まんねんの兄弟

　一時筆でまんねんに凝っていた時期があった。長原先生が全国を飛び回っている時代だった。そのころは自由に調整して！とお願いするとかならずペン先が上に反らされていたらしい。

　拙者は長原先生がペンクリを始めたころから、自分で研いだペン先を見てもらっていて【この形状では呼吸困難になる】とか【ぎょうさん研がにゃ上達せんよ】とか言われながら研鑽してきた。

　先生が調整した万年筆は何本も持っているが、目の前で先生に調整してもらった事はない。【自分で出来る人は自分で調整せられぇ。自分で調整出来ん人がぎょうさん来とられるけぇ】ということで、ソバに立って、調整の技を見させていただいていた。

　先生はペン先を独逸製のヤットコで上に【きゅっ】といとも簡単に曲げる。ここで躊躇してゆっくり曲げると、スリットが逆ハの時になり、酷い書き味になる。思いっきり一気に曲げるのがコツだそうだ。

　下記の作品は、そういう技を知らないころ、おそるおそる曲げた後で、逆ハの字状態を直す調整をしたもの。どちらも値段以上の文字になったのは事実だ。

　しかし、オリジナル状態を損なわせてしまったという反省は大きい。いくら書き味がすばらしくてもオリジナルではないタルガというのは売れんよな、、、と思っておったらペントレですぐに売れた。さすがマニア集団、普通と変わったものには目がいく！

　書き味は当然タルガでまんねんの方が上だが、クルトゥールでまんねんの方が安定感がある。上に反らすのにはリスクがあるので、拙者のペンクリでは反らす調整はしていない。ただし、反らした調整をした万年筆は売っている。

Comments

aurora_88しゃんのアウロラでまんねんは、実は、ダンテでまんねんだったかな？

Posted by pelikan_1931 at 2006年02月02日 18:00

Carterしゃん

実地指導で無いと口頭では難しいんじゃよ。
２本買って、一本失敗して、どうしたら成功するかと言う質問ならアドバイスは出来るが、お主が経験してない事へのアドバイスは出来んよ。

Posted by pelikan_1931 at 2005年12月04日 21:46

クルトゥールは安いので試してみようかな。ご指導ください。

Posted by Carter at 2005年12月04日 20:02

えびしゃん

アウロラでまんねんはクルトゥールでまんねんのような反り方ですか？

Posted by pelikan_1931 at 2005年10月06日 17:52

「アウロラでまんねん」は、画像掲載されているシェーファーのように「くの字」といった感じではなく、緩やかに反っています。
そうなったのは確か一昨年春の万年筆祭りのことで、正確には覚えていませんが「好きにしていいかい」ときかれた後それほど時間はかからなかったと思います。ペンチが出てきてあれよと言う間に、ずいぶんと威張っているペンになりました。

Posted by えび at 2005年10月06日 15:59

えび　しゃん　　ついに大物の登場！　これで塩天丼たべられまふな。

何分間でアウロラがまんねんになったのでしょう？
あのニブは素材が鋼みたいな弾力なので曲げるよ折れそうなんですがの、、

Posted by pelikan_1931 at 2005年10月06日 09:40

当方所持の「アウロラでまんねん」をご覧いただけるとうれしいです。
今まで見た多くの方は、どうしてこんなにしちゃったの、とおっしゃります。おまかせなんですけどねえ。

Posted by えび at 2005年10月06日 04:38