目処を立ててから各地のペンクリに持ち込みなされ
 → オークションで初めて出会った萬年筆については必ずず疑い、【バイブル】で確認しなさい
    いまどき珍品が破格の値段でオークションに出るわけがない。理性が無駄使いを救う
 → しかし・・・【物欲は理性を凌駕する】
 → 必ず試し書きしてから買いなさい・・・・・・・【欲しがりません、書くまでは!】


5.紹介を受けた医師は紹介元の医師にのみ意見を述べるべきで、直接患者に伝えてはならない

 → 購入を打診された珍品は、所有者にだけ意志を述べるべきで、仲間に相談してはならない
 → 仲間がいち早く買ってしまうかも知れない
 → 【相談は友情の終焉】 



【過去の記事】

Pen Doctors' Rules その9 
Pen Doctors' Rules その8
 
Pen Doctors' Rules その7 
Pen Doctors' Rules その6 
Pen Doctors' Rules その5 
Pen Doctors' Rules その4 
Pen Doctors' Rules その3 
Pen Doctors' Rules その2 
Pen Doctors' Rules その1 

  
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2008年03月11日

火曜日の質問コーナー その23

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、質問コーナーを設けているが、第23回目の今回はどの分野の質問でもOK!


そして・・・

今回の質問は、過去1ヶ月の間に実際に使った自分の萬年筆の吸入方式に関してじゃ!

あなたが使ったのは、どれとどれ? また、代表的なモデルは何でしょう?例示して下さい。
   

1:カートリッジ専用(ミニ檸檬のようなもの)

2:カートリッジ・コンバーター兼用(プッシュ式コンバーター含む)


3:回転吸入式

4:レバーフィラー(ハチェット式含む)

5:プランジャー方式(パワーフィラーやONOTO式、タッチダウン、スノーケル含む)

6:インキ止め

7:アイドロッパー(軸内に直接入れたインクをペン芯の力で止めるだけ)

8:スポイド式(ピコピコとゴムを押さえて吸入:Rappenなど)

9:その他(具体的に)
    例: Pilot 65 ・・・ プッシュ式コンバーターが胴体に嵌め殺しになっている

 

11日22:00の最終結果


使用した吸入方式の数は?

1方式・・・・・・・・・・・・・
2方式・・・・・・・・・・・・・3人
3方式・・・・・・・・・・・・・
4方式・・・・・・・・・・・・・4人
5方式・・・・・・・・・・・・・1人
6方式・・・・・・・・・・・・・0人
7方式・・・・・・・・・・・・・1人



1方式しか使わなかった人はどの方式を使ったか?

カートリッジ・コンバーター・・・3人
回転吸入式・・・・・・・・・・・



それぞれの吸入方式を何人が使用したか?

1:カートリッジ専用・・・・・・6人
2:コンバーター兼用・・・・・・20
3:回転吸入・・・・・・・・・・21
4:レバーフィラー・・・・・・・1人
5:プランジャー・・・・・・・・8人
6:インキ止め・・・・・・・・・4人
7:アイドロッパー・・・・・・・3人
8:スポイド式・・・・・・・・・1人
9:その他・・・・・・・・・・・5人



9:その他には何が?

レバレス(スワン)
コンバーター組込回転式(2人)
クレッセントフィラー
ノブ式(パイロット)
バキューマティック(パーカー)

  
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2008年03月10日

月曜日の調整報告 【 Montblanc No.32 14C-B インクが出ない・・・ 】

2008-03-10 01 今回の依頼品はMontblanc No.32。拙者は1960年代のMontblanc 二桁番の修理は得意ではない。ペン先にある金属の出っぱりが指にあたって痛いから・・・従って、よほど興味のあるモデル以外の修理はお断りしている。軸内部の吸入機構も弱く、すぐに吸入機構が死ぬ場合もある。書き味は良いが、素材的には感心できるモデルではない。

2008-03-10 02 ただし、このNo.32に関しては、ペン先内部の金属のデッパリが無いので、安心して修理できる。

 ペン先が小さいので【学童用安価モデル】と言われているが、通常の二桁番のウィングニブとは違った書き味が楽しめる。

 拙者が唯一好きな1960年代モデル。この時代はNo.149であっても、軸が割れやすいのでお奨めは出来ないのじゃ。

2008-03-10 03 症状はペン先を裏返して、ペン芯に押しつけないとインクが出てこないこと。

 こういう場合にすぐに思いつくのは、ペン先とペン芯が離れていること。ところが図のようにまったく問題はない。こうなってくると、次はエボ焼けの状況の調査に入ることになる。

2008-03-10 042008-03-10 05 ところがこちらも左画像のように、表・裏とも特に酷いエボ焼けがあるわけではない。

 そうすると次は書き出しの筆記角度と、インクを疑う事になる。

 この依頼者はMontblancブルーブラックが大好きで、数多くの萬年筆に入れている。ところが、このインクはインクフローの変化が激しい。

 紙によっては必ず書き出しで掠れる事もある。ロイヤルブルーならまったく掠れないのに、インクをブルーブラックにしたとたん、掠れたりする。ところが、その掠れるインクで相馬屋の原稿用紙に書くと、まったく掠れない!

 ようするに、紙とインクとの相性というのは大きい!ということじゃな。好きな色なのに、インクフローが悪い場合、紙を変えるだけで潤沢なインクフローが楽しめる可能性もある・・・かも?

2008-03-10 06  とりあえず、スリットは多少拡げておいた。また筆記角度に自由度が出るように、書き出しで紙にあたるポイントを若干粗めに研磨しておいた。

 これによって書き出し時にインクが表面に残っている確率が大きくなり、書き出し掠れがガクンと減るはずじゃ。

 それにしても、ほれぼれするほど美しいペン先!企業ロゴなどは奥に隠されており、【585】と金の含有率だけが表示されている。

2008-03-10 072008-03-10 08スリットを多少拡げたことによって、エッジが引っ掛かる角度も出てきたので、慎重にエッジ処理を行った。

 今回より、耐水パーパーラッピングフィルムに続く、第三の研磨素材を実験してみた。今までの研磨素材は削ることに重点が置かれていたが、今回より試行を始めた物は、表面はラッピングフィルムよりは粗いが、8の字旋回を50回やって、初めて多少削れる程度。すなわち、ほとんど削れない事が自慢の研磨素材なのじゃ。

 本当に大丈夫との確信が持てたら、このBlogで紹介しよう!しばし待たれよ!


【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1.0h 調整1.5h 執筆1.0h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
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2008年03月08日

土曜日の調整報告 【 Montblanc No.256 18C-EF 仏蘭西 珍品! 】

2008-03-08 01 今回の依頼品は珍しい!拙者は存在そのものを知らなかった!1950年代 No.25618金ペン先付き!おそらくは仏蘭西向けの輸出品だと思う。

 独逸と仏蘭西は、そもそもあまり仲の良い国同士ではないはずだが、こと萬年筆に関しては蜜月のようじゃな。

2008-03-08 02 No.256のペン先は、独特の弾力があり、特にEFの書き味は最高!インクが【○○○○○○】と出てくる。【○○○○○○】については趣味の文具箱 vol.10をごらんくだされ。

 この画像を見ると、ペン先とペン芯を固定するソケットが首軸から出ている。これは締めなおさねば筆記時にインクが漏れる可能性がある。また異様にスリットが詰まっている。これではインクフローが不足し、とても【○○○○○○】という書き味にはならない。

2008-03-08 03 こちらが横顔!多少お辞儀が強い。もう少しお辞儀の角度を緩めないと、スリとの詰まりはなおらない。

 また新しい角度にフィットするように、ペン芯のお辞儀角度も修正する必要がある。

 横から見るとソケットが首軸からはみ出しているのがよくわかる。ペン芯自体も、もう少しソケットに押し込んだ方が全体のシルエットはさらに美しいはずじゃ。

2008-03-08 04 ペンポイントはまったく研がれていないし、摩耗もない。インクフローが悪い萬年筆で書くと、どうしても筆圧が高くなり、ペン先の摩耗も速いはず。

 にもかかわらず全く摩耗の痕が見られないと言うことは、ほとんど使われていないものということになる。これは貴重じゃな。

2008-03-08 05 ペん先の首軸内部に隠れた部分には、【256】というモデル番号の刻印とともに、ホールマークのような刻印もあるが拡大してみると、どうやらMontblancのスノーマークの刻印らしい。ペン先にMontblancという刻印があるのに、ペン先の根本にまでブランドロゴを入れるとは! これが仏蘭西で求められていたのかな?

2008-03-08 06 本当のホールマークはペン先の左横(上から見て)に入っている。これはいままで気付かなかったが、仏蘭西向け製品で、18金以上のものには必ず入っているのかな? それとも、この時代だけ?それとも、Montblancだけ? それとも、このモデルだけ?

 刻印一つでも、数多くの疑問や研究テーマを投げかけてくれる。これが萬年筆研究会の醍醐味じゃな。

2008-03-08 07 No.256フラットフィードは世界一美しいペン芯かもしれない。無駄な装飾がないので非常にすっきりとした形状!にもかかわらず機能的にも優れている。

 後期の厚いペン芯は機能的には良いが、形状がやぼったい。拙者ならコレクションには上期、実用には下期のフィーダーを利用するであろう。ただし、EFやF、Mなどのペン先では両者の性能差は書き味に表れてこない。

2008-03-08 08 こちらがオーバーホールの為に、清掃を終えた胴軸、ピストン機構にキャップじゃ。ゴム板さえあれば、ピストン機構が外れるのは非常に便利!ペリカンと違い、ピストン機構は左に捻って外す。幅が狭いのでなかなかうまくいかない場合は、尻軸から4僂曚匹泙任鯒いお湯に2分ほど入れてから回せば外れる。

2008-03-08 092008-03-08 10 こちらがスリットを多少拡げた状態。こうなってはじめて、【○○○○○○】という書き味を堪能出来るのじゃ!

 お辞儀が強く、寄りが強いペン先のスリットを開けるのは容易ではない。お辞儀を起こし、スキマゲージで左右に拡げ、背開きにならないように調整・・・というのを繰り返す。地味で根気の必要な作業。

2008-03-08 112008-03-08 12 こちらが研ぎ上がったペンポイント。研いだかどうかは、ほとんど認識できまい。

 小さなスイートスポットを作っただけじゃ。筆記角度がブレない人にはスイートスポットは、一個で十分!

 試筆してみると・・・まさに【○○○○○○】の書き味じゃ!


