2005年10月24日

親の仇のように使う意味　万年筆博士　田中晴美 50周年

　万年筆博士の職人である田中晴美さんの職人生活50周年を記念した、ココボロウッドの万年筆は200本限定で、またたくまに製作本数に到達したらしい。山本社長らは、当初、ヘッドにセルロイドの飾りをつける予定でいたようだが、古山画伯らの【何もつけないほうがシンプルで良いんじゃない？】という意見を容れてシンプルなヘッドにしたようだ。飾りをつけたキャップも見せていただいたが、やはりシンプルにして正解だったなと思う。

　さてその50周年記念だが、拙者のは購入直後から一ヶ月間は毎日プラスティック磨き布で擦り、ひまし油を塗り、徹底的に磨いた。フェンテの集いに持っていったおりも、皆がその輝きにひれ伏したものじゃ。だが油断は禁物！それに慢心しておる間に、aurora_88しゃんという謎のコレクターが50周年をちゃくちゃくと磨いていたようじゃった。彼は一日に10分間ほど50周年を手で揉むようにして丹念に艶出し作業に精出した。ある日、比べてみると、aurora_88しゃんの50周年の方がはるかに艶がある。

　同じココボロでも木目の粗い部分と細かい部分があり、拙者のはやや粗い部分、彼のはやや細かい部分という差はあったが、やはり悔しい！

　その日から、拙者の艶出し実験が始まった。蝋燭を買ってきて塗り、火であぶって染み込ませようとしたり、友人の和太郎しゃんから、ワトコオイルをいただいて軸に塗ったり、はたまたいろんな艶出しスプレーやらを試してみた。一番効果があったのはワトコオイルだ。単に艶が出るだけではなく、良い匂いもする。

　で、しばらくして、またaurora_88しゃんと比べてみたが、なんとなく差が開いたような気がした。先方がさらに艶を増しているようじゃった。これで戦意喪失して、ペンケースで永い眠りにつくはずだった。しかし、万年筆博士の交流会があると聞き、他の２本とともに持参した。

　会場で、山本社長に【こんなに艶で差をつけられてしまった】とaurora_88しゃんと拙者の50周年を比べて見せた。社長は『これをお使いの方は艶を出すことなど考えたことはなく、ただひたすら毎日毎晩お使いでした。文章を書くことが好きで一日にかなりの量の執筆をされてました』といって、一本の50周年を見せてくれた。aurora_88しゃんと拙者は絶句してしもうた。まるで漆でもかけたかのようにツヤツヤ！二人で脱帽・・・

　やはり万年筆は使ってエイジングするのが一番じゃと悟ったわぃ。


2005-10-24 AM 万年筆博士　田中



Posted by pelikan_1931 at 06:00│Comments(18)│ このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック │万年筆 | 万年筆
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この記事へのコメント
その前に試してみたいのが、【つやふきん】
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月05日 11:10
相当艶が良くなったので、先日aurora_88しゃんと比べっこしたが、、、差が広がっていた。
どうも素材の木目が違うようで勝てそうも無い。かくなる上は・・・漆か・・・やはり
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月05日 11:09
光沢を出したいのなら素材レベルで選ばないとダメじゃ。
健闘を祈る。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月18日 18:30
私は50周年は買い逃したので、定番品になったココボロウッドにターゲットを絞っています。出来るだけ艶の出そうな、木目の細かいのを狙うのがコツのようですね。
Posted by kure-1911 at 2005年12月18日 11:24
写真から１日たって、だいぶ艶が出てきました。
しかし、あの衝撃には程遠い、、、がんばらねば。
Posted by pelikan_1931 at 2005年10月26日 05:39
スリスリ道も奥が深いですねぇ〜。
僕もがんばらなきゃ！
博士さんの50周年、pelikan_1931 さんの画像を見るだけでも凄いツヤだってわかりますけど、それ以上の人がいるって、凄いなぁ・・・。


