一日一回の更新では物足りない!というメールも来たので、時間があれば番外編をお送りする。今回のはSheaffer Tuckaway。これは何本も入手した。世界のコレクターS氏の引き出しにもTuckawayがずらりと並んでいるのを拝見して意を強くしたが、本当にかわいらしい万年筆。
今回はわざとほかの万年筆より大きめの画像にした。初めて出会ったのは米国のフィラデルフィアで、老夫婦がやっているアンティーク万年筆ショップ。
当時は商店街はほとんど死んでいた。小汚いビルの2階の小さな店。展示スペースは2メートルほどで、奥の方で万年筆の修理でもやってそうな作り。なんか、パチンコの景品交換所のような感じ。
店の人と客との間には鉄格子があり、押し入れないような構造になっていた。
爺さんは偏屈で人前に出るのが嫌い、女房はやり手という感じ。(親しみを込めて)婆さんは75歳くらいで、終始ニコニコ。爺さんは咳払いしか聞いてない。一週間に5回訪問したがいつも客は拙者だけ。頼めばいろいろなメーカーの万年筆を40本入りのケースごと次々に持ってきてくれる。防犯の為、店頭には商品を置かないそう。
最初の日にSheafferを見せてもらったが、その時に見たのがコレ!MINTだった。かわいい!本当にかわいい万年筆だと思った、、、その時は、、、1998年の2末のことだ。
値段は80ドル。安いと思った、、、その時は、、、
写真のはタッチダウン吸入式だが、プランジャー式もある。こちらは弁がやられると日本で修理出来るところは無いはず。少なくとも拙者の手元に戻ってきたのは一本も無い。タッチダウン式は修理が非常に簡単なので好ましい。不思議なことにこのタッチダウン機能の筒は、通常のスノーケル式万年筆よりも太く、PFMと同じだ。スライドするストロークは短いので少しでも吸入量を稼ごうと太くしたのだろうが、それがまた妙に小太りでカワイイ。
本当にかわいいのだが、書いてみると感動が少ない。
婆さんに名前を聞いたとき【Tuckaway(タッカウェイ)】とタにアクセントを付けて発音したのが耳についていて、美しい響きだ!と感動したのだが、書き味は超超普通。可も無く不可もなく。
おそらくは20本以上は購入したが感動物はゼロだった。ペンシルはすばらしいが、、、
かわいいだけの万年筆だった。これが女房でなくて良かった、、、むしろ普通の女房よりは鬼嫁だわな。