【 今回執筆時間:7.0時間 】 画像準備2.h 調整3.0h 執筆2.0h
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2008年03月06日

解説【萬年筆と科學】 その71のかわりに【 Sheaffer Imperial VIII Set 】 

2008-03-06 01  ついに巡り会った!http://pelikan.livedoor.biz/archives/50701760.html で紹介したSheaffer インペリアル金鍍金軸!今までカートリッジ式にはなんどか遭遇したが、タッチダウン式の金鍍金軸は初めて!しかもMintということでうれしくなってしまった。

 拙者のように【調整が趣味】、コレクションは【次世代に伝える義務】と達観?してくると、次世代に伝える価値がある!と判断する萬年筆以外には、さほど興味が無くなってくる。従って萬年筆購入本数は極端に落ちている。また自分で欲しい!とおもう萬年筆も少なくなってきた。

 そうした中にあって、ひさかたぶりに、【欲しい!】と思わせてくれたのがコレじゃ。次世代に伝える意味はなく、単なる拙者のノスタルジーと物欲のたまもの・・・

2008-03-06 02 胴体にはラベルが貼られたまま。どうやら$17.5だったようじゃ。1ドル=360円としても6,300円。冒頭で紹介したカタログでの値段21,000円よりもかなり安い。

 物品税だけではなく、関税とか、輸入にかかる諸経費、はたまた一本当たりの販売店・問屋利益が大きかったのであろう。当時は流通も複雑だったからな・・・

 ペンシルのラベルの文字はすり切れていて、もはや何が書いてあったか読み取れない。ま、モデル名と芯の太さ(0.9弌砲斑傭覆阿蕕い任△蹐Αこのペンシルは非常に好き。重くなく、軽くなく、スムーズに出てくる芯は絶品。

2008-03-06 03 かなり長い間、棚に残っていたにしては、ペン先に傷がない。インクを入れて使った形跡もない。キャップを開け閉めすると首軸に傷がつくのがSheafferの弱点だが、それもほとんど無かった。これはプラスティック磨き布で、ゴシゴシ擦ればすぐに消えてしまうのでおためしあれ。

2008-03-06 04 ペン先は少し上に反っているのはこのタイプのSheafferの特徴。硬そうなペン先なのに依頼とタッチが柔らかいのは、この反りに秘密があるようじゃ。

 このタイプは筆圧をかけてもペン先が左右にずれることはない。従ってかなり左に捻って書くような人にも使えるのが特長!

2008-03-06 05  ペンポイントは【M】。日本に輸入されたモデルは、ほとんどがXFFだったと思われる。萬年筆を集め始めたころ、Sheafferのインペリアル(金キャップや純銀軸)を数十本アメ横で購入したが、【M】は一本も残っていなかった・・・

 この丸い玉のようなペンポイントはいかようにでも研げる。今から研ぐ日が楽しみじゃ!
  
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2008年03月05日

水曜日の調整報告 【 Montblanc No.149 75周年記念 18K-EF 】

2008-03-05 01 今回の患者は、いままで調整依頼をうけた中で最も高価かもしれない。

 Montblanc No.14975周年記念 18K-EFで、全身ピンクゴールドで鍍金され、ホワイトスターはマザーオフパーじゃ。この天冠部分(ダイヤモンド付)と鍍金、そしてペン先の刻印以外は通常のNo.149と同様なので、隠れたオシャレ風で実に良い感じ。萬年筆自体が主張しないのでスーツの胸ポケットにさりげなく挿しても嫌みにならない。

2008-03-05 02 ペン先を見ると、マイスターシュテュック75周年記念であることがわかる。決してMontblanc社の創立75周年でも、No.149の75周年記念でもなく、【マイスターシュテュック】の75周年記念という事だろう。

 第一号のマイスターシュテュックは何だったのかな?調べればすぐわかるのだろうが、花粉症の薬で頭が朦朧としている上、少しだけ飲んだアルコールが追い打ちをかけて・・・調べる気力がわかない・・・誰が調べてくらは〜〜ぃ・・・

2008-03-05 03 横から見た姿は現行品のNo.149とまったく同じ。拙者の好みからすれば、ペン芯の位置が前すぎるのだが、現行品はペン芯にストッパーがあり、ペン先の位置が固定されるようになっている。こういう場合は、敢えて位置変更しないようにしている。

 メーカーは世界中の気候や暮らし方(砂漠の炎天下で手紙を書く?)を研究した上で、最もトラブルが少ないと考えられる位置にペン先とペン芯をセットしているのであろう。国内で、しかも室内で使うのであれば、ペン芯はもう少し後退していても問題はないのになぁ・・・

2008-03-05 04 上から2枚目の画像(首軸にセットした状態)ではペン先のスリットが詰まっていたが、この写真では多少開いている。これは前回と同様に、スキャナーの蓋の重さでスリットが開いた状態になったから。どの程度力がかかればスリットが開くかの実験。

 スキャナーの蓋が与える圧力はごくわずか。すなわち多少でも筆圧をかければインクはドクドク出る設計になっている。ただし、書き出し筆圧が限りなくゼロに近い人にとっては掠れる可能性があるのじゃ。

2008-03-05 05 こちらは裏側。エボナイト製ペン芯ではないせいもあるが、全く汚れていない。

 裏側全体がザラザラに仕上げられているのは、インクの保持能力を上げる工夫かな?ペンクリを経由した物ではたまに見かけるが、メーカー出荷段階でも滑面仕上げにしていないとは!

 通常、こういうざらついた表面には、鍍金セットあたりでは上手く鍍金が出来ないもの。ところがさすがMontblanc!裏側にも完璧なピンクゴールド鍍金がかけられている。本当はロジウム鍍金の方がインクフローは良いらしいが、見映えを重視したのであろう。コレ大賛成!破綻のあるデザインの物には愛着がわかないのでな。

2008-03-05 06 この画像は貴重!ピストン機構を胴軸に固定する内部部品。上が通常品で、下が今回の限定品。なんとこの部品の全身にピンクゴールドの鍍金がかかっている?あるいは赤っぽい色の真鍮で作った?

 いずれにしても、このこだわり方はすごい!外装だけでごまかしている限定品が多い中、絶対にユーザに見られることのない部分にまで手を抜かないこだわり!良いなぁ・・・どうせなら全製品に適用して欲しいものじゃ!

2008-03-05 072008-03-05 08 こちらはスリット調整後のペン先。今回の撮影では軽い紙を被せてスキャンした。従ってスキャナーの蓋の重みでスリットが開いているわけではない。

 依頼者からは、可能な限り【ドバドバのインクフローにして!】と依頼されていた。いくらがんばってもEFでのドバドバは無理!可能な限り【インクがにゅるにゅる】出てくるように仕上げてみた。


2008-03-05 09 こちらがペン先を首軸にセットした状態。通常なら調整はここで95%は終了しているのだが、今回はここからが勝負!

 依頼者は左書きじゃ。拙者も箸と筆記以外は左利きだが、筆記は右。従って調整結果を試すにはかなり時間がかかる。

 EFならこのあたりが限度かな?というレベルにはなった。依頼者はこれで満足したかに見えたが、拙者が最後にポロっとしゃべった言葉に反応した。

 【一回もインクを入れていないが、同じモデルでOBB付きを持ってる・・・


 後日【いつの日にか、お嬢様をいただきにまいります】というようなお手紙が舞い込んだ・・・



【 今回執筆時間:5.0時間 】 画像準備1.5h 調整2.0h 執筆1.5h
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2008年03月04日

火曜日の質問コーナー その22

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、質問コーナーを設けているが、第22回目の今回はどの分野の質問でもOK!


そして・・・

今回の質問は、皆さんのハンドルネームの由来じゃ。
   
   

  
拙者の場合: pelikan_1931

             Pelikan 100 を原型とした復刻シリーズ【Originals Of Their Time】の第一弾である 【Pelikan 1931】からいただいた。

     たしか限定本数5,000本で1997年に発売。

     ハンドルネームを考えていたときに、たまたま目の前にあった萬年筆!

     これでいいや というわけで・・・・・・




最終結果発表! 4日午後10時!



1:本名に由来 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2:肉体的特徴 当時の状況 雰囲気 色 星座 ・・・・・

3:住んでいる場所 家族 親族 ペット 友人 ・・・・・

4:職業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

5:萬年筆 筆記具 インク ・・・・・・・・・・・・・・

6:映画 音楽 小説 落語 漫画 ・・・・・・・・・・・

7:飛行機 車 自転車 カメラ 時計 ・・・・・・・・・


  
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2008年03月03日

月曜日の調整報告 【 Montblanc No.342 14C-F 満身創痍 】

2008-03-03 01 これは生贄!物はMontblanc No.342 14C-Fだが満身創痍で直る保証はない。Vintage品は外観からでは、その危なさはわからない。従ってオークションでGetするなら、それなりの修理の技を身につけるか、修理の上手い友人なり、店なりを見つけておくことが重要。でないと、歯ぎしりしながらゴミ箱に捨てる事になるかもしれない・・・

2008-03-03 02 症状はインクがピストンの後から漏れるということ。ペン先を拡大してみると、曲がっているような気がする。目の錯覚かな?

 いずれにせよスリットはピッタリと詰まっているので、満足なインクフローは期待出来ない・・・

2008-03-03 03 ペン先を横から見ると、変なお辞儀のしかたをしている。インクフローが悪いので、ペン先とペン芯をくっつけようとして【やっちまった・・・】と思われる。ペン先をひっくり返して、ペン先先端部分ををグイと押さえたとしか考えられない。

 しかも力のかけ方が均一にならず、左右の曲がり方に差が出てしまった・・・

2008-03-03 04 それがこちらの拡大画像を見ればよくわかる。奥のペンポイント(上から見て左側)の方が、お辞儀が大きくなっている。

 コレでは書き出しで、ペンを右に大きく傾ける人でないとインクが紙につかない!それにしてもこのような大きな段差は珍しい。

2008-03-03 05 前から見た画像では、ペンポイントの半分くらいズレている。いくら柔らかいニブでもこれでは満足な筆記は出来ない。

 ペン芯の上で、左右がアンバランスにずれているわけではない。片方がお辞儀しすぎているのが原因。こりゃ、相当強く曲げてあるなぁ・・・

2008-03-03 06 こちらがペン先の裏表じゃ。汚れはすぐに落ちそうだが、真上から見て左方向に曲がっている。しかも綺麗なカーブを描いて曲がっている・・・落下や衝突では無さそう・・・

 やはり意識して力ずくで曲げたのであろうな・・・

2008-03-03 072008-03-03 08 こちらはピストン部分の拡大画像。弁の表面がギザギザで隙間が出来ている。これは・・・寿命じゃな。

 回転吸入式の萬年筆では、ペンポイントが摩耗する前に、ピストン弁が摩耗する・・・。特に常用するインクと相性が悪い樹脂の場合は劣化が激しい。また粒子の粗いインクの場合も弁の劣化は・・・