Posted by Ｄａｈｌｉａ at 2005年10月26日 00:36
stand_talkerしゃん

行き着く先は漆ですな。もっとも蒔絵はご勘弁ですが。

昔、やっと手に入れたPilotのパンダを見せた女性が（遠慮というものを知らない人でした）【なんか、知能指数の低そうなパンダね】というのを聞いて以来、動物の蒔絵は敬遠している。見る目の無い人に見られて不躾な言葉をかけられては万年筆がかわいそうじゃからな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年10月25日 19:16
師匠！　漆ですか！？
実は万年筆には、今も昔もこれからも漆は大事なテーマなんどすなぁ。
実は漆職人さんと知り合いまして、、、この先は恋歌で。(^_^)
Posted by stand_talker at 2005年10月25日 19:08
aurora_88しゃん

なんとH134しゃんの技を会得したか！
考えていたよりも力を入れて磨いていたので、肩凝りの拙者は遠慮したのじゃが、そんなに急激に変わるんか！　が〜ん！

お正月を越えて変わらなければ、禁断の漆攻撃にはいるぞぇ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年10月25日 16:05
今日もやっています。三日は続けないとね。h134さんから教えていただいた磨き。ただひたすら磨くだけですが、先日からだいぶ変わって来ているような感じがします。スリスリ。
Posted by aurora_88 at 2005年10月25日 13:36
blogの記事とコメントを書いていると、スリスリする時間が無い！
Posted by pelikan_1931 at 2005年10月24日 23:53
なんかヘンな集団になっとりますな。(^_^)　絶対に嫁には見せられん。(^_^)
Posted by stand_talker at 2005年10月24日 23:41
aurora_88しゃん

え〜！まだ磨くの！　負けられないなぁ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年10月24日 21:10
Dahliaしゃん

80周年は元々は全てにクリア漆が塗られていました。それをサンドペーパーで剥がしたものが珍重されています。

ブライヤーのボールペンは、元もとのクリアラッカーが残っているのだと思いますよ。あの細軸の漆を取るのは難しいでしょうから。
Posted by pelikan_1931 at 2005年10月24日 21:10
stand_talkerしゃん

軸色がかわるほどスリスリどすか！　すごい！
おっと、今日も、お勤めせねば。50周年！
Posted by pelikan_1931 at 2005年10月24日 21:07
良い目標を見ることが出来たと思っています。まったく使わずにインクが消滅してしまったこともあったのですが、これからは何も書かないまでも毎日一回は手の中で転がします。いや、使います。
Posted by aurora_88 at 2005年10月24日 14:27

ツヤ出しですね、実は…僕も今寝る間も惜しんでスリスリしてるんですよ、アレを。　というのも昨日�鼎任發覆し亳海鬚靴泙靴討諭∪邯�先生のペンクリでのこと・・・、マイカルタありますでしょ？アレを常にスリスリされてるお方がお客さんで座っていらして、紫に光ってるんですわ、アメジストが如く。　アレにゃ驚きましてね、川口さんの８０周年もツヤツヤですよね、ほんとにあんなになるかしらと思っていたら、そのマイカルタをお持ちの方、胸を見たらブライヤーボールペンをお持ちで、これまたロウでも塗ったのかしら？と思うほどのツヤで、ありゃ驚きましたわ・・・。
僕もスリスリ、何年か後が楽しみですわ。
艶出しのコツなんかございましたらご教授くださいませ。
Posted by Dahlia at 2005年10月24日 10:57
その万年筆には出会えなかったのどす。残念だった。
代わりに、と言ってはヘンだけれども、ファーバーカステルのスネークウッドをナデナデしています。(^_^)　いいですよね。木製軸。だんだん色が濃くなってきて。。。ん？何か相対的に縞が見えにくくなってきたゾ。(^_^)
Posted by stand_talker at 2005年10月24日 08:31
 
 
 
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