万年筆博士の鼈甲軸 あっという間に出来上がった!
昨日の黒水牛軸の話の中に出てきたのが、この鼈甲軸じゃ。1987年の10月の万年筆博士の交流会で注文して、クリスマスには届いていた。8月に頼んだ黒水牛は翌年なのにもかかわらずだ。
からくりを山本社長に聞いたら、交流会用の枠をあらかじめ見込んで納期をきめているのだとか。従って10月に頼んだ場合、それを優先して作ってくれたわけだ。過去形で書いたのは、現在ではこの枠は無くなってしまったから。先日も交流会で頼んで、お正月までに来るのかな?と聞いたら、今では仕事が詰まりすぎていて、枠が取れないのだとか。残念。
この鼈甲軸は、博士の交流会で何気なく持ったサンプルに驚愕して『同じものを!』と申し込んでしまった。あまりにもバランスが拙者にピッタリじゃった。本日に至るまで、この万年筆よりも拙者に【バランズが合致する】万年筆にはお目にかかっていない。
市井のペン先調整人である拙者には軸のバランスを変える技は無い。しかるに軸職人は自由に重心位置も長さも好みに合わせられる。こういう人がお友達にいると助かるな。ま、とにかくこいつはバランスが良い。
ではバランスが良い万年筆は何をもたらしてくれるのか?【握ったとたんに口元が緩む感覚】だけじゃ。だがそれだけで十分。それだけを感じたくてこの万年筆を取り上げる。インクを入れないで紙の上をなぞるだけで良い気持ちにさせてくれる。最高の万年筆とはそういうものじゃ。
本日イリジウムを見ていたら、これも拙者がシャイベン風に研ぎ上げていた。シャイベンを知る何年も前の作業じゃがな。

Posted by pelikan_1931 at 05:45│
Comments(10)│
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最初の万年筆博士 黒水牛軸【万年筆評価の部屋】at 2006年04月08日 07:38
昨日はこの万年筆についての書き心地や調整について書く前に力つきたので、気を取り直して書く! こいつは拙者にとって初めてのオーダーメードの万年筆!要するに注文の仕方も勘所も良くわかっていなかったわけじゃ。また、こんなに太い軸の万年筆は持ってなかったのもか....
万年筆博士 黒水牛軸 続き【万年筆評価の部屋】at 2006年04月08日 07:37
これを入手して以来、ますます蒔絵万年筆に対する興味を失った。素材の貧弱さを厚化粧で隠す・・・いかがなものか・・・
やはり拙者は素材で勝負する万年筆が好きじゃ。
万年筆博士の14金ペン先には独特の弾力があるでな。
特に大きいニブほどその弾力がすごい。一度は試してみる価値ありじゃ。
pelikan_1931様
やはり自分で発注して確かめるしかなさそうです。多少暖かくなったら鳥取へ向けて出発します。
万年筆博士用に特別につくっているのじゃろうから他のとはくらべられんじゃろう。
どうも小さなハンマーで昔ながらに鍛錬したような独特の書き味じゃよ。
このペン先はセーラー製のようです。まだ14金ペン先を作っているのですね。21金ペン先と違いがありますか?
・・・残念っす!
ガーン!
残念だなぁ。
鼈甲みたかった。
師匠にとって、最高のバランスとは素晴らしい!
私も今、いろいろなペンのデータを取っております。
握りやすさや書きやすさの『黄金比』か何かがあるのではないかと。
師匠の鼈甲軸の博士、ぜひ見せていただきたく、よろしくお願いします。
kugel_149しゃん
残念ながら、万年筆博士シリーズには特別な時以外はインクを入れないんじゃ。ましてや、身内以外には使わせられない理由があってな。
師匠、ぜひ一度、万年筆博士シリーズを見せていただけませんか?
シャイベン研ぎも書いてみたいです。