 今回は弁の表面を滑らかにすることによって、症状を改善することにした。それだけでも、かなりの延命にはなる。


2008-03-03 102008-03-03 11 ペン先を清掃した後、スキマゲージで曲がりを直し、スリット調整&段差調整したのが左画像じゃ。

 相当惨く曲がっていたが、とりあえずはここまで復帰できた。これで筆記には支障ないはず。

 今回の患者は、回転吸入式で最も重要な弁に難点があった。あとどれくらい使えるかは弁の寿命にかかっている・・・せつない話じゃ。

 なんとか各種の弁が自作出来れば、回転吸入式萬年筆の寿命は飛躍的に延びるであろう。現代の萬年筆の利用頻度から考えれば、素人調整で失敗しない限り、ペンポイントが摩耗するより、弁が摩耗するほうがはるかに速いからな・・・


【 今回執筆時間:8.0時間 】 画像準備2.0h 調整4.5h 執筆1.5h
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2008年03月01日

土曜日の調整報告 【 Pelikan 140 緑縞 14C-M ペン芯調整:苦闘3時間 】

2008-03-01 01  水曜日のNo.142に引き続き今回も難物!依頼品はPelikan 140 14C-M 緑縞。非常に数が出ているものなので、出会いは珍しくない。外観は綺麗でなんの破綻もない。Pelikan 140の書き味は独特で、嵌るとほかの萬年筆は使えなくなるほど。特に高筆圧で筆記速度が速い人が使うと絶妙の書き心地を提供してくれる・・・らしい。

2008-03-01 02 ペン先はインクで汚れてはいるが、スリットはわずかに開いており、インクフローは良さそう。

 症状は書き始めで、ペンをひっくり返してペン先とペン芯を密着させないとインクが出ないととか。これはPelikan 140でありがち。ペン先とペン芯が離れているために起こる現象じゃ!

2008-03-01 03 具体的には左の図のようになっている。ペン先とペン芯の間に隙間があるために、インクがペン芯先端までこない。しかもペン先が肉厚でしならないため、筆圧をかけるとペン先全体がペン芯から離れようとしてしまう。

 従って少なくとも筆圧をかけない状態ではペン先とペン芯が密着している必要がある。書き出しでインクが出れば、ポンプ運動の影響で多少ペン先とペン芯が離れてもインクは押し出されてくるからな。

2008-03-01 052008-03-01 06 こちらが清掃前のペン先。表から見るとスリットが開いているのに、裏から見るとスリットが閉じて見える。これは何故?

 答えは、スキャナーのカバーの重み。左側の画像ではエラを開く方向に重量がかかり、右側ではお辞儀させるように重量がかかるから。通常は紙を乗せてスキャンするのだが、今回はカバーをおろして変化を試してみた。

2008-03-01 072008-03-01 08 こちらが清掃後の姿。見違えるように綺麗になったのがわかろう。汚れもインクフローの悪化に重大な影響を及ぼすので、定期的に清掃することが望ましい。

 清掃が終わったからといって、ペン先とペン芯の密着が出来るわけではない。Pelikan 140のように、元々ペン先がお辞儀しているペン先の場合、それ以上はお辞儀させられない。

 従ってペン先とペン芯の間に隙間がある場合、密着させる為にはペン芯を削るしかないのじゃ。この個体はペン先とペン芯をそれぞれ別の個体から持ってきて合体させたのだろう。出荷時からこれほど離れることはないし、筆圧で離れるほどヤワなペン先でもない。

2008-03-01 09 そこからペン芯を少しずつ削っては合わせ、削っては合わせ・・・を延々3時間ほど実施してようやくある程度の成果が出た。

 それにしても思ったより時間がかかった。Montblancのペン芯であれば高温のお湯に入れればアメのように曲がってくれるが、Pelikanのペン芯は熱湯に入れようともびくともしない。これがPelikanのVintageがいま一歩好きになれない一番の理由。

 壊れにくい設計も重要だが、調整しやすい事も大事。個々の部品の精度は完璧だが、他の部品の不具合を、別の部品の調整で補完出来ないところが弱点!

 必要なのは個の最適ではなく、全体最適なのじゃ。

2008-03-01 10 何の圧力もかかっていない状態で、ごくわずかにペン先のスリットが開いている。この状態が萬年筆にとって最適。少なくとも低い筆圧で書き出す人には、この状態でないと紙にインクがつかない。

 ペン先をこの状態にするのは、それほど難しくない。ただしペン芯に乗せたときに、この状態を保つようにペン芯を削るのには時間がかかる。ものすごく疲れる作業じゃ。

2008-03-01 112008-03-01 12 こちらが完成した状態の横顔。ペン先も多少お辞儀を強めてある。そのお辞儀の状態に合わせてペン芯を削ったのじゃ。

 ペンポイントの研磨にはそれほど時間をかけていない。依頼者の筆圧から考えれば、引っ掛かりが気になる確率は低いと読んだ。

 将来、筆圧や筆記角度が変わって調整が必要になるころには、WAGNERには調整しがゾロゾロ出現しているはず。ひょっとすると依頼者本人が、その技を身につけているかも知れない。

     
【 今回執筆時間:9.0時間 】 画像準備2.0h 調整5.5h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間

  
    
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2008年02月29日

Pen Doctors' Rules その8

Doctors Rules 今回は回目。

 まずは青字の文章を読む。

 それに対する拙者の 本音ギャグ を下に書いてある。

 これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。


1.全く嘘をつかない患者はいない。全てを嘘でかためる患者もいる

 → 患者はみんな嘘つきだ。【生贄です】と言いながら、必ず何かを期待している
 → 全くインクが付着しにペン芯はない。インクカスで固まったペン芯もある。そういう時は超音波洗浄機→ロットリング洗浄液で!


2.医師であることに誇りを持ちなさい。しかし高慢になってはいけない

 → Vintage Montblancを持つことに誇りを持ちなさい。しかし高筆圧で使ってはいけない
 → 萬年筆に関して無知であることに誇りを持ちなさい。無限の楽しみが待ちかまえています。しかし無節操に買ってはいけない・・・
   


3.医学校のカリキュラムは、人生について学べるように作られたものではない

 → カリグラフィー用のペンは、日本語を書くように作られたものではない
 → このBlogは【萬年筆のあるべき姿】と【調整道具】を紹介するものであって、技の手ほどきをするものではない
    技は何本か壊して習得すべし


4.出会う全ての人々を尊敬しなさい。特に、病院で縁の下の力持ちとなっている人々を!
  そのような人々がいて初めてあなたは医師としての仕事が出来るのだから


 → 【WAGNER】で出会う全ての人々を尊敬しなさい。仲間がいてこそ、あなたは物欲の虜となり【高みに堕ちる】準備が整うのです
 → 萬年筆の全ての部品を愛しなさい。特にペン先の縁の下の力持ちとなっているペン芯を!


5.医師にとって興味のない患者はあり得ない。全ての患者は何らかの意味で興味深い存在である!

  それが何かを見いだしなさい


 → 調整師にとって興味のない【生贄】はない。全てのパーツは何かの代替品として役立つ・・・生贄募集!
 → 萬年筆に危害を加えないインクはあり得ない。全てのインクは何らかの脅威を持っている
    どれを使えば被害が少ないかを見いだしなさい



【過去の記事】

Pen Doctors' Rules その7 
Pen Doctors' Rules その6 
Pen Doctors' Rules その5 
Pen Doctors' Rules その4 
Pen Doctors' Rules その3 
Pen Doctors' Rules その2 
Pen Doctors' Rules その1 

  
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2008年02月28日

解説【萬年筆と科學】その70 のかわりに【 資生堂萬年筆 】

2008-02-28 01 今回紹介するのは資生堂萬年筆。そう化粧品の【資生堂】が発売していた萬年筆じゃ。

 国産の古い萬年筆は拙者の収拾対称から外れているので、実際手に取ってみたのは初めて!

2008-02-28 02 天冠にはくっきりとした【花椿】のマークが刻印されている。これはかっこいい!まるでPelikanの刻印のよう。すごく下手な手彫りのようでもあるが、そこがまた良い!

 天冠は胸ポケットに入れて持ち歩く場合、最も目立つ位置になる。従ってMontblancPelikanなどはここにブランドのシンボルマークを入れている。

 ところが、実際には天冠に無頓着というか、扱いの下手なメーカーも多い。Dunhillのドレスコレクションでは、その昔はクリップに【d】のマークを入れていたが、後に天冠に移した。同時にシンボルマークも以前とは変わってしまった。拙者としてはクリップにあったほうが似合っていたなと思っている。

 Cartierの場合、マスト・シリーズでは天冠は非常に賑やか。【must de Cartier】のロゴ、ホールマークそしてCがクロスした小さなシンボルマークが刻印されている。デザイン上、ほかに刻印する位置が無いとはいえ、あまりスマートではない。

 現在の国産メーカーでは、天冠にシンブルマークがあるものは無いであろう。今回初めてチェックしたので調査本数も限られているがな・・・・

 そのせいか、非常に新鮮に感じた。しかもここまでくっきりとマークが残っているのは珍しいのでは?


2008-02-28 032008-02-28 04 構造上は尻軸がはずれるようになっているが、中には欠けたようなネジが・・・元々の構造を知らないので判断のしようがないが、ピストン吸入式では無さそう・・・知っている人いたら教えて下され。

2008-02-28 05 インク窓はうぐいす色でシミ一つ無い。ここも何となくPelikanを彷彿とさせる。首軸部分は左に回せば胴軸から外れる。そこからインクを入れ、首軸を締めて使うのだろう。インキ止めにはなっていない。

2008-02-28 062008-02-28 07 こちらが拡大画像。ニブにも【∫hi∫eido】のロゴが刻印されている。Special Endlessが何を意味するのかはわからない。それにしても横から見るペン芯の感じもPelikanにそっくり!ここに至って【Pelikan 100N】を相当に意識して作った物だと確信した。

2008-02-28 082008-02-28 09 ペン先はともかく、ペン芯はじっくり見なければPelikan製と間違えるほど似ている!

 空気をペン芯から取り入れる際の溝やスロープのつけ方もほとんど同じ。今なら訴訟問題になりそうじゃ。

 

2008-02-28 102008-02-28 11 依頼事項は引っ掛かりを無くしてスムーズにかけるようにとのこと。スチールペンは研がない主義なのだが、ペン先の素材が単なる白ペンには思えなかったので、やってみた。スリットを拡げ、ペンポイントを筆記角度に合わせて研磨した。

 驚いた!非常に弾力のある極上の書き味!代用ペンと呼ぶのは失礼かも知れない。小さなペンであるからこその工夫があったのであろう。先端部のお辞儀(軽いコンコルド状態)に秘密があるのかも知れない。これは使い込んで楽しむペンじゃな!

  
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2008年02月27日

水曜日の調整報告 【 Montblanc No.142 14C-M 壮絶なる死闘 】

2008-02-27 01 今回の依頼品はすごかった・・・。調整と言うよりも修理・現状復帰準備作業に時間がかかった!

