本日より6回にわたって現役大学生であるYemo-221しゃんが、他人の萬年筆を調整したプロセスと結果を論文にまとめたものを掲載する。
卒論の練習を意識してか、本格的な論文調の文章でなかなか良い。内容や記述方法に関してのアドバイスは歓迎とのことなので、どんどんコメント下され。
それでは 【その1】から・・・・
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
萬年筆調整レポート
1970年代 Montblanc No.146 14C-B
2008-09-12
萬年筆研究会【WAGNER】会員番号:00221
Yemo-221
[1] 依頼・調整内容
今回預かったクランケに関する症状及び依頼者の要請は次の通り
A) ピストン機構の破損によるインク吸入不具合の解消.
これらに加え,私自身の判断により,以下の調整を行った.
B) ニブに付着した遊離硫黄(以降,「エボ焼け」と称する)及びインク糟の除去.
C) ニブの切割の拡大によるインクフロー向上.
D) ニブ,ペン芯,首軸の配置バランスの変更.
なお,依頼者の筆記性癖が不明であることと,個体の希少性に基づく不可逆的な同一性保持の観点から,
今回はペンポイントの研削(以降,「研ぎ」と称する)の実施は見送ることにした.
このレポートは,萬年筆の調整について知識の乏しい人が読むことを想定して執筆したため,随所に調整のいろはのようなことを挿入しているが,この道の識者の方は適宜読み飛ばして欲しい.
[2]修理・調整経過
イ) 前置き
ロ) ペン先(ニブ+ペン芯)の清掃 …上記調整内容の内Bに該当
ハ) ニブの整体 …同C
ニ) ペン先の首軸への埋め込み …同D
ホ) ピストン動作の修復 …同A
以上の順を追って解説してゆく.
なお,調整内容と経過解説の順序が異なるのは,実際の作業手順の再現を優先したためである.
と、格調高い書き出しで始まったところで、以下は明日に続く・・・・
これから自分でMontblanc製品の修理、調整を始めようとする方には、良い参考資料となろう。記述されている方法が唯一無二の方法ではなく、また、最高の方法である補償はないが、萬年筆研究会【WAGNER】の調整師軍団の技を分析し、適宜質問して自分でも確かめる・・・という作業を約1年間やった成果の報告じゃ。お楽しみに!