Parker Sonnet 自然泰源 【仏蘭西ParkerのEsprit】
このソネットを初めてみた時にその美しさに心を奪われた。軸に【自然泰源】と文字があるが、これはそのシリーズの初年度に作られたモデルにのみ記されると聞いた。Parker 75の漆モデルにも同じような漢字が入っているものがあった。
このSonnetは日本市場では売られなかったと思う。中国市場で売られたものが、オークションを通じて日本市場に入ってきたものと理解している。最初期のソネットと比べて、イリジウム周辺の処理が著しく悪いがすぐに直せる。その修正によって書き味は劇的に向上する。ペン先の柔らかさは最初期のソネットと同様で柔らかい。形状を直す段階でFをF-Stubのように研ぎ直した。ParkerのFは字に味が無いのでよくStubに研ぐのだが、けっこう評判は良い。試し書きした人はいちようにペン先先端を覗き込む。
Parkerのコンバーターには何種類かあるが、一番のお薦めはスライド式の安いやつ。これは中に金属球のような物が入っており、振ると音がする。プラチナのカートリッジと同じで、インクを常に攪拌しているので、インクフローは良くなるし、最後の一滴までインクが切れることは無い。何よりも小さな回転部分をチマチマと回さなくとも、スライド一回でジュボっとインクが入るのが気持ちよい。インクフローの良くないMontblancのボルドーを入れているが、このコンバーターにしてからインクフローが悪いと感じなくなった。
昔のソネットはインナーキャップと首軸の密着性が悪く、キャップをしていてもペン先が乾くことがあったが、今回のモデルでは問題はまったく無い。徐々に改造されたのか、大きな設計変更をしたのかは不明だ。
かなり中国のEspritが匂う仏蘭西製だが、気に入って日常利用している一本だ。ただ、書き味にこれ以上の向上は見込めそうも無く、そろそろ嫁入り時かなと考えている。
Posted by pelikan_1931 at 18:00│
Comments(9)│
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最近はソネットのペン先がずいぶんと硬くなっているという噂じゃな。今度テストしてみよう。
いずれにせよ、初期のそめっとのペン先の柔らかさは異常なほどじゃった。Parker 75から乗り替えた人はとばどった事じゃろう。
同感じゃな。
動物の絵が入ると生臭くなるような気がする。蜻蛉塗りなんてすきじゃな。
わたしは蒔絵（猫や龍など）よりもこういう模様の蒔絵あるいは塗りの法が好きです。
興し入れ済どす。
私も嫁入り先候補に入れてください。実は柔らかい時代のソネットには縁がありませんでした。
Mr.Snakeしゃん
通常はそうなのじゃが、これについては中国で生産されたという事もあり、良くわからんのよ。
キャップに文字のようなものが見えますが、これは初年度マークでしょうか？
こいつには、婚約中ですが、結納はまだ取り交わしておらん。
日々花嫁修業中じゃ。
インクフローが決してよくないMontblancのボルドーインクを入れとるが、インクフローでストレスを感じたことはない。
Parker 75もそうじゃが、Parkerの小型万年筆は非常にインクフローが良い設計のようじゃな。
なぜか、すごく、惹かれる…。
試し書きをして、ペン先先端を覗き込んでみたい。