 物はMontblanc No.142。小振りでかわいいテレスコープ吸入式じゃ。この時代のMontblancはセルロイドの素材に問題があったのか、大いに痩せてくれる。キャップが痩せてボコボコになるのは仕方ないが、メスネジの部分がやせてネジがきつくなったりする。この個体ではキャップを尻軸方向からに真っ直ぐには挿せなくなっている。

2008-02-27 02 ペン先はスリットが詰まってインクの出が悪い。これはいつものこと。汚れも少なくてなかなか良い状態ではないか・・・と思ったのだが、それが大きな間違いであったことは後にわかる!

2008-02-27 03 ペン芯と首軸との位置関係はほぼOK。欲を言えばもう0.5ほど首軸内に押し込んだ方が良い。

 ペン芯の凹み部分がごくわずかに首軸から見えている状態が一番美しい。

 このペン芯は1950年代後半の厚いペン芯。こちらの方がフラットなペン芯よりもインクを保持する能力は高い。だが、多くの1950年代愛好家はフラットフィードを好んで使うようじゃ。拙者もそうだったがな・・・

2008-02-27 04 ペンポイントの拡大図を見ると、上から見て左側のペンポイント(左画像ではむこう側)が少しだけ下にズレていることがわかる。

 ペンポイントはほとんど摩耗しておらず、非常に良い状態じゃ。それが何故にオークションに安く?出たのか不思議に思っていたのだが・・・後にその理由はわかる!

2008-02-27 05 首軸もソケットも接着剤で固定してあった。厚いお湯を入れた超音波洗浄機に長時間かけてから作業したので外れたが、そうでなかったら尻軸側からのコルク交換というハイリスクな作業をやらねばならなかったはず・・・

 こんな所に接着剤やパテを使うなんて言語道断じゃ!Vintage萬年筆の修理は、遠い将来の修理まで考えてやらなければならない。【この萬年筆はオレ一代だから・・・】なんて甘い考えはいかん!休死したらコレクションは全て処分されると考えた方がよい。そういう時には接着剤で固定された萬年筆は二束三文になってしまう。Vintage萬年筆は修理されながら使われるのじゃ!絶対に接着剤で固定してはいけない。インク漏れくらいは我慢せよ!

2008-02-27 06 これこそがこの萬年筆が手放されることになった理由。べっとりと紫色のインクがついている。これは萬年筆用のインクではない。胴軸内に残った同じインクは、スポンジのようにプワプワしながらこびりついていた。

 ロットリング洗浄液にも溶け出してはこなかった。化学療法はあきらめて、ヒゴで削ぎ落として、それをピンセッで除去するという・・・気の遠くなるような作業を行った。

 ちなみに上図下側のペン先画像は、清掃とスリット調整を施したペン先。見違えるように綺麗になったのがわかろう。

2008-02-27 07 弁は通常のコルクから樹脂に変わっている。その樹脂に亀裂が入ってインクが後ろに回っていた。それを除去して、ここまでになった。

 あとは弁の代替品を見つけるだけじゃ。ここで今回は新兵器を
試みた。

2008-02-27 08 左が修理用のコルク。多少外径は大きくなっている。これをサンドペーパーで削って弁として使用するのじゃ。

 今回は耐久性を考え、シリコン樹脂で弁を製作してもらい、それを削って大きさを合わせようかと考えたのだが・・・見事に失敗

 シリコン樹脂が柔らかすぎてサンドペーパーでほとんど削れない。どんなに強くサンドペーパーに擦りつけても削れない!この作業は6時間が経過した段階であきらめてコルクを使うことにした。徒労の6時間!しかしこれで新たな配合のヒントが得られた!耐久性を考えると、このシリコン樹脂の弁はどうしても完成させねばならないのじゃ。

2008-02-27 09 さらなる問題点を発見!尻軸をねじ込む部分に亀裂が入っている。筆記にはいっさい問題はないが、亀裂が大きくなってはやっかいじゃ。

 そこで【アロンゆるみ止め】をクラックの中に挟むようにして接着。これで空気が漏れるようなことはない。一番危ないのは胴体洗浄の際に、クラックから水分が胴軸内に染みこみ、テレスコープ機構を腐食させる事。クラックを甘く見てイカンのじゃ。

2008-02-27 10 こちらが首軸に装着したペン先。スリットの具合もペン先とペン芯との位置関係もほぼベストじゃ。

 これくらいスリットが空いていれば、人並み外れて筆圧の低い依頼者でも、書き出しでインクがスキップするような事にはなるまい。ペンポイントに独逸製5000番の耐水ペーパーでかすかに傷を付けると、書き出しでのスキップが嘘のように消える。お試しあれ!

2008-02-27 11 こちらがペンポイントの研ぎ。ペンを寝かせて書く依頼者に合わせて、かなりペンを寝かせた位置にスイートスポットを作ってみた。

 持った人にしかわからないスイートスポットというのは、調整師にとって密かな楽しみなのじゃ。依頼主が気付くかどうかワクワクしながら試し書きを見入ってしまう。



【 今回執筆時間:14.0時間 】 画像準備2.0h 調整10.0h 執筆2.0h

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調整とはペンポイントの調整をしている時間
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2008年02月26日

火曜日の質問コーナー その21

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、質問コーナーを設けているが、第21回目の今回はどの分野の質問でもOKじゃ。


今回の質問は一日に使う萬年筆の本数に関するもの


あなたは過去一週間で、一日平均何本の萬年筆でまたは
を書きましたか?


拙者は自分の萬年筆が3本、調整依頼品が3本の平均6本/日じゃな。裏定例の調整18本も含めてじゃよ。



26日 pm11:30 での結果!


1本:3人
2本:4人
3本:4人
4本:9人
5本:6人
6本:1人
7本:1人
8本:1人
9本:1人


 想像していたよりも使用本数が少ないというのが第一印象。

 拙者の最盛期は1日に18本〜20本くらい使っていた。

 もっとも試し書きや調整戻りのテストが主体だったので、筆記に使うとすれば、4〜5本が普通かも・・・

そして結果は・・・



 4本が一番多かった!

  
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2008年02月25日

月曜日の調整報告 【 Pelikan 1931 ホワイトゴールド スイートスポット 2点 】

2008-02-25 01 今回の依頼品はPelikanの復刻モデルの中で最も人気の高い【Pelikan 1931 ホワイトゴールド】じゃ。もちろん無垢ではなく、ホワイトゴールドの貼り。すなわち薄くのばしたホワイトゴールドを萬年筆の周囲に貼り付けてある。この手法は鍍金技術が発達していない時代に多用されたが、それを敢えて復活させようとしたところにPelikanの意地がうかがえる。

 拙者はPelikanの復刻モデルは全て購入したが、やはりこの【Pelikan 1931 ホワイトゴールド】が一番好きじゃ。唯一2本持っているモデル。拙者のハンドルネームになっている【Pelikan 1931 金無垢】も二本購入したが、現在では一本しか所有していない。

2008-02-25 02 今回の依頼は、インクフローの向上と、ペン先段差解消、並びにキャップを後ろに挿した場合と挿さない場合に合わせてスイートスポットを二ヵ所作ること。

 ペン先は当時のPelikan 100とは異なって18金製で弾力はほとんど無い。もし当時と同じような弾力のあるペン先で、ペン芯もエボナイト製であれば、どれだけ売れたか見当もつかない。刻印はそっくりだが、ベースのペン先の形状がM400と同じ!

2008-02-25 03 ペン先先端付近を拡大して見ると、たしかにスリットは詰まっている。これではスムーズなインクフローは得られまい。

 これは不良品ではなく、全てがこういう調整を施されて市場に出されている。Pelikanだけではなく、ほとんど全てのメーカーがスリットを詰めて出荷し、技術のある販売店やペンクリでスリットを開く
作業を施している。EFやFはともかく、M以上はスリットを広げて出荷してはどうか?それならば店頭での試し書きで感動して購入する人が増えると思うがな。

2008-02-25 042008-02-25 05 ペン先とペン芯の位置関係で言えば、ほんの少しペン芯を後退させた方が好きじゃ。

 ペンポイントは綺麗な形状に研がれて出荷されているが、スイートスポットがまだ作られていない。従ってどこで書いても多少【ゴツゴツ】した感じがする。インクフローが悪いのでつい筆圧が高くなり、【ゴツゴツ】感をさらに強く感じてしまう。

2008-02-25 06 ペン先を前から見ると、左右の段差がある。段差自体は悪いことではない。もしペン先を左に倒して書くのであれば、左画像のように段差を付ければ、いっさい研がなくても絶妙の書き味になる。

 引っ掛かり感は紙の上でペンポイントを引きずる時に発生するものなので、引きずる角度にあわせた段差を付ければ問題は解決するのじゃ。

 拙者は段差自体がきらいなので、ペンポイントの腹側を斜めに削るが、段差を付けるだけで解決する場合も多い。メーカー・ペンクリなどでよく使うテクニックじゃ。これなら自分でも出来るであろう。特に最近の18金製のペン先は、弾力が無くて柔い(やわい)ので、力を入れればすぐに変形するのでやりやすい。柔らかい柔いを使い分けているので注意されたし。
2008-02-25 07
 ペン先をソケットから外し、エラの部分を握ってペン先を左右に引っ張るようにグイ!と力を入れると、スリットは簡単に開く。これが最近の18金製ペン先のありがたさ。Vintageのニブは鍛金されているので、力を入れて曲げてもすぐにポヨーンともとの形状に戻ってしまう。また大きくお辞儀しているのでスリットはガチガチに詰まっている。VintageのPelikanは筆圧をかけてペン先を開きながらインクを出す設計になっているのじゃ。弾力はあるがスリットは詰まっている!代表がPelikan 140じゃ。

2008-02-25 082008-02-25 09 スリットを開く際には左画像程度が一番良い。先端が開きすぎるとインクを引っ張る力が小さくなってインクの追従性が悪くなる。特に筆圧の低い人はポンプ運動の応援が得られないので不利じゃ。筆圧の低い人は、ゆっくりと筆記すべきじゃろう。筆圧は低いは、はや書きだは、太字が好きだは、ペンを寝かせて書くは・・・では満足な萬年筆に巡り会えないと心得よ。

2008-02-25 10 依頼者はペン先を真っ直ぐに紙に当てて書くので、段差は解消しておく必要がある。

 左は2点のスイートスポットを入れる前のペンポイント。

 ここまで準備して初めてペン先研磨となる。ペン先調整で最も時間をとるのは、【現状診断と調整方針の決定】プロセス。その次に実施するのがインフラの整備ともいえる【正しい状態へのセッティング】。ペン先研磨は最後の瞬間にチョコっとやる程度。壮絶な音を立てる場合もあるが、始めた段階で結果は見えている。拙者にとっては単なる作業。重要なのは研磨に入るまで!ベースがしっかりしていないとペンポイントだけ研磨しても片手落ちなのじゃ。

2008-02-25 11 こちらがスイートスポットを二個入れたペンポイント。画像で見ても分からないが、書いてみればすぐに分かる。スイートスポットは点ではなく面であり、二つのスポットは繋がっているように感じられるはず。早い話が書き味の良い部分が広く感じられるということ。

 通常は2つのスイートスポットで十分。裏書きする人にはもう一つ。しかし【ダメ出しの女王】様は、5つのスイートスポットを所望される・・・・ しかも【なんちゃってスイートスポット】はすぐに見抜かれてしまう。良い勉強になりますぞ!


