Sailor King Profit Old 改造 【一番使ってる奴】
現在、拙者が一番気に入っている書き味の万年筆。自分の持っている万年筆で書き味の良いものはほとんど無い。書き味がよくなったら飽きて人に譲っている。これはまだ飽きていない。まだ良くなる予感がある。
この万年筆は発売されてからずいぶん時間がたってから出会った。というよりも、もうすぐ廃盤になるという話を聞いてからあわてて購入した。よくあるパターンだ。
今年の万年筆祭でセーラーのブースで試し書きさせてもらったら、あまりのペン先の柔らかさにびっくり! 素材自体の弾力がこれほどしなやかなものは珍しい。Pelikan 400NNのペン先の弾力は有名だが、あれは尖った弾力で、打てば響くという感じ。こいつの弾力はニューっと行って、ニューっと帰ってくるような感触。
インクもニュルニュル出てくる。書いていてストレスをまったく感じない。ま、ここまでくるのに細かい調整を3ケ月くらい重ねてきているので、手に合ってきているのも事実。
既にモデルチェンジしてしまったが、こいつの軸はエボナイト製だ。ただしエボナイトを磨く技が未熟だったので曇りやすく、販売店からは不評であったと聞く。新モデルではプラスティック製軸になって1万円安くなっている。ペン先もあまりに柔らかすぎて使えない人が多かったらしく、穂先が短くなったとの情報が入ってきた。確認はしていないが、もし本当なら残念だ。ちゃんと調整すればこんなにすばらしくなるのに!
ただし、さすがセーラー! マニア向けの配慮もしてくれている。書斎館のページに掲載されているが、受注生産でリングが一切なく、クリップもはずせるモデルを準備してくれている。素材はエボナイトだ! ペン先は確認していないが、穂先の長いタイプだとありがたい。なぜ、金属リングを無くして、キャップを着脱式にしたか? それは、エボナイトをせっせと磨けるようにするためだろう。
拙者もエボが曇るでのせっせと磨いたのだが金属リングがはずせない為、その上から磨くことになり金属の鍍金が全てはげてしまった。オリジナルは24金鍍金なので、はがれると周囲との色の差が目立ち、みっともない。拙者はロジウム、銀を鍍金して新しいデザインの万年筆にしているが、鍍金なんざ邪道よ!と考えている人に取ってはエボが曇るに任せるしかなかった。
そこへ受注生産品の登場だ。これは金属部分にまったく触れることなくエボナイトをピカピカに磨ける。ピカピカに磨いたエボナイトは曇らないので非常に美しい。では、どうやてエボナイトを磨くのが良いか?
伝授しましょう。東急ハンズなどのカー用品コーナーへ行って、メタリック・パール濃色車用の超微粒子コンパウンド(0.5ミクロン)を購入し、それをハンカチに塗ってコシコシこする作業を延々とやると、ピカピカに光るエボナイトになる。金属を避けながらと考えるととてもやってられないが、金属部分が無いのなら簡単。TVでも見ながら手だけコシコシとやってれば完成!
もしエボナイト素材にこだわるのならぜひお試しあれ。やっぱりエボナイトは手になじむよぅ。
ところで大型コンバーターの話はどうなったのかな?
後釈:本日のOff会でお嫁に行きました。

Posted by pelikan_1931 at 18:00│
Comments(16)│
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並木良輔しゃん
プランジャー式という噂もあるので安心出来ない・・
セーラーの95周年は、おそらくはキングプロフィットを素材とした回転吸入式になるのでしょうが、相当の吸入量になるのでしょう。楽しみです。
写真を見ていて懐かしくなった。もう2本、旧キングプロフィットがあるので磨いてみるかな?それとも曇るにまかせるのもよいかも?悩んでみるか?
金具の無いキングプロフィットには興味がある。なんでもペン先は古いキングプロフィットと同じく柔らかいと聞いた。
現在書斎館のHPにある受注生産?の(金具が無い)キングプロフィットは蒔絵の材料としていうことはありません。シンプルな図柄で作ってみたいです。
kure-1911しゃん
おお、それはラッキーじゃったな。かなり変色していたのではないかな?
旧キングプロフィット入手しました。なんと近所の文具屋にありました。さすがセーラーのお膝元。もう一週間ほど余韻を確かめてから書いて見ます。ペン先はMです。
kure-1911しゃん
旧キングプロフィット買いのがしたのか! 新になってペン先は硬くなったぞ。
注文生産のはやわらかいという噂じゃがな。
これは美しい。旧キングプロフィットに惚れ直しました。
やっぱり買って置けばよかった。
並木良輔どん
ニブの優秀性で言えば、キングプロフィットの勝ちじゃ。
ペン芯の優秀性で言えば15号用が上じゃ。
ま、痛みわけじゃな。
両社が協力すると良いのに・・・
このペン先の書き味は、パイロットの15号ペン先とどう違うのでしょうか。
ご回答、ありがとうございます。週末にでも早速取り掛かってみようかと思います。なんだか楽しみです。
hook しゃん
退色した場合はかなり深く削らないとなおりません。
まずは1200番くらいの耐水ペーパーで削り、その後に、プラスティック磨き布で何日もかけて磨き、その後で上記コンパウンドで仕上げです。コンパウンド仕上げは雑な表面処理をピカピカにするだけで、退色したものをぬぐうにはもう少し削る必要があります。ノベセントの素材は純銀なので問題はありません。
プラスティック磨き布での磨きはTVでも見ながらゴシゴシを毎日繰り返すと良いでしょう。
突然失礼します。質問よろしいでしょうか?
私スティピュラのノヴェセントを所有しているのですが、修理で一月ほど手元を離れた際にまったく褪色してしまいました。
もとの輝きに戻したいのですが、同じような方法で磨いても良いのでしょうか?因みに金属パーツは全て銀だと思うのですが。
よろしければご回答いただけると嬉しいです。
この書き味を表現するのに、ヌルヌルやヌラヌラはふさわしくないと思うちょる。それ以上の書き味を表現する言葉【ヌメヌメ】というのが最適かと思う。フコイダンみたいじゃが。
いや〜・・・そんなに思い入れのある万年筆とは知らずに拉致してしまいました。すみませんでした。以前(2ヶ月前)よりその存在が気になっていたのですが・・またお会い出来たので今度は迷わずお願いしてしました。あとの物もこのチャンスを逃すと二度と会えないのではないかと恐怖感に襲われまして・・・。
有り難う御座いました。