【 今回執筆時間:5.5時間 】 画像準備2.0h 調整1.5h 執筆2.0h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間 
 

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2008年02月24日

Parker Encyclopedia その7

2008-02-24 012008-02-24 02 今回は当時のパーカーの小物カタログ。こういう情報は貴重。ところどころに驚くべき事が書かれている。

 パーカー・クインクの項には【ソルベックスが含まれています】と誇らしげに書かれている。

 また【黒・濃紺・赤はパーマネント、青はウォッシャブル】とも・・・

 確かにVintageのパーカー・インクには【Permanent Red】とラベルに書かれたものはあるが、1987年の段階で赤や黒がパーマネントという事は考えにくい。当時書き残した書類は残っていないので耐水性をテスト出来ないのが残念!

 つっこみを入れたくなるのは、【カートリッジインクは一本で平均10000文字筆記できます】という部分。下に出ているペン先の【XXB】で書いたら、その20%の文字も書けないと思う。【XFで書いたなら・・・】というような条件文を入れておくべきだったな。そうすれば、よりXFが売れたであろう。当時はカートリッジインクに対する割高感が非常に高かったから・・・

 一方のローラーボールは太さがFしかないので【一本のレフィルで平均2,000辰良記距離があります
】という記述は正しい。

 ボールペンのレフィルは、太さを規定しないで【平均筆記距離は8,000辰發△蠅泙后扮筆型の標準は1,500叩】と書いてあるので、これまた片手落ち・・・ そういえば、スタビロの鉛筆型のボールペンで【スタビロ3km】というのを20年ほど前に使った記憶がある。きっと3,000筆記できるのが自慢だったのだろうな。

 萬年筆のペン先の種類は8種類が紹介されているが、実はもっと多かった。Parkerは非常に多くの種類のペン先を準備しており、ニブ単体でも販売していた。BとXXBのあいだにXBというのもあったし、極太イタリックもあったらしい。

 5年ほど前に購入したソネット用金一色ニブには、ペン芯に【S】と刻印があるが、形状は左傾斜のオブリーク・イタリック、右傾斜のオブリーク・イタリック、XXBでペンポイントが厚いニブ・・・などがあった。

 最近ペンクリでは、かなりの比率でペン先を右傾斜させて書く人に出会う。そういう人がBやBBを使おうとしても、ほとんどのケースで書き出しでインクが紙につかない。書き癖の矯正指導が出来る人がいないのであれば、ある程度右傾斜しても書ける調整の萬年筆を世に出していくか、店頭調整師養成講座でも実施すべきであろう。


 ボールペンを【どらえもん持ち】で書いていた人は、萬年筆を使うようになっても右傾斜の癖は抜けない。そして右傾斜の方が一般的には書き味が良い。特に左から右に線を引く事が多い漢字には!

 拙者は【どらえもん持ち世代】ではないが、筆記時には若干右傾斜となる。
それに適した調整は簡単だが、調整師はどこにでもいるわけではない。

 メーカーには、可能であれば右傾斜のオブリークを準備していただきたい。まずは、ペンクリでよく筆記角度を観察することをお奨めする。萬年筆に嵌るにつれて、筆記角度が右に寄る確率が高くなるようですぞ。


2008-02-24 032008-02-24 042008-02-24 05 パーカーの木箱類について、当時は【しょうもない!】 と考えていたが、いま見ると非常に魅力的じゃ。全て捨ててしまったのが悔やまれる・・・

 【THE BOOK】は1.5万円。当時は「しょぼい箱に15,000円も払うかい!」と思っていたが、皆そう思っていたからこそ数が出ていないはず。実際ほとんど見かけた事はない。

 コレクションのコツは【皆が欲しくないと思って売れていないものほど、将来希少価値が出る】可能性が高いのでは?と考えてみるる事じゃ。

 PK-05のスケジュールブックなどは使ってみたかったな。自分でというよりも秘書に渡して管理させるという・・・昔のハリウッド映画の世界。

 当時拙者にも秘書はついていたと思うが、汎用機のスケジュール管理&メールシステム【PROFS】を自分で操作していたので、スケジュールブックは使わずじまい・・・今考えれば残念じゃ。


【過去のシリーズ記事】

Parker Encyclopedia その6 
Parker Encyclopedia その5 
Parker Encyclopedia その4 
Parker Encyclopedia その3 

Parker Encyclopedia その2
Parker Encyclopedia その1 
  

  
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2008年02月23日

土曜日の調整報告 【 '80年代後半 Montblanc 14K-M 再鍍金 】

2008-02-23 01 今回の依頼品は調整ではない。所有者は【しんのじ】しゃん。拙者らすとるむしゃんに続く、三人目の萬年筆研究会【WAGNER】認定調整師

 WAGNER入会以前、【ダメ出しの女王】の萬年筆を調整し【良くってよ、ご苦労さま】とお褒めをいただいた事があるという輝かしいキャリアの持ち主。拙者のBlogは隅々まで読み、それに独自の改良を加えた調整方法を体得している。

 これこそが、拙者が待ち望んでいた事。そして既に認定取得に向けて準備中の人も何人かいる。それぞれが得意分野を持ち、萬年筆研究会【WAGNER】認定調整師軍団全体としてかかれば、プロの調整師に負けない生産性を発揮できるようになりたいものじゃ。

2008-02-23 02 今回の依頼内容は【再鍍金】。Montblanc No.149中白ニブだったのが、プラチナ鍍金が剥がれて、金一色に近くなってしまったらしい。

  なで肩クリップ、ラッパ型首軸先端、14Kニブ・・・No.149の歴史上、最もヘビーライター向けのモデル!

 同じNo.149であっても、個体によって調整方法は変わる。それぞれの特長を生かした調整にすることが必要。個性を殺して、同じような書き味にしてしまうのは冒涜じゃ。

 拙者は利用者中心主義ではない。利用者好みと、萬年筆の(特徴ではなく)特長調和させる事を【調整】と勝手に定義している。

2008-02-23 03 しんのじしゃんが自分用に調整したペン先先端の拡大画像。絶妙にペンポイントが腹開きになっているのがわかるかな?

 ペン先のエラを上側に反らす事によって腹開きを実現しようとすると、ペン先を前から見ると、ガルウィングのようになってしまう。ガルウィングにならないで、ペンポイントを腹開きにするには、ペン先を首軸ユニットから外して調整するのがベスト。

2008-02-23 04 ペン芯が首軸に入っている位置もベストポジション。ペン芯のフィンが切れたところが首軸から少しだけ見える位置が一番美しい。ペン芯とペン先も位置関係は、拙者と少し趣味が違う。拙者はもう少し、ペン先が前にある位置が好きじゃ。鍍金はペン先を外して行うので、アセンブルする際に、こっそり拙者の好みの位置に直してみよう。書き味にはまったく変化が無いはず
・・・こういうイタズラが出来るのは・・・【生贄】だから!

2008-02-23 05 これがペンポイントの拡大図。おもわずニヤリとしてしまった。しんのじしゃんは、縦方向の筆記角度が一定で字を書くようじゃ。横書きの方が多いのかな?

 筆記角度が一定の場合は、先端のエッジは落とさない方が書き味が良い。エッジを丸めることによって接紙面積が狭くなり、単位面積当たりの重量が大きくなることによって、紙に食い込む感じが強くなる。

 ただし、筆記角度を変化させながら書く人用の調整でエッジを残すと、悲惨なことになる。少し角度が変わるだけでガリガリと紙をひっかいてしまう。そこでそういう人用の調整ではエッジを丸める。

 ダメ出しの女王様のように、手首が柔らかい方の場合は、どこにエッジがあっても全てダメ
が出る。そこで鍛えられているので、しんのじしゃんは硬軟使い分ける事が出来るようじゃ。自分用はエッジを残して書きごこちを優先し、女王様用は無エッジ調整を施す・・・

 調整師のタイプとしては、市販車レース型と、パリダカ型がある。

 市販車の破綻のない美しさを維持しつつ、極限まで性能を出すタイプ(性能を引き出せるだけのテクニックを利用者に求める)。徹底的に利用者の要望に応えるべく装備を強化させるタイプ(燃費無視・・・)。そして両者の間に無数のバリエーションがある。

 らすとるむしゃんはパリダカ型の極にいる。キングイーグルなどもこのカテゴリー。拙者は市販車型とパリダカ型の中間付近にいて、すこしずつ市販車レース型に移行しようとしている。しんのじしゃんはどのあたりにいくのか、今から楽しみじゃ。3年ぐらいすると方向性が固まるじゃろう。

 拙者の目指す姿は【手術をしない外科医】、【ガンを治す気功師】。ペンポイントを研がないで依頼者を良い気持ちにさせる調整師、口で気持ちよくさせる調整師、口で逝かせる調整師・・・それもありかな・・・良い萬年筆を後世に伝えるためには・・・


2008-02-23 06 さて本題。鍍金前のペン先は徹底的に金磨き布で研磨し、表面を鏡面にする必要がある。鍍金は滑らかな面にしかかからない。梨地やマット状の金属には鍍金出来ないのじゃ。

 磨きが終わったら、鍍金機を使って脱脂する。この脱脂に一番有効なのは青酸カリらしい。さすがにそれは手に入らないので、ペンタイプの脱脂液を使う。

 本来はプラチナを鍍金するのだが、拙者が持っている鍍金機にはプラチナ鍍金液のオプションが無い。ロジウムを金にそのまま鍍金すると黒っぽくなるので、ベースにニッケルを鍍金してからロジウムを鍍金する。こうするとプラチナに負けないほどの輝きを得ることが出来る。これ貴重なノウハウでっせ!

2008-02-23 07 これが鍍金が終わった直後の状態。周囲に緑色した気色悪いものがこびりついているが、これが鍍金マスク液。これがあれば綺麗なマスキングが出来る。これまで瞬間接着剤やセロテープ、マスキングテープなを使ってみたが、鍍金液がつくとすぐに剥がれてしまう。やはりこの鍍金マスク液が最強じゃな!

2008-02-23 08 鍍金マスク液は塗って数時間経過すれば、ゴム状になる。スパイ大作戦の変装の名人が変装を剥がすときのように、ピリピリと一挙に剥がすことが出来る。実に気持ちいい。

 けっこうおもしろいので、いろんな物に塗っては型どりして楽しんでいる。

2008-02-23 09 こちらが出来上がり。よほど意識して見ないとプラチナかロジウムかは分からないはずじゃ。

  元々のNo.149のプラチナ鍍金は、模様とかなりズレて鍍金されている場合が多い。この鍍金はペン先にシールのような物を貼り、電流を通して鍍金するようなタイプらしい。従って貼りの段階のズレが最後まで影響してしまう。

 鍍金マスク液は筆で塗るので、手先さえ多少器用ならメーカーよりもズレの少ない鍍金が可能じゃ。拙者の使っている鍍金セットはプロメックス。ぜひお試しあれ。拙者は10年以上前から使っている。一度買い換えたかな。


【 今回執筆時間:6.0時間 】 画像準備1.5h 鍍金2.0h 執筆2.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間 
 

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2008年02月22日

Pen Doctors' Rules その7

Doctors Rules 今回は回目。

 まずは青字の文章を読む。

 それに対する拙者の 本音ギャグ を下に書いてある。

 これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。


1.薬とは患者の気分を良くするものであって、悪くするものは薬ではない
  
難解な日本語なので英語併記:Drugs should make patients feel better, not worse.

 → 調整とは、書き味を良くするものであって、悪くするのは調整とは呼ばない【調整と器物破損は紙一重】
 → 調整師とは、依頼者の気分を良くするのが使命であって、書き味を良くすることにはこだわらない
 → インク誘導液とは、インクの流れを良くするものであって、発生したカビでペン芯を詰まらせるものではない
 → 新しい萬年筆の購入とは、萬年筆愛好家の気分を良くするものであって、後悔させるものは【良い萬年筆】とは呼ばない

2.薬で患者の気分が悪くなったら、投薬を中止し、かわりの方法を見つけなさい
  

 → 調整で女王の気分が悪くなったと感じられたら、調整を女王にまかせ、ランチにでかけよう
   1.5時間後にもどればペンポイントは無くなり、調整する手間は省ける・・・
 → ブルーブラックインクを入れてインクフローが悪くなったら、深紅のインクを入れなさい。インク窓を斑に染めてくれます!


3.痛みや重い症状、人生の不幸、あるいは医師が助けにならなかったことなどについて
  笑みを浮かべながら訴える患者には要注意


 → 落札時の苦労、運送中のトラブル、あるいは調整師にみせたら書き味が悪くなったとなどを
    笑みを浮かべながらとめどなくしゃべる患者には要注意。調整中は話しかけるな!


4.患者の顔を観察するようにしなさい
5.患者の鼻孔の大きさを観察するようにしなさい
6.最初に下唇、次に上唇を観察するようにしなさい
7.顔の皮膚の色を観察するようにしなさい

 → ペン先の段差を観察するようにしなさい
 → ペン先のスリットの幅を観察するようにしなさい
 → クリップの裏の錆びを観察するようにしなさい
 → ペン芯の溝に残ったインクカスを観察するようにしなさい
 → 吸入ポンプの硬さを確かめるようにしなさい
 → ペン芯の中央とペン先のスリットがずれていなか観察するようにしなさい
 → ペンポイントの理想的な形状と、残ったペンポイントの量から妥協できる形状を素早く決定しなさい
 → ポチっと押す前に、預金通帳を観察しなさい
 → ポチっと押す前に、カミサンに見つかった場合のリスクを算定しなさい


8.患者と話しをしているときに、話題が変わると呼吸数が変わることに注意。吸気時に肩の上縁が動く

 → 8の字旋回をしているときに、話しかけられると旋回回数に影響を与えることに注意。調整中は絶対に話しかけるな!


【過去の記事】

Pen Doctors' Rules その6 
Pen Doctors' Rules その5 
Pen Doctors' Rules その4 
Pen Doctors' Rules その3 
Pen Doctors' Rules その2 
Pen Doctors' Rules その1 

  
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2008年02月21日

解説【萬年筆と科學】 その69のかわりに【 偽Pelikan M600 W.Germany 】

2008-02-21 01 最近独逸のeBayで落札したもの。拙者の大好きな初期のPelikan #600 W.Germanyじゃ。現行のM600よりは小さく、M400と同じ大きさ。この時代の18Cのペン先はヘロヘロに柔らかく、短時間のイタズラ書きなら至福のひとときを与えてくれる。長時間には向かない。

 拙者が初めて買ったPelikanが#600だったということもあり(しかもすぐに叩き折った)、回りから見ると異常なほどの#600好きじゃ。

 独逸人に限らず、欧州の人々は物を大切にする。従って萬年筆も中古にはアセンブル(いろんな万年筆の部品を組み合わせて一本にしたもの)が多い。また何とか修理して使おうとして、途中で挫折したようなものがいっぱいある。

 そういう事もあって独逸eBayはそれほど活発な市場ではなかったが、近年、出品数が増えてきた。こういう時は要注意!質の悪いSellerが増える。現在では良い物を出品するSellerは米国eBayにほとんどが移ってしまったようじゃ。

 従って、最近拙者も独逸eBayは、右から左に受け流す〜 状態だったのだが、【W.Germany】という文字をキャップから読み取って、目が曇った・・・

2008-02-21 02 上は拙者が持っている本物の#600 W.Germany。下が今回送られてきた物。確かにキャップにはW.Germanyと彫られているが、尻軸のリングが細い。これはM250系の尻軸に間違いない。やられた!アセンブル物じゃ!

 独逸という国も、独逸人も大好きだが、eBay独逸に出品している奴は大嫌い!いままで何本も購入したが、いずれもどこかにチョンボがあった。部品取り用市場と考えた方が良さそう・・・

2008-02-21 03 こちらがキャップを外した画像。上が正しい#600で、下が今回のチョンボ品。首軸はやはりM250系。そしてなんと金鍍金ペン先がついている。これは初代ペリスケについていたのと同じ物。あまりに酷い。

 メールで苦情を言ったら、【私の表現は100%正しい。18Cのペン先がついているとは書いてない】と言い張る。

 そこで【私はかくかくしかじかの者で、私との取引に置いて、今回のような詐欺行為をする事は、あなたの今後に大きな不利益をもたらすであろう。詐欺行為を認めてお金を返しますか?】と返信した。

 【私は詐欺行為は一切していないが、eBayのルールに基づき、品物が到着したら返金はする】と言ってきた。独逸人らしい返答じゃ。以前、品物を返送しても返金されなかったトラブルがあり、eBay提訴した事もあったが、結局はどうにもならなかった。こういうトラブル時の面倒見の悪さがたたって、eBayの業績は今一歩。
昔の雑誌の片隅にあった【売ります・買います】コーナーの売り主から掲載手数料を取るような形態は今や古すぎる。もっとエレガントなビジネスモデルを考えないと、株主から見放されてしまうかもしれない。

 こんなまがい物持っていてもしようがないので、勉強代のつもりで、返品してみることにした。


2008-02-21 04 こちらが正しい#600のペン先。まったくの未調整なのでスリットは詰まっている。コレクションには調整を施さないのが拙者の(最近の)主義じゃ。こんなすばらしいペン先はもったいなくて使えない。

 将来は、この柔らかさを必要とする人のもとへお嫁に行くことになるのだろうが、その時までは、磨いたり眺めたりして楽しみたい。


2008-02-21 05 これが今回のペン先。インクは付けていないが、ペリスケと同じペン先なので、かなり柔らかく書き味も秀逸なはず。実際、ペン先の斜面はこちらの方が急角度。

 しかし実際に書いてみると、その柔らかさの違いは大きい。#600のペン先は#700トレドの初期と同じニブ。もう別次元の柔らかさ!柔らかいだけで字形が整うわけではないが、ペン先を紙の上に這わせているだけで癒しの効果があるのじゃ。

 同型の18C-BBニブ付きの#700トレドを持っているが、こちらは拙者が死ぬまでお嫁にやらないつもり。棺桶に入れるのではなく、銘品として将来に伝えたい。このペン先に触発され、柔らかいペン先を持つ萬年筆が将来製造されることを祈りつつ・・・



  
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2008年02月20日

水曜日の調整報告 【 Pelikan 100N 14C-KF あやしいペンポイント 】

2008-02-20 01 今回の依頼品はPelikan 100Nじゃ。ごく普通のグリーンマーブル軸なのだが、なんとなく怪しい雰囲気を漂わせている。萬年筆研究会【WAGNER】の裏定例会でも、さんざんと話のネタになった一本!Pelikanに詳しい人ほど【怪しい!】というのだが、決定的証拠がない・・・結局は誰も結論を出せないまま生贄になってしまった。

2008-02-20 02 ペン先の刻印を見ると、文字がなんとなくぎこちない。ただ、第二次世界大戦直前に作られた物であれば、それもありかな? そもそも、刻印機の前に14金製のペン先こそ供出させられたのではないか・・・など様々な意見が出たが、だれも結論を出せないまま灰色決着した。

 こんな面倒なペン先など、誰も偽造はしないだろう・・・というのが結論。すなわち疑いは晴れた!

2008-02-20 03 ペンポイント周囲を拡大してみると、スリットは先端部で両側から押しつけられている。これではインクの出が極端に悪いはずじゃ。しかも先端部に紙の繊維のようなものが詰まっている。これでは字形が崩れてしまう。

 非常に綺麗に研がれたペンポイントだが、スリット調整だけは必要らしい。ペン芯の位置は絶妙で文句の付けようがない。

2008-02-20 042008-02-20 05 横から確認しても非常に美しく見える位置になっている。こういう綺麗なセッティングが出来る人はそう多くはない。

 ペンポイントはクーゲルというだけあって、丸い形状をしている。こんなに丸い形状のニブには初遭遇じゃ。シャイベンとはまったく違った形状に研ぎ上げられている。良い物を見せてもらった・・・

2008-02-20 06 このように簡単にピストン機構が外れるのがPelikan 100からの伝統。

 400からは
外れなくなったのは残念だが、Pelikan 100の復刻版【Peikan 1931】などでは、同じようにピストン機構を右にねじれば外れる。お試しあれ。

2008-02-20 07 このペン芯は非常にシンプルなデザイン!まるでPelikan 100のペン芯のよう・・・ 

 ただし拙者は100も100Nも持っていないので、どれが正しいか言い当てることは出来ない。

2008-02-20 082008-02-20 09 左が調整前のニブの表裏で、右が調整後のペン先。

 ペンポイントの反射を避けるために、左右二方向からスキャンしている。

 この画像でもわかるように、多少の傷は金磨き布でゴシゴシ擦れば、すぐに消えてくれる。ただしゴシゴシ!に際しては必ずインクを抜いてからやって下され。インクや水分が軸に残っていると金磨き布が悲惨な状態になりますぞ!

2008-02-20 11 これがペン芯にセットした状態でペン先部分を拡大した画像。ちゃんとペンポイント部分に隙間があるのが分かるであろう。こうすれば、少なくとも、書き出した後のインクフローの問題は無くなる。

 あとは最も重要な、書き出しの掠れが無いようにする調整。筆圧が下がるにつれて、また、ペンを寝かせて書くようになるにつれて、書き出しの掠れの確率が高くなるのじゃ。この掠れには多くの人が悩み、また調整師もそれぞれに秘技を持っている。いわゆる腕の見せ所!

2008-02-20 12 拙者の場合は、依頼者の筆記角度で320番の耐水ペーパーで荒削りし、その後で2500番の耐水ペーパーでで形状を整え、金磨き布でバフがけする。この状態ではインクは掠れる可能性が高い。そこで最後に5000番の耐水ペーパーでペンポイント表面に少しだけ傷をつける。従来はこれで終わりだったが、最近新兵器で仕上げをしている。

 書き出し掠れに最悪なのが15000番や10000番のラッピングフィルム。これらは小片を手に持ってエッジの引っ掛かりを落とす物であって、この上でペンポイントを擦ったらとんでもないことになる。間違わないようにな。



【 今回執筆時間:5.5時間 】 画像準備2.5h 調整1.5h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間 

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2008年02月19日

火曜日の質問コーナー その20

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、質問コーナーを設けているが、第20回目の今回はどの分野の質問でもOKじゃ。

前回の質問コーナーで orichan しゃんから質問があった件もよろしく!

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☆質問です。 by orichan
モンブランのブルーブラックインクをお使いの方にお聞きします。
最近、インクの色や組成が変わったと感じているのですが如何ですか?
耐水性も無くなりはしていないのですが以前のように強力ではなく、
今までウラ抜けしなかったのに抜けるようになった気がするのですが(特にモールスキンで顕著です)・・・。
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 今回の質問はカーボンブラック・インクに関するもの

あなたは以下のカーボンブラック・インクを使ったことありますか?また感想は?



それでは結果発表!




 1:プラチナ・カーボンインク・・・・・・ 14人
 2:金ペン堂製・カーボンインク・・・・・  0人
 3:セーラー・極黒・・・・・・・・・・・ 11人
 4:ペリカン・ファウントインディア・・・  4人
 5:どれもつかったことがない・・・・・・  4人


 金ペン堂製を一人も使った人がいないというのは以外だった。


 上記には入れなかったが、【リソー・カーボンインク】というのもあった。プリントゴッコ用のインクで、古山画伯も愛用していた。作っていたのはプラチナ

 このインクからは強烈な墨の臭いがしたが、固まったりはしなかった。プラチナ・カーボンインクは、このリソー・カーボンインクの改良版と思われる。

 
 拙者がプラチナ・カーボンインクに執着する唯一の理由は、ポンちゃん と ぽん太郎しゃんが指摘している【罫線や脂分があってもスキップしない】こと。

 リソー・カーボンインクで不満だったのもこの部分。極黒は後発なだけに大いに期待したのだが、むしろ詰まらない・裏抜けしにくいことを重視して開発されたようで、脂分や罫線では多少スキップしてしまう。 

 目的によって使い分けるべきじゃろうな。

 ちなみにファウントインディアはスキップもするし、固まりやすい。また軸内で固まった時にフケのような粒子が大量にペン芯の溝に付着した記憶がある。ロットリング洗浄液で綺麗に洗い流せるが、ペン先ユニットを分解して組み立て直す技量が必要となる。

 プラチナ・カーボン極黒では、水洗浄後、ロットリング洗浄液を吸入して洗浄すれば万全。ただし拙者はコンバーターでしか使わない。理由は吸入式だとロットリング洗浄液が大量に必要だから・・・以外としみったれなのじゃ

  
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2008年02月18日

月曜日の調整報告 【 プラチナ Sterling Silver 地獄からの復活 】

2008-02-18 01 今回の依頼品はプラチナの純銀軸プラチナ・プラチナの細軸と同じ形状だが、首軸にプラチナニブを示す象眼がはいっていないものじゃ。

 プラチナ・プラチナプラチナ合金ニブは現行品も含めて全て使ってみたが、素材が硬くて弾力は一切無い!従って太字に関してはおもしろみがない。細字であればインクフローで楽しむ余地はある。

2008-02-18 02 今回の依頼品はホワイトゴールド製なので、プラチナよりは柔らかい。

 プラチナ白金と書くと、ホワイトゴールドと混乱する人がいる。白金プラチナであって、ホワイトゴールドとは関係がない。ホワイトゴールドは金に混ぜ物をして銀色の輝きを出した物。

 一般に胴の比率が多いと赤っぽくなり、銀の比率が多いと白っぽくなるらしい。

 くれぐれも白金(プラチナ)とホワイトゴールド(金に混ぜ物をした物)を間違えないようにな!

2008-02-18 03 症状は依頼者自身がペンポイントを耐水ペーパーで削って収拾つかなくなったもの。

 耐水ペーパーは原則として、手に持ってスリスリとペンポイントを撫でるように研ぐものじゃ。下に敷いて、その上でゴシゴシ削るものではない。【例外はスイートスポットを作るとき】

 今回はガリガリとひっかかるポイントをまるめようとしたのだろうが、この状態では、さらに引っ掛かりが大きくなっていたはずじゃ。いわゆる瀕死の状態

 丸く研ぎ出せるだけのペンポイントは残っていない・・・残ったペンポイントであり合わせの書き味を捻出するしかない。そもそも細字を研ごうとしたのが間違い。細字は研ぎではなく、段差調整スリット調整で書き味を出すものじゃ。

2008-02-18 04 拡大してみると、見事・・・

  拙者も調整というか、削りを始めたころ、よくこんな物を作っては捨てていた。なつかしい!

 これを直すには、まずスリットを拡げてインクフローを改善する。しかるのちに、紙に引っ掛からないように最低限の丸みを付ける程度に研磨するのじゃ。

 丸めるのではなく、引っ掛からないようにエッジを落とすだけ。丸めを意識すると、接紙面積が減って、さらに書き味が悪くなるので要注意!

 書き味は接紙面積インクフローの関数として説明できるのが細字の世界なのじゃ。

2008-02-18 06 インクフローを改善するには、ペン先をペン芯から外す必要がある。

 このモデルのようにペン芯を挟み込むようにペン先がセットされているものは、外れるかどうか、最初はドキドキする。失敗すると万事休すじゃ!

 そっとペン先を前から引っ張ったら、ペン先はあっけないほど簡単にペン芯から抜けた。これなら後の作業は簡単じゃ。

2008-02-18 07 まずは左のように、スリットを拡げる。これには安い隙間ゲージを用いる。細字なら0.1伉度で十分だと思う。拙者名0.15ミリの使用頻度が高いようだが・・・

  このペン先の作り方は、一発型押しで形状を作ってから、切り割りを入れるのだと想像
している。先に切り割りを入れてから曲げたら、必ずペンポイントが背開きになるはずだから・・・

2008-02-18 08 こちらが首軸にセットしたペン先。ペン芯にセットして首軸に挿入すると、スリットじゃ若干狭まる。それを計算に入れて、最初のスリットを若干広くしておくのがコツ。2〜3回繰り返せば大体見当はついてくる。

 セットが終わったらいよいよ形成、いわゆる削りじゃ。


2008-02-18 09 残ったペンポイントを丸めつつ、接紙面積を維持しつつ・・・削る。多くの矛盾するパラメーターを整理しながら落としどころを見つけていく作業は嫌いではない。

 やや明るめの画像にしたので、どれほどペンポイントが残っているかわかろう。まさに瀕死の状態じゃ。しかしこれでも依頼者の筆圧と、持っている万年筆の本数から考えれば、半永久的に使える。もしこれ一本!という使われ方をすれば、3年ほどでペンポイントは消滅するであろう。

 なんとか生きながらえて欲しいものじゃ。


【 今回執筆時間:4.5時間 】 画像準備1.0h 調整2.0h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間 

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2008年02月16日

土曜日の調整報告 【 Montblanc N0.142 14C-O はたして直るか? 】

2008-02-16 01 今回の生贄は1950年代前半のMontblanc No.142 14C-O。OFとかOMではなく、単にOというのもあったとはな。

 外見はけっこう綺麗。リングの緩みもほとんど無い。インク窓がインクのシミで見えなくなっている以外はまったく問題はない。

2008-02-16 02 こちらはペン先。ペンポイント先端が衝突して、スリットがO脚状態になっている。これでは毛細管現象が働かない。この状態ではインクはペンポイントまで誘導されないで、途中で止まってしまう。

 拡大画像を見ると、ペン先はOM程度だと思われる。オブリークのニブを極端にいやがる人もいるが、右に倒して書く癖のある人以外には全く問題はない。

 書き癖に合わせてペンポイントの接紙角度を若干調整すればよい。わざわざペンポイントを真っ直ぐに研ぐ必要はない。それどころは、通常ニブよりも表現力が高いので、装飾文字を書くときなどには非常に便利。

 左利き用とか、左捻り筆記用とか言われているが、カリグラフィー用と考えた方が正しいのじゃ。

 ただしペン先を右に倒して書く人にだけは使いにくい・・・書き出しで100%掠れてしまう。今回は多少右に倒す傾向がある依頼者なので、真っずぐに研ぐことにした。


2008-02-16 03 こちらは横顔。なんとペン先とペン芯が離れているのがわかる。しかも半端ではない。これもインクが切れる要因のひとつじゃ。

 左下の図を見ると、水が途中までしか届いていないのがわかろう。ただ、ペンを下に向けて書く場合には、いったんインクが出始めれば問題にはならない。スリットのO脚の方がはるかに根深い問題なのじゃ。

2008-02-16 04 この個体は首軸が外れない・・・コルク交換は首軸を外して前からコルクを押し込むのだが、それが出来なかった。そこで、後からピストンを引っ張り出したのが左の画像じゃ。

 コルクが痩せてインクがピストン機構まで回り込み汚れに汚れている。吸入機構はアルミ中心の素材なのでインクが後ろに回ると溶けてしまう可能性もある。コルクのメンテナンスは必須! ところが首軸が外れなければ簡単にはいかない。

2008-02-16 05 今回は仕方ないので、後ろからコルクをねじ込む事にした。通常は途中にある尻軸をねじ込むメスネジの部分でコルクがボロボロになってしまう。そこで今回は特殊な技を使ってみた。

 コルクを自転車用のサイクルオイルに漬け込み、その後でじわじわと軸に押し込んだ。真っ直ぐに押し込むとネジでボロボロになるので、ゆっくりとねじ込むようにするのじゃ。

 1時間ほどかけてねじ込んだ。いったん胴軸の中にコルクが入れば、またふくらんでピッタリと密着する。さらに胴軸に水を吸い込んで1日ほど置けば完璧。

 コルクピストンの萬年筆は、常にコルクが水分に接していることが重要。インクは使った分だけ毎日補充しておけば、10年間くらいはコルク交換は不要じゃろう。
拙者はそんな面倒な萬年筆はゴメンだがな。

2008-02-16 06 こちらが調整前のペン先。見事なO脚!出荷時点でこのようなO脚を見逃すはずはないので、購入後、落とすか、ぶつけるかして曲げてしまったのを、素人技で直したのだろう。しかもそれを拡げようとして、サンドペーパーを中に入れてゴシゴシ擦ったのではないかな?昔拙者もよくこんな状態にしたものじゃ。

2008-02-16 07 拡大してみると、どうやら上側が曲がっている。しかも曲げたあとで、削っている。従って曲がっているのに、トップの位置はそろっている。

 ピストンの状態からして、プロの仕業ではないが、調整の未経験者ではない。中途半端な知識を持った人が、手に負えなくなって放出したものと考えられる。こういうのが一番始末が悪い。入手するなら実績のあるSellerから入手するのが良かろうな。

2008-02-16 08 こちらがスリット調整後の画像。正直大変だった・・・

 もっと大胆に曲がっていれば直すのは簡単なのだが、ホンの少し曲げるというのはけっこう難しい。一回曲げたのを、もどして曲げ直すというのでは仕上がりが美しくない。

 一回できっちりと曲げる必要がある。なんとかうまくいった。オブリークを真っ直ぐに研ぐのは、慣れれば簡単。上から見た形状だけではなく、ペンポイントの腹の研ぎが腕の見せどころ。ぜひ実験されたし。

2008-02-16 09 こちらが横顔。上の方で述べたように、オブリークはカリグラフィー用途も考慮して作られている。従って、ペンポイントは薄く、横が細く、縦が太い字巾になる。

 すこし角度を変えてScanしたが、ペン先とペン芯との間の隙間が無くなっているのがわかろう。今回は薄いペン芯なので、ペン芯の方をお湯に入れて柔らかくし、上に反らして冷水で固定した。


 コツは多少反らせを強くし、ペン芯の上にペン先を乗せて首軸に突っ込んだ際、ペン先が左右に開き気味にする。そしてその状態でお湯に浸けると、ペン先がもとに戻ろうとする力で、ペン芯の反りがだんだんと少なくなる。適当な位置に来る一瞬前に取り出して冷水に入れ、位置固定するのじゃ。

2008-02-16 10

 最後の研ぎは、書き癖に合わせて多少番手の小さいペーパー(粗め)で研ぎ、金磨きクロスで8の字旋回でバフがけした後、ペン先のスリットを十分清掃する。この清掃が足りないとゴミが残って、インクが出ない。
 最後に紙の上でインクの出を確認し、書き出しでインクがスキップすれば、5000番の耐水ペーパーの上で、5个曚匹覆召譴于魴茲垢襦お試しあれ!


【 今回執筆時間:7.5時間 】 画像準備2.0h 調整4.0h 執筆1.5
h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間 

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2008年02月15日

Pen Doctors' Rules その6

Doctors Rules 今回は回目。

 まずは青字の文章を読む。

 それに対する拙者の 本音ギャグ を下に書いてある。

 これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。


1.症状のある患者に、「あなたはどこも悪い所はありません」と言ってはならない
  それは患者を傷つけ侮辱することになる

 → 自分で調整したペン先をペンクリに初めて持ち込む人に「上手ですねぇ」と言ってはならない
    それは多くのペンポイントを傷つけ生贄を増やすことになる
 → カルテの手元を不必要に覗き込む患者がいたら、「萬年筆はお好きですか?」と聞こう。常連さんになってくれる

2.座薬を挿入する前に、包みのフォイルを取り除くよう患者に説明すること

 → 萬年筆初心者には筆記する前に必ずキャップをはずすよう伝えること。そのあとでキャップレスを渡して楽しもう
 → カートリッジを挿入する前に、胴軸内にカートリッジが既に入ってないか確認すること【ミニ檸檬】


3.50才以下の若年患者で見られる複数の症状は一つの疾患による可能性が高い

 → 40才以下の人が蔓年筆にはまると、萬年筆の本数が増える【41才以上との違いに着目】
 → 40才以下の人が萬年筆に堕ちると、安い萬年筆の本数が増える


4.50才以上の高齢患者で見られる複数の症状は複数の疾患による可能性が高い

 → 41才以上の人が萬年筆にはまると、萬年筆以外の物にもはまる【特にWAGNER会員】
 → 41才以上の妻帯者が萬年筆にはまると、妻への詫び状の枚数が増える
 → 41才以上の妻帯者が萬年筆にはまると、土曜日に外出することが少なくなる【宅急便を自分で受取る為】
 → 41才以上の萬年筆愛好家がWAGNERに入会すると手持ちの萬年筆の平均重量が増える【文鎮王子の影響】


5.患者の病気が分からないときには、「あなたの病気について私は分かりません」と言わないこと
  「あなたの病気について、私は今のところ分かりません」と言いなさい

 → どう調整しても依頼主が満足しないときには「
私は未熟でして・・」と言わないこと
   「あなたはダメ出しの女王じゃ!」と言いなさい



6.あなたが診ようが診まいが、ほとんどの外来患者の病気はなおるものである

 → 筆圧が高い人の萬年筆は、筆記角度に合わせて段差調整すれば書き味が良くなる物である
 → 筆圧の低い人の萬年筆は、インクフローさえ改善すれば書き味が良くなる物である


7.人はたいてい健康で長生きするものである

 → 調整師の手がはいらない萬年筆はたいていインクフローが悪く、ひっかかるものである
 → 調整師に出会って初めて今までの萬年筆がいかに書き味が悪かったか気付く。ある意味不幸な出会い・・・



【過去の記事】

Pen Doctors' Rules その5 
Pen Doctors' Rules その4 
Pen Doctors' Rules その3 
Pen Doctors' Rules その2 
Pen Doctors' Rules その1 

  
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2008年02月14日

解説【萬年筆と科學】 その68のかわりに【 最近のプラチナ#3776赤軸 】

2008-02-14 01 【萬年筆と科學】その68は【スチログラフ】の話題なのでまたしてもスキップ!

 今回は、つい最近入手したプラチナ#3776赤リブの最新作を紹介しよう。定価は税込みで21,000円。20年前に10,000円だった事を考えると、値上率は低いと言えよう。

 このリブは機械では彫れなくて、ロクロで削りだしていたと聞いた。いまでもそうなら5万円くらいしてもおかしくない。

 拙者の相場感で考えれば、もしペン芯がエボナイト製だったら3万円なら即買い!ということは定価5万円は付けられると言うこと。ペン芯一本を5,000円で作ってもペイするはずなのだが・・・

 職人さんがいないのでもはやエボナイト製ペン芯自体を作るのが不可能らしい。残念じゃ!


2008-02-14 02 それにしても綺麗な赤色!昔からこんなに鮮やかだったかなぁ・・・

 普通の細字でこの細さ!さすが【細字はプラチナ】と言われるだけの事はある。

2008-02-14 03 拡大してみても、ここまで小さなペンポイント。これで細字。このほかに極細超極細というのがある。どこまで細いのだろう?

 この細字で書いても、インク供給量が非常に少ないこともあって、通常の海外メーカーのEFより細い線が書ける。それより細い極細超極細となると想像もつかない。

 長原ジュニア作の細美研ぎは5亰咾砲劼蕕なが50文字楽に書けるが、日常生活でそのような小さな字を書く機会はない。細字の世界は拙者にはようわからん・・・。ただ極太好きより極細好きが多いのが普通。WAGNER会員はM以上の太いペン先が好きな人が大半だがな・・・

2008-02-14 04 こちらが横顔。最近のプラスティック製ペン芯は、なんとも見映えが悪い。いかにも安そうに見える。事実、エボナイト製ペン芯からプラスティック製ペン芯に変える一番大きな理由はコスト削減らしい。

 萬年筆コレクターが社長のViscontiですら、ペン芯をプラスティックに変えてしまった!最初のVoyagerが出たころのエボナイト製ペン芯は萬年筆の歴史上最高のペン芯だったのに・・・(ひとりよがりじゃが)


2008-02-14 05 見映えは悪いし、設計にもあまり凝っていないが、不思議と性能は非常によい。ペン芯の構造は複雑な物ほど危機管理能力が高いと考えていたが、こういう極めてシンプルな設計でもまったく問題は発生しない。あとの問題は見映えだけ・・・もう少し黒い方が良いと思う。インク誘導液に浸したところ多少濃い黒になった!

2008-02-14 06 こちらが調整前のペン先。プラチナのペン先とペン芯はゴム板で真っ直ぐに引っ張れば抜けるが、非常にきっちりと首軸に入っていて簡単には抜けない。すなわち、まったくグラツキが無い。ここが最大のメリット!

2008-02-14 07 こちらがスリットを拡げてインクフローを改善した状態。これでやっと拙者の筆圧でも字が書けるようになった。極細の字巾にもかかわらず、無筆圧でインクがとろとろ出てくる感触はすばらしい

2008-02-14 08 ほんの少し開いたスリットがなせる技。今回の試し書きはPelikanのブルーで行ったが、このペン先ならプラチナ・カーボンのカートリッジで使いたい!どれほど心地良い細字が書けるのか楽しみじゃ。

 拙者がプラチナの萬年筆を使うのは、基本的にはプラチナ・カーボンインクのカートリッジを使いたいから。瓶入りのカーボンインクならどのメーカーの萬年筆でも使えるが、カートリッジはプラチナのみ。このカートリッジと瓶のカーボンインクの差を実感したいのじゃ。

 今回はペン先は一切研がなかった。細字のペン先は、よほど酷い引っ掛かりがあるケースを除いては研ぐものではない。研げば研ぐほど酷くなる!

 細字は無筆圧で書くもの。インクフローだけで書くのじゃ。そうすればガリガリ感は一切無い。ところが細字好きほど最初は筆圧が強い。これを筆圧ゼロで楽しめるまでには二ヶ月ほど訓練が必要。

 その訓練が終わったあとの細字の極楽を知れば、もう強筆圧には戻れない!

2008-02-14 09 調整の終わった赤リブをペンケースにしまおうとしたら、一番最初の赤リブ軸を発見。上が古い方。やはり相当にくすんだ色だった!

 拙者は現行の鮮やかな色の方がはるかに好き!これは嵌りそうじゃ!

  
Posted by pelikan_1931 at 08:15Comments(14